初デート!
「ねぇ直くんどこ行く?」
当日、駅で待ち合わせをして直くんと合流。
ドキドキ、ワクワク。
「どこか行きたいところある?」
あ~。直くんが私に話しかけてる〜。幸せ〜!
「直くんと一緒ならどこでも嬉しい!!」
即答!!だって本当の事だもん!
「…。じゃあ映画でいい?」
なんてタイムリー!!
「私、見たいのある!!」
✽✽✽
コテコテの恋愛映画だった。
最後はハッピーエンド。終わり。
…ヤバイ。感想が無い。
「すっっごく感動したね!直くん!!」
「えっ!?…あ、うん。」
「良かった〜最後に想いが通じあって!」
映画を見てカフェで休憩。
レクチャー通りのプランで、我ながら全くオリジナリティが無い。
夕方に弟が帰って来るからそれまでに帰らないといけないのでご飯では無くなったが。
兄貴だったら小洒落たレストランとかエスコートするんだろうなーとか弟はあのまま大きくなったら遊園地とかで楽しませるんだろうなーとか、どうしても比べてしまう。
“本田ちゃん、直の事ずっと好きじゃん”
……もし、もしも、仮にそうだと仮定したとしても、俺にそんなに好かれる要素があるとは思わない。
本田さんは趣味が悪いんだろうか。
…いや、これは彼女に失礼だ。
「直くん?」
「あっ、ごめん。何?」
(しまった。考えこんでしまった。)
途中から全く話を聞いていなかった。
せっかく話してくれてたのに…。
「えっと、今日はありがとう。」
「…。」
本田さんがペコリと俺に頭を下げる。
「まさか、直くんが私と二人で会ってくれるって思わなかったから」
本田さんがややうつむき気味に続ける。
「ずっと、直くんを好きになった時からこんな日が来たらいいなって思ってて、それが叶って嬉しい。」
「…。」
「直くん、叶えてくれて、ありがとう。」
本田さんはまっすぐ俺を見つめて言う。俺はどう言っていいか分からず黙ったままだ。
「また、こうして私と二人で会ってくれる?」
直くんもももちゃんも緊張しています!
こんなに想われて直くんが羨ましい…