第2話 導きと始まり
どうもけとりゅーです。
第2話投稿です。
「稲荷君。残念だけど君は死んだの。」
彼女は微笑みながらそう言い放った。
「やっぱり僕は死んでしまったんだね。そうか…。」
やっぱりあれは夢じゃなく現実だったんだ…。
「あら?意外と普通ね。もっと大騒ぎすると思ったんだけど。」
彼女が少し驚いたようにこちらを見つめてくる。
「僕ははねられた時のことしっかり覚えてるしね。なんとなくそうだと思っていたんだ。」
「へぇ。やっぱりあなたって面白いわね。」
くすくすと笑いながら再び微笑む。
「それで、ここはどこなの?最近よく見かける小説とかにある神様のいるような場所なのかな?」
死んだのにこのような場所にいる。何かあるはずだ。少し緊張しながら尋ねる。
「ええ。そのとおりよ。私の名前は…。そうね、ムーンとでも呼んで。私はあなたの世界を含めたいくつかの世界を管理している管理者。あなたたちが神と呼ぶものに近く、それに名を連ねる存在よ。」
「なんだかテンプレみたいだな…。」
「ふふっ。では早速だけど本題に入りましょうか。あなたを異世界に転生させてあげましょう。」
「え?転生?」
ふと考えた。
異世界に転生する場合いくつか理由が思いつく。
1.世界を救うために勇者として転生させられる
2.神様のミスで死んだのでお詫びで転生
3.神様に殺されそのまま転生させられる
4.生前に罪を犯したためその罰として転生
「…。」
理由が思いつかない。
「えっとムーン。ちょっと質問いいかな?」
「ええ。かまわないわよ。」
「なんで僕なの? あの事故は君が起こしたの?」
「事故に関しては違うわ。あの事故は必然よ。あなたはあの時死ぬ運命だった。」
「そうなのか…。」
「そうね。何で君か。それは理由はないわ。しいて言うなら散歩中で見かけたから暇つぶしね。」
「ふぇ!?」
あまりにも予想外のため変な声を上げていた。
「ひ…暇つぶし…?」
「そう。暇つぶし。たまたま久しぶりにこの世界に下りてきて散歩してたの。そしたら死期の近いあなたを見つけて面白そうだなぁ-と思ってね♪」
こら。仮にも神様もう少ししっかり目的を持ってやってくれ。
でもなんか呆れて緊張してたのが馬鹿みたいだ。
「まぁ神の気まぐれとして、プレゼントとして受け取ってもらえないかしら?」
「楽しそうですね。」
いや。ほんとに楽しそうっていうのが顔に書いてあるくらいはっきりしている。
「ええ。すごく楽しいわ。」
マジで暇つぶしだったのか。ムーンを見てると実感する。
「わかりました。とりあえずこれからのことを教えてください。」
「わかったわ。」
彼女は新しい玩具を見つけてはしゃぐ小さな子供そのものだと思った。
「まず、あなたが行く世界は剣と魔法、さまざまな種族が暮らし、魔物や魔獣があったりいたりする普通のファンタジーの世界よ。その名も『ファンタジア』ね。」
「そのまんまだね。」
「可能な限りあなたの望む力を授けてあげるけど?」
少し考える。チートすぎる能力はあまり欲しくないかもしれない。
しばらくして口を開く。
「そうだね。まずは言語と文字かな?それに困らないこと。二つ目は力。魔法の世界に行くんだから大きな魔力を持ちたいね。まぁ種族は別に何でもいいや。三つ目は見ること。ステータスとかあるでしょ?生き物とか道具とかみただけで能力や技能とかその詳細とかが任意で確認できる能力がほしいかな。」
「それでいいの?」
「ああ。かまわないよ。生き物とか殺すのには抵抗あると思うけど、自分の考え方とかまで変えるのは嫌だし。怖いとか不安とかもある。けどさっき言ったことで十分だよ。」
彼女がまたクスクスと笑いだす。
「やっぱりあなたは面白い。」
「じゃあ早速だけど転生させるけどいいかしら?」
少しだけ考える。
「あと、できれば最後に父さんと母さんにだけでもお別れお言いたいんだけどいいかな?」
「残念だけどそれは無理。死者であるあなたを現世に干渉させるのはさすがにダメね。現世に出ることが許されるのは決まった時だけだから。私にはそれを超える実行権はないわ。」
「そうか…。わかった。残念だけどあきらめるよ。」
心の中でもう一度あやまる。 父さん、母さん。先に死んでごめんね。
「それじゃあ。送るわね。新しい命を持って新たな世界へと旅立ちなさい。」
そう声をかけられた。意識が暗転する。
最後にみた彼女はまた微笑んでいた。
いってらっしゃい・・・。
そう。 言っているように見えた。
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次回異世界です。
うまくかけてるかすっごく不安だよw
これからどうなることやら…。
出もがんばるからねw
なんちゃって次回予告
稲荷「あっ・・・。ここは・・・。」
森の中
稲荷「ここは・・・どこなんだー!!」
ムーン「ファンタジアよ」
稲荷「いやそれは知ってる。言ってみたかっただけだからさw」