第20話 眷族と魔法
どうもけとりゅーです。
少し間が空きましたが更新です。
気が付けばPV40,000件 ユニーク8,200件
お気に入り65件。
すごくうれしいの一言に尽きます!
これからも頑張ります!
ついでにレイアウトも変えてみました。
でもどうかこうか悩みますね~w
ちなみに今回は魔法に関する詳細の話です。
では20話です。どうぞ!
ここは月光の泉。ボクが生まれた場所。そして住んでいる場所。
邪な心、悪意ある者を遠ざける力のある泉。
その傍らで一つの光が輝き、そして次第に小さくなる。
その中から現れたのは二つの影。
「これにて眷族化の儀式は終了です。これからよろしくお願いします、ルナ殿。」
『こちらこそよろしくね、ギルグゥ。』
たった今ギルグゥを眷族にするという儀式を行ったところだ。
『眷属の証って首飾りなんだね。』
「そうですね。自分は誰かの下にいる者だということがよくわかります。にしても、私も能力の高さにはそれなりに自信はあったのですが、まだまだ余裕がありそうですね。」
眷族化する際には眷族化する側の容量のようなものがあり、魔力量や潜在能力に比例して増加していくらしい。
ボクはまだ子供なんだろうから容量はそこまで大きくないはずなんだけど、ギルグゥを眷族化させてもおよそ40%~45%ほど。ギルグゥが言うには聖獣とはいえかなり大きい容量を持っているそうだ。成長すれば相当なものになるだろうということだ。
『でも流石にしばらくここから離れないほうがいいよね。修行はしにくいけど。』
「ですな。まぁまずはあなたのことをいろいろ聞かせていただきましょうか。聖獣であるのに聖獣らしからぬルナ様にとても興味があります。可能ならルナ様のことをできる限り情報を私にいただければ修行するにあたり助かります。」
ボクのことか…。どこからいうべきか…?
マイトにすらまだ言ってなかったことも多いからなぁ…。
でも、知ってもらっておこうか。そのほうがきっとボクのためにもなるだろうし。
『わかった。ギルグゥ。君には全部話すことにするよ。』
それからしばらく時間をかけてすべてを話していった。
もともと人間であったこと。
月の神であるムーンが転生させてくれたこと。(さすがに暇つぶしでってところは伏せたけど。)
この森に転生したこと。
自分がどういう力を持っているのか。
ゴブリンに遭遇して死にかけ、マイトと出会ったこと。
マイトと別れるまでのこと。
森に帰ってきた理由と帰ってきてからのこと。
まぁ話せることが少なかったのでそこまで長い時間はかからなかった。
ギルグゥは話し終わった後、しばらく悩むような表情を作っていた。
『やっぱり信じてもらえないかな…』
「いいえ。私は信じますよ。ルナ様の聖獣らしくないところは別の世界の人間の転生者と聞けば納得です。いやはや、やはりあなたは面白い。」
そういって矢顔になる。
「それにしても、自在に操れる炎に空間に物を保管する力、相手の能力を見る力とはすごい能力ですね。今まで読んだ書物に似たような能力を持つものがいたという記録はありましたが、3つも持っているとは…。なにより、銀月の聖獣だったというのが一番の驚きですねぇ…。あぁ。自分の知らないことを知ることができるというのはいつになってもうれしいものです。これからが本当に楽しみですよ。」
ギルグゥは本当に嬉しそうにクククと笑う。
『ところでいかな?』
「はい?なんでしょう?」
『魔法の使い方教えてもらっていい…?』
ぜーんぜんっ出し方わからなかったから早く知りたかったんだよね…w
「ああ。そういえば魔法を教えてほしいと言っておられましたね。では簡単に説明させていただきましょう。魔法を使う際にはまず魔方陣を描きます。陣の色、大きさ、紋様・記号、それで魔法の発動の条件を決めるのです。そして陣全体に魔力を送り解き放つのです。」
『魔方陣?』
そう聞くとギルグゥは手のひらを上に向け魔力を込め始めた。
すると手のひらにすっと赤い線が引かれ始め小さな丸と中に三角、さらにその中に小さい丸が書かれただけの簡単な魔方陣が現れた。するとすぐに魔方陣が光を放ち小さな炎が手から浮かんだ。
『おぉ~。』
魔力による線が引かれ魔方陣に込められていく感じなのかな?
「始めに色です。これは自分の持つ属性の色出ないと基本的には困難です。出せないことはありませんが消費する魔力量が大幅に増えてしまいます。」
『ということはボクは月属性の魔法陣が描きやすいってことかな?」
「そうですね。まぁ月属性がどのような魔法であるかは少々わからないですが…。」
『まぁ銀月の聖獣しか持っていない属性だからね。』
月が3体に陽が3体だもんね。
さっきギルグゥがしていたように手をだしそこに魔力を込め同じように魔力で陣を描いてみる。
白い線がかなりゆっくりと書かれ始めて、ギルグゥの書いた陣と同じように書いてみる。
『…。』
これは結構集中力を使う…。
かけたらまた魔力を込めて、解き放つ?
ぷしゅぅー
『・・・。あれ?』
「今のは無属性の魔力によるものですね。属性の力がこもっていない魔力は陣で魔法として構築することはできないのです。むしろ陣を描かずに直接操作するほうが簡単で消費も少ないからなのです。」
『なるほど…。えーと。そしたらどうやって属性を込めたらいいのかな?』
「そうですね…。慣れないうちはうまくできないものですから。大切なのは属性の象徴たる力をしっかりと頭の中で描くことでしょうか。この世界では心の強さがとても強く映し出されます。なので心で強くしっかり目的の力を思い描くことができたならその属性の魔方陣を描けるでしょう。まぁ慣れればそこまで意識せずとも操作できるのですが。」
心か…。月。満月とか?イメージかぁ…。
そういえば初めてこの森で空を見上げた時にあった月はすごくきれいだったなぁ…。
…この月を考えながら魔方陣描けば何とかなるのか…?
試しに同じように陣を描いてみる。
ポゥッ
『あっ…。』
さっきとは全然色の輝きが違う線。白ではなく銀色。
そのまま書き続ける。
「ほぅ…。こんなにも簡単に成功させますか。それにこれが月の魔力…。何とも美しい…。」
魔方陣を完成させて解き放つ。
ポゥ
小さな銀色に光る球がかざした前足の先に浮かび上がる。
「成功のようですね。ふむ。何とも興味深い。」
そういって作り出された銀色に光る球を指でたたく。
キィン…
「完全に形を得ていますね。光属性と同じようにも見えますが、光属性によるものは魔力によるエネルギーで、実体は全くありません。これは他の属性のもの完全に違う性質のようです。別の魔法や武器に纏わせて使ったり、攻撃的な形に作り出すととても強力でしょう。」
なるほど…。なら月華・三日月に月の魔力を込めて斬ることをイメージしておけば放つときに斬撃を飛ばしたりできるのかもしれないなぁ。
「次に陣の大きさ。これが魔法の規模となります。今のは小さな火を灯すだけでしたので手のひらサイズの陣となります。大きくなればなるほどそれの展開と意地に大量の魔力が入ります。あとは複数の陣を重ねたり、つなげたりするものもあります。まぁ大きくなればなるほど倍々に増えていくと考えていただければ大丈夫です。」
『なるほど。』
「最後に紋様、記号です。これにより詳細な効果を書き込んでいきます。先ほどのものは基本となる丸と三角のみです。丸は維持、三角は放出を表します。まぁその他の紋様記号についてはまた実際に魔法を使うときに説明しましょう。とりあえず魔法については以上です。また詳細は実際に鍛錬するときにでもお話しします。」
『わかった。ありがとうギルグゥ!』
だけどこれからがどうするかが問題なんだよね。
「いえ、これくらいお安いご用です。しかしあのお方がおられる以上湖に行くのはしばらく危険ですね。ここでは満足に修行ができませんからねぇ。」
『ヴァルガを呼ぶことができれば何とかなるんだけど…。マイトの旅立ちまで帰るつもりなかったけど、この際一旦言いに戻ろうかな…。』
「ヴァルガ殿は、ルナ様がおっしゃられてた契約された人間のお父上でしたね?でしたら契約者であるマイト殿に念話をされてはいかがでしょうか?つながりが生まれた契約者ならば簡単に可能なはずですよ?」
そんなことできるの?mjd?
(「ルナ様聞こえますか?」)
『あ…!聞こえる!』
今、ギルグゥの声が頭の中から聞こえたように感じる。
「これが念話です。話したい相手を頭で強く考えます。名の契約者、血の契約者、眷族化の儀式による契約者。これらのつながりを持つ者同士なら一部の状態を除いて簡単に念話が可能です。これを使えば離れていても連絡できますよ。」
『なるほど…。』
ギルグゥのおかげでわからなかったことが次々とわかっていく。
ギルグゥも知らないことを知る喜びと、自分の知識を教える相手ができて本当に楽しそうだ。
まずは、マイトに連絡してこの森のことをヴァルガに何とかしてもらおう。
『じゃあ連絡してみるね!』
そういって目を閉じ、マイトのことを考え集中するのであった。
_____
はい。20話は以上です。ちょっと詰め込んでみた感じになってますね。うまくできなくてすいませんw
次回は久々にマイトsideの話です!
おまけ
『 』 について
今まで稲荷、ていうかルナのセリフは『』にしてありますが、これはしゃべっていることが自動的に翻訳されているという意味が込められてあります。
聞く分には頭の中で自動変換。
まぁ、ルナって特にわかるようにでもあるんですけどねw
ではまた次回 お楽しみに!




