高校生になりました!
高校生編スタートです。
ここから進展する…かな?
「直くんも、もう高校生か…はやいなぁ。」
高校に進学した。兄貴は心底嬉しそうに俺を見る。
「俺、16歳になったらアルバイトするから」
兄の支えになりたい。それは変わらない。
「何言ってるの。学生はお勉強して下さい。」
この会話は中3の時からずっと続いてる。一辺倒だ。
「兄貴ばっかり働かせる訳にいかないだろ。俺だって自分で稼ぎたい。」
「お兄ちゃんは好きで働いてるの。社会人になったら自動的に自分で稼ぐ事になるんだから、学生は学生の時しか出来ない事をしてよ。」
いつものこのやり取りだ。家の出費に俺らの学費、兄貴はいつもお金の工面をしているのを俺は知っている。
「俺は自由に生きてるよ〜」
…そしていつも通り、空気の読めない弟が入って来て話は中断する。
アルバイトするにしても、高校生の俺は保護者の同意がいる。保護者は兄貴だ。
俺は兄貴に生かされてる事を思い知らされる。
早く大きくなりたい。
学校に行き新しい教室で決められた席につく。
本田さんと同じクラスになった。本田さんとは中学の時に泣かせて以来疎遠になっている。
猪突猛進にガンガン話しかけて来ると思えばスーッと波が引くように離れていく。
女の人は全く分からない。
“泣かせてしまった”と自責の念にかられていたのに…
結局弁解も謝罪も出来ないまま高校生になった。
自分から女子に話しかけるのはどうも難しい。
あれ以来、後悔にかられ、ずっと本田さんが脳内をかすめている。
後悔と申し訳無さと…
✽✽
「あっ!」
百子は大きな声を出した。
中学では一度も同じクラスになれなかった直之と高校一年で同じクラスになれたのだ。
ものすごい高揚感でいっぱいになる。直之の近くにいれる。
チラっと隣の席になった直之を見る。
久しぶりに近くで見た彼は、背も伸び、体格も男の人らしくなっていた。
(指もゴツゴツして…やっぱり、かっこいい。)
百子も高校生となり、どうしても直之を男として意識してしまう。
直くんは意外と“気にしい”です。
ももちゃんはとっても一途♪