表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ステ振り失敗したまま異世界転移~なんとか冒険者になれたので、ハズレスキル頼りで無双することにします~  作者: アカバコウヨウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/65

第十六話の三

犯すだの監禁だの。

 家畜だの雌豚だの。


 アッシュはそれからも、エリスとそんな話を続けた。


 エリスは腐っても女の子だ……それもかわいい。

 アッシュとしてはそんな子と二人きりの時に、そんな会話をしたくはない。

 するならばもっと、楽しく明るい話題がいいのだが。


(なんだかエリスと話してると、仲のいい男友達と話してるみたいな感覚になるんだよな。自然と下ネタが飛び出すと言うか……はぁ)


 というか、自然と下ネタが飛び出すってなんだ。

 やはり女の子との会話で、そんなものが自然になって欲しくない。


 と、アッシュが改めて考えたその時。


「それで、ナスとキュウリどっちがいいのよ?」


 エリスが両手に野菜を持ちながら言ってくる。


 そう。

 アッシュは現在、ようやく本来の目的を果たしに来ていたのだ。

 ティナから頼まれたおつかいを済ますという目的を。


 にしても。


(駄目だ……エリスはどっちの野菜を買うか聞いてるだけなのに、全部下ネタに聞こえてしまう。それともまさか、エリスは狙ってやってるのか? いや、駄目だ駄目だ駄目だ! 変な事考えるな、俺までエリスみたいな変態思考になってきてるぞ!)


「ねぇ、ちょっと! 返事しなさいよね!」


 と、エリスはナスとキュウリをアッシュへ突き付け言ってくる。


「太いのと長いの、どっちをいれたいのよ!」


「くっ……正気を保て、痴女に負けるな!」


「はぁ? あんたついにおかしくなったみたいね。どっちをいれたいかだけでも、ちゃんといいなさいよね!」


「……太いので」


 と、アッシュが答えたその時。


 ピロロン。


 アッシュの脳裏に妙な感覚が奔る。

 まるで脳内でスマホの着信音がなったかのような音だ。


(なんだこれ? いきなりすぎて驚いたけど、今のってあのゲームでよくあったメールの受け取り音……だよな?)


 このゲームはゲームではないが、ゲームに似ている面もある。

 ということは、さっきの音は実際にメールが届いた音ではないのか。


 アッシュはそう判断し、メニューウィンドウのメール画面を開いていく。


(この世界のメールがどういうシステムで送れるのかは、正直まだわからないけど……やっぱり、メールが届いてる)


 差出人はティオである。

 そこに書かれていたのは。


『アッシュさん……ピンチです。負けてしまいそうです……助けてください、どうかアッシュさんの力を貸してください。この家と……アッシュさんを守るために!』


「っ!」


 一目見てかわる。

 ティオは今、何かしらの危険に陥っているに違いない。


 つまり、緊急事態だ。


 アッシュはすぐさまティオのステータスを開く。そして、そこにある全てのステータスにスキル《変換》を使用。


(どんな事態にも対応できるように、全てのステータスを上昇させるしかない!)


 アッシュは操作を終えたのち、ちょうどお会計をし終わったエリスの手を掴み。


「エリス、行くぞ!」


「え、ちょっ……急になによ!? え、え……そ、そういう事!? まさかそういう事をする覚悟できたの!? い、いいわよ! 仕方ないから、あんたの好きなように使われてあげるんだから! で、でもあたし初めてだから……その、なるべく痛くて気持ちよくしてくれると――」


「いいから、早く!」


 アッシュはエリスの妄言を遮り、ティオの家へと向かい走るのだった。


(ステータスを上昇させたから、大概の事は乗り切れると思うけど……頼むから、無事でいてくれ!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ