好きなのやめる
〝他を当たってよ〟
二度目の告白はまたしても惨敗に終わる。
…届かなかった!
私の気持ちも何もかも。結局私は彼女どころか友達にすらなれていない。存在すら知られていないに等しい。
(直くんを好きでいるのが辛い…)
好きなだけで嬉しかった頃には戻れない。
話したい。仲良くなりたい。彼女になりたい。
…欲は深くなるばかりだ。
「直くんが好きなのに…」
言ってまた涙が出る。もう届かないのだろうか…
✽✽✽
「えっ!三井好きなのやめるの?」
一晩考えて出した答えを愛梨に宣言する。
「報われないってツライ。」
こんなに好きなのに。
「…報われないほど何かした?ストーカーして眼力送ってるだけじゃない。」
「えっ!何それ!?」
「え?無自覚?」
…。私ってもしかして危ない人だったのかな?
「直くん、私の事キライなのかな?」
ストーカーしてたとは気づかなかった。あんなに思いが届かないのは、私の事が嫌いなのかな。
「さぁ?」
「いや、“さぁ”じゃなくてどう思う?」
「だから私三井じゃないし…」
「…そっか。」
「いっつも好き好きばかり言ってないで、相手の気持ち考えたら?」
「…え。」
相手の気持ち…
…直くんの気持ち
直くんの気持ちを考える…
(あ、私、自分の気持ちばっかりで直くんの気持ち考えた事なかった…かも…)
いつも、
私が直くんが好き。
私が直くんを見つめる。
私が直くんに声をかける。
改めて思う。クラスが一緒でない限り、直くんとの接点は無い。
いつも〝私が〟だったなぁ。
直くんの特別になりたい。
願いは一つだ。けれど、直くんの気持ちを考えた事はなかった。
(私、これまでもずっと直くんに迷惑かけてたのかな。)
けれども陰から見つめるという行為はやめられないが…
自制心と直くんのそばにいたい欲望と。
…やっぱり、直くんを諦める事は出来ない。
好きな気持ちは止められない。
一晩考えて出した答えはこの一瞬でひっくり返る。
しかし、結局中学の三年間、直くんとの接点はないまま終わった。
中学生編はほぼ無いに等しいほど駆け足で終わってしまった(´・_・人)
ストーカーももちゃん(= ̄▽ ̄=)