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デート、どうだった?


――チロリン♪


携帯がなる。誰かと画面を見て確認すると…


「……!!!な、な、な、直くんからメールだーー!!!」


直くんの方から連絡が来たのは初めてだ!ぅぅ嬉しいー!!


「なになに?」


ウキウキ!



〝今日はごめん。〟


「…。こっ、これだけ?」


絵文字も、スタンプもない…!!






✽✽✽



「…。」


なんとか本田さんにメールを送った。

(色々考えすぎて…疲れた。)


結局、置いて帰ったお詫びと返事をしていないことをまとめて謝った。


貴将から言われたように、本田さんは他の人と違うんだろうか。


〝休みを一緒に過ごしても良い人〟


俺が冷たい態度を取ってもかまってくる本田さんは確かに希少な存在だ。


〝とりあえず付き合ってみたらいいのに〟


…とりあえずっていうのはどうなんだろう。


高校生になって周りがカップルだらけになっているのは薄々気づいている。


男子も誰が美人だの、かわいいだの、話題が女子の話ばっかりで持ちきりだ。


…俺はそういうのがよく分からない。




✽✽✽


「直ってホント真面目だなー。」


「…。」


月曜日、デートがどうだったか気になっていたらしい、プランを聞いた山内に捕まってしまった。


「そんなこと言ってたら誰とも付き合えないって。」


「…。」


「なんとなく付き合って、気づいたら好きだって事もあり得るし、何を持って付き合ったら悪いなんて規定はないだろ。」


「気づいたら好き…。」


「とにかく、本田ちゃんと付き合え。そしたらチューも出来るし、その先だって出来る。」


「おい。」


「きっかけなんて何だっていいよ。それこそ同情だって。俺は本田ちゃんが報われないのがかわいそうだと思うから、直もかわいそうな本田ちゃんを哀れんであげる気持ちで付き合ってやればいいじゃん。」


「何だそれ。」


「俺も自分が好きになって告白した側だから。報われると嬉しいし、やっぱり惚れた弱味だってある。直と本田ちゃんは本田ちゃんが直を好きなんだから直が上に立てるぞ。」


「…そうまでして付き合いたいのか?」


「そりゃあそうだろ。特別な存在だぞ?彼氏って。」


「特別…。」


「例えば、彼女が口説かれてたら堂々と彼氏として出ていけるし、付き合ってなかったら影で指咥えるくらいしか出来ないかも知れないだろ?」


「影で指咥えるってウケるな。」


「…直はさ、本田ちゃんが他の男に告白されて付き合うことになってもいいのか?」


「…本人が良いなら良いんじゃないか?」


「はぁ〜。直の付き合う基準って何?」


「基準?やっぱり好き同士だからじゃないのか?」


「じゃあ好きの基準は?」


「それは俺が聞きたい。」


「俺は今の彼女を見てかわいいなーとか、スタイルいいなーとか、話が合うなーとかから始まって…」


「…。」


「もっと一緒にいたいなとか、他の男と仲良さそうとしてたら嫉妬してるのに気づいて、他の男に取られたくないって思ったから告ったの。」


「へー。」


「へーって。直はさ、まずは本田ちゃんに興味を持つことから始めたら?」


「興味?」


「ほら、好きな食べ物とか、何が好きで何が嫌いか。そういうのをお互い話してさ、気が合うーとかなっ!」


「…。」


(元々、人にあまり興味がない。何が好きで何が嫌いかなんて、はっきり言ってどうでもいい。)


山内のいうとりあえず付き合うってのはやっぱり却下だ。

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