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ステ振り失敗したまま異世界転移~なんとか冒険者になれたので、ハズレスキル頼りで無双することにします~  作者: アカバコウヨウ


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第十五話 狐と姉妹

 時は数分後。

 現在、リビングではテーブルを囲んで会議が開かれている。

 会議の出席メンバーは――。


「信じられない! これだから男は嫌なのよ!」


 バンバンテーブルを叩いて来るエリス。


「アッシュさん……部屋を貸すのは確かに許可しました。でもさすがに部屋に女性を連れ込んで、いたすのはどうでしょうかと……そう思います」


 ジーっと見つめてくるティオ。


「ほう。アッシュよ、こやつらがおぬしの愛玩具か? さすが我の部下、とてもかわいらしくていい趣味なのじゃ!」


 よくわからない事を言っているシャロン。

 そして当然。


「…………」


 アッシュである。

 しかし、彼はもはや言葉にすることが見つからなかった。


(今何を言ったところで、完全に逆効果だよな。ティオには、もろシャロンとの現場を見られちゃってるし。それになんか言うと、すぐにエリスが噛みついて来るし)


 もちろん、アッシュはシャロンにティオが言う様な事はしていない。

 しかし、現場が現場だ。


 ティオが入ってきた時――シャロンは肌を露出させ、その肌は火照っていた。しかも、アッシュはそんな彼女の尻尾をにぎにぎしていたのだ。


 見る人が見れば完全に最中だ。

 しかも、尻尾を弄る特殊プレイだ。


(でも、何か言わないと誤解されっぱなしなのも事実だしな)


 アッシュがそんな事を考えていると。


「これでようやく化けの皮が剥がれたわね!」


 と、エリスが勢いよく言ってくる。

 彼女は腕を組み、「ふん」と一言さらに続けてくる。


「あたしは知ってたんだからね! あんた、あたし達の恩人なのをいいことに、あたし達に好き放題しようとしてたんでしょ!」


「え、いや。しようとしてな――」


「し・て・た・の! 裸で家の中を歩かせたり、四つん這いで散歩させたり、蝋燭を背中に垂したり…んっ、くぅ……む、鞭で……鞭であたしのお、おっぱい! 鞭であたしのおっぱいを傷つける気だったのは知ってるんだからね!」


「いや、しないからな!?」


「ティオは!? ティオには何をさせる気だったのよ! ティオにあたしを犯させるきだったんでしょ!? 変態! この変態! 強要されて姉妹丼なんて……姉妹丼なんてっ!」


 エリスは「あたしは負けないんだから」などと言いながら、体をくねくね自分だけの世界に入って行ってしまった。

 だが。


(これはチャンスだ。一番面倒でうるさそうなのが消えた! これでティオを説得――)


「それで……あなたはアッシュさんとどういう関係ですか?」


 と、アッシュの思考断ち切り聞こえてくるティオの声。

 彼女は相変わらず感情の読めない声でシャロンへと続ける。


「私はティオ……とある理由でアッシュさんに部屋を貸しています。そうですね……大家さんみたいなものです」


「くくく、自己紹介ご苦労なのじゃ! 我はシャロン、上級冒険者なのじゃ!」


「上級冒険者……!」


 と、ティオは少し驚いた様な顔になる。

けれど、シャロンはそれを無視してティオへと言う。


「アッシュとの関係を聞きたいと、おぬしは確かそういっておったな?」


「はい……私に無断で部屋に女の子を泊める変態性に、若干ひいてますけど……アッシュさんはそれでも、私にとって大切な人ですので」


「ほう……それはつまり、我がアッシュにとって悪い虫ならば、排除すると?」


「…………」


「くく、くははははははははははっ! 冗談、冗談なのじゃ! それにおぬしでは我には絶対勝てないのじゃ! 命を無駄にするなというやつなのじゃ!」


 そんなシャロンの言葉にむっとしたのか、ティオはさらにジト目を強める。

 しかし、シャロンはそんな彼女をまたも無視して言う。


「我はアッシュの主なのじゃ」

 

 とんでもない事を言ってしまう。

 シャロンのティオに対する言葉は止まらない。


「アッシュは以前、この我に全てを捧げたのじゃ! つまり、アッシュの全ては我のもの……おぬし達もアッシュのものならば、当然我のものなのじゃ!」


「全てを……捧げた、ですか?」


 ティオはジトーっと、アッシュを睨んで来る。


(いや、捧げてないです……けど、終わったなこれ)


 アッシュは一人うなだれるのだった。


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