中学生に!!
「パパ、ママ。私、女学校には行かない。進級するわ。」
夜、決意を新たに直談判。
「ママは百子の味方よ、パパ。」
なんと!心強い!これは勝率90%だ!
「百子には今の学校でしなければいけない事があるのよ。パパは女学校にやって百子に立派な婿をと思っているみたいだけど、百子は他に夢があるの。叶えてあげましょうよ。」
パパはまだ不満そうだ。
「パパ、このまま中等科に行かせてくれないと私パパの事キライになるから。」
(私は知っている。パパはこの言葉を聞くと私の言うことを聞いてくれる事を!)
「…分かった。」
パパは不服そうだが了承してくれた!やった!これで直くんと同じ中学に進級できる!
✽✽✽
「百子、良かったわね。進級の許可が下りて。」
ママがあれから部屋を訪ねて来た。
「ママ…」
「ママも青春を思い出しちゃったわ。こうなったら中等科でも高等科でも、三井くんを追いかけて行くのよ!」
「ママ!」(なんて力強い!!)
私、まだまだ諦めない。改善してもう一回直くんに告白する。頑張る!!
✽✽✽
春になり私と直くんは中学生になった。
告白のシチュエーションはまだ作れていないけど、きっと素敵な中学生活になるわ!
私と直くんの青春時代の幕開けよ!!
…と、思ったのも束の間。
「…。すっごいね。外部入学生の三井フィーバー。」
「直くんが遠い…。」
そう、中等科からは初等科の持ち上がりに加えて外部受験した生徒が入ってくる。
盲点だった。直くんに女子が群がって近づく事も出来ない。
そう、直くんは美しいのだ。
同年代の男子には無い落ち着き、身のこなし。キレイな顔立ちに、きめ細やかな肌。
まるで少女漫画から抜け出て来たようなヒーロー…。
女子にモテるために産まれてきたような人だ。
(…。……。好き!直くん!!)
友人の愛梨がやや白けた目で私を見る。
「…何よ。」
「いや、百子って段々危ない方向にいってないって思って。」
「…直くん、他の人と恋人になったらどうしよう。」
「聞いてよ。」
愛梨の言葉も入って来ない。直くんが女子に囲まれている。こんな日が、来るなんて…。
お願い直くん、遠い世界に行かないで…。
ももちゃんの家庭内の力関係
母→ももちゃん→父 かな。
中学生編になりました。宜しくお願いします!