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デート、次に繋げていきたい


「はぁ〜。今日は幸せだったなー。」


夢のような一日だったな。


手は繋がなかったけど。…付き合ってないんだし仕方無いか。


学校以外で会って、映画見て、向かい合ってカフェタイム…


「キャー!!」


幸せ〜。


弟さんと仲良いんだな。弟さん、直くん見つけて嬉しそうだったし。


〝直の彼女?〟だって!

弟さんから見たら私彼女に見えたのかな?嬉しい…



挨拶してる直くん、大人だったなー。


直くん、働き始めたらあんな感じかな…。


スーツ着て…


(直くんのスーツ!!)


スミマセン、鼻血が出そうです。かっこいい…


「…あっ!」


妄想が行き過ぎて忘れる所だった!


あの後、弟さんを連れて帰る直くんからお会計のお金を貰ってたんだ!


…映画のお金も出して貰ったし、次は私がだそうと思ってたんだけど…


月曜日に返そう。


…いや、待って。逆にこれをきっかけに次を誘おうかしら?


ハッ!!


もしかして、直くんも次の為にお金置いて帰ったのでは!!ヤダ、直くんのムッツリー!


……。


「それはないかー。」


――ボスッ


ベッドに仰向けに横になる。



直くんは真面目で、律儀だ。


好きだなー。やっぱり、好き。


早く直くんに会いたいな。月曜日が待ち遠しい。





✽✽



「………。」


もう長い間、スマホを見て固まっている。


(本田さんに先に帰ったお詫びと、結局言えなかった返事を…)


先程から、LINEを打っては消しを繰り返している所だ。


(…また会えるかという点に関しては、明確に拒絶する理由は無い。が、しかし。会っただけでそんなにお礼を言われるような事はしていない。その点を踏まえると……)


まるで数学か理科の公式のような事を考えている。


考えすぎて、また振り出しに戻る。






「なーおー!」


――ガチャ


弟はノックもしなければいきなり部屋に入って来る。


鍵をかけておけばよかった…


「ん。」


弟が手を出してくる。


「何?」


「口止め料。」


「何の?」


「直が彼女とデートしてたの、お兄ちゃんに言っていい?」


ニタァとものすごく腹立たしい顔で笑う。


弱味を握った悪代官さながらだ。


「…。」


「直も隅に置けないねぇ。まさか直にデートするような彼女がいたとは。」


イシシッと笑ってくる。


「貴の勘違い。彼女じゃ無いから。友達と遊んで何が悪いんだよ。」


そう。付き合っているわけでは無いし、映画くらい普通に友達となら行く。


男女が二人でいる事と交際関係はイコールで結びつかない。


今度は俺が勝ち誇ったように貴を見る。


形勢は逆転だ。


「他の人ならそうでも、只でさえ男友達すら少ない直に女友達がいるか〜?」


コイツは痛い所を突いてくる。


「〝週末くらいゆっくり静かに過ごさせろ〟って俺を怒る直が女友達とねぇ〜。へえ〜。」


形勢は全く逆転していなかった。


「仮に付き合ってなかったとしても、〝休みを一緒に過ごしても良い人〟なんだろー。珍しい事もあるもんだ。」


コイツは目ざとい。そして性格が悪い。


(絶対兄貴が甘やかすからだ。)


「まぁ、直が女の人と一緒にいたって言うだけでお兄ちゃんには充分通用するよな。その後は面倒くさいぞー。質問攻めだ!」


〝えー!直くんに女の子のお友達!?誰々?いつから仲良いの?好きなの?お兄ちゃんに教えてよ!協力するから!〟


…質問攻めの想像が容易につく。それは避けたい。


「…いくらだ?」


俺の負けだ。というより、心理作戦では貴に勝てない。


「毎度あり!欲しいオモチャがあるんだよ〜。ラッキー!」


さっきあんなに泣いていたのはどこのどいつだ。


少し…いや結構、泣かした罪悪感を感じていた自分がバカらしい。



「今日は俺が邪魔したから、また来週でも埋め合わせしたら?」


「何言ってんだよ。貴とキヨさん二人にして家をあけられるわけないだろ。」


「俺をもういくつだと思ってんの?一日くらい一人でおとな〜しく遊べるよ。キヨさんのお手伝いだって出来るし!」


(…絶対キヨさんに迷惑かけて手伝いなんかしないだろ。)


しかし、思えば貴ももう小6。家に一人でもない。キヨさんがいるし。

いつも兄貴が過保護に心配してるからなんとなく一緒にいないといけない気がしていただけだ。


キヨさんがいいのなら家に俺がいなくてもいいのかも知れない。

貴ちゃんもなんだかんだ言って優しい子です(*^^*)


仲良し兄弟♪

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