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月と狐と輝く瞳  作者: けとりゅー
第1章 月と銀色の狐
15/36

第12話 幻想の物語 前編

どうも けとりゅーです


投稿しようとしたら一度消えてしまって落ち込んでました。


ほんとは金曜日に投稿しようと思ったんですけど


考えるのにも書き直しのにも時間がかかっちゃいましたw



では12話です。 どうぞ!

「まったく。なかなか来ないから様子を見に来たら…。ちゃんと話をしておけばよかったな。それは契約のだ。聖獣と名の契約をするか、魔獣と血の契約をしたものが見につける契約の証だ。」




「「父さん!?」」




二人は驚いた様子でその男性へと振り返った。



腕輪のことも詳しく知っているようだ。




『あなたはこれのことについて知ってるんだね。』



「それなりに知っています。」



その男性は少しだけ笑顔になって答えた。



「本当は聖獣であるあなたのことについて今日の夕食の時に話をしようと思ってたのですが、まさか契約に至っているとは思いませんでした。」



『マイトやグレイは聖獣に名をつけることがどういうことか知らなかったんだね。』



「魔獣との契約に関してはよく話を聞きますが聖獣との契約は普通は知らないものです。とりあえず詳しい話は夕食の後にでもいたしましょう。」



やっぱり



『わかった。じゃあ少し休んでるよ。』



耳飾りのヘルプを使えば大抵の自分のことは知れるかもしれない。でもやっぱり自分の耳で聞いて、目で見て知ったほうが楽しいからね。




彼の話を楽しみにしながら休むとしよう。





あ。ミルク飲んでなかった。









~~~




ミルクを飲み終わり、またしばらく籠でくつろいで待っていたら扉が開き、マイトが入ってきた。



「ルナー。話聞きに行こう!」



『わかった。』



返事をして籠から出る。やっぱりまだ大きく動くと傷にくるのか痛い。



そんな様子に気がついたマイトがボクを抱き上げる。



「無理しないでね。今は俺が抱いて運ぶよ。」



『ありがとう。』



笑顔が作れてるかは分からないが笑顔でお礼を言った。





部屋を出て少し歩いた後作りの違う扉まで来た。



そこでマイトは扉をノックした。




  コンコン



「父さん、入ります。」



そう言って扉をあけると中には隻腕の彼と食事を運んできた女性とグレイが待っていた。



「さぁ、椅子に座るといい。」



そう声をかけられマイトは椅子に座る。ボクは抱かれた状態のままだったのでマイトの足の上に軽く抱かれた状態で伏せていた。



「まずは我々も名乗らなければな。私はヴァルガ・ウィル・ディケイル。このディケイルの領主をしている。」


「私は妻のクレアよ。よろしくねルナちゃん♪」



雌の子狐だからちゃん呼ばわりされるのはわかる。でもやっぱり抵抗があるので少し顔をしかめる。



その様子に気付いたのか、ヴァルガと名乗った彼は少し笑っていた。



「さて。何から話そうか。」



いくつか話したいことがあるのか、少し悩んだ様子でそうつぶやいた。



するとグレイが質問をし始めた。



「父さん。聖獣とか名の契約とか言ってたけどまずそこから説明してほしいよ。」



「そうだな。聖獣とはこの世界を作ったとされる1対の神により生み出されるこの世界の守護者たる獣たちのことだ。聖獣にも主属性というものがあってその属性に適した場所で生まれるという。あと、お前たちが見たという空から月の光が降りてきていたという現象は月の女神ムーン=クレスによりルナ様が生まれになる瞬間を見たと考えていいだろう。」



今様付けで呼ばれた…。ていうかムーン世界を作るほどの神様だったのか。驚きだ。



「あと名の契約とははるか昔に月と太陽の神が災厄が起きた時、世界を守る力を人間にも貸し与えるためにつくられた仕組みだそうだ。資格がある者だけが名前をつけることができ、その名前を聖獣が受け入れた時成立するらしい。」



災厄とかが起きた時のためにって何か起こったことあるのか…?



「へぇ~。ルナってすごいんだね!」



そう言って頭をなでている。耳を少し伏せて目を細める。けっこう撫でられるって気持ちいいね。



「父さん。聖獣ってたくさんいるの?」



「いや。はるか昔、第二災厄が起きる前にかなりの数が減ってしまったらしい。」



「「第二災厄…?」」



「実際に話を聞いた方が理解できるんじゃないかと思ってな。まぁ神話といってもある遺跡から読み解かれた古代語で書かれていた文章を本にしたものだ。それがこの本だ。」



と、机の上に置かれていた一冊の本を見せる。



「では実際に読もうか。」




______




     ~始まりの時~


     太陽の神と月の女神が


     荒れた荒野しかなかったファンタジアの地へと降臨した


     2柱の神はこの大地を作り直すことにした


     海を作り 山を作り 川を作り


     そして緑生い茂る大地を作り上げた



     次に最初の生き物を作り出した


     始まりの白き白龍の聖獣「ノア」


     この世界を見続ける者



     「ノア」を生み出した後


     神は様々な生き物たちを生み出していった。


     たくさんの聖獣、動物、魚


     そして人間 すぐに数は増え多くの国に分かれていった


     まだこの時 世界は平和だった



     

     ~起こる災厄~


     だがあるとき変化が訪れた


     それは生き物の負の心


     とくに高い知性を持つ人間の負の感情は大きかった



     そしてあるひ突然それははじけた


     世界に大量の魔物が生まれた これが第一災厄である


     魔物たちは本能の赴くがまま暴れ始めた


     人間たちは自分たちを守るために戦い始めた


     聖獣たちは世界を守るために戦い始めた


     だが人間は圧倒的に数も力も違う魔物を前に徐々に追い詰められていった


     

     それを見ていた「ノア」は思った


     人間に非があるわけではないと


     そして「ノア」は神に願った


     人間に聖獣の力を貸してやってほしいと



     太陽の神と月の女神はそれを聞き届け


     清き心を持つものと聖獣を結び付ける「名の契約」を生み出した。


     名の契約をした聖獣と人間は力を合わせて戦い始めた。




   



_____




「名の契約って魔物と戦うために神様がくれた力だったんだね。」



グレイは感心した様子で答えた。マイトは真剣に話を聞こうとしているのか、何も話さない。



にしても興味深いものだ。



この文章は誰かが自分で見たものを書きとめているような書き方だ。



「にしても、僕たち人間が中心とした負の感情が原因で魔物が生まれただなんて…。」



「そうだな。だが我々にはどうすることもできない。完全に消し去ることもできないものだからな。では、続けるぞ。」



「はい!」「うん。」



二人が返事を返し、ボクもしっかり話を聞くため上体を起こししっかりと耳を彼の方へ向ける。



_____




     ~第一災厄戦争~


     聖獣と人間 魔物の戦いは本格的に始まった


     その中で「ノア」はある魔物の存在に気がついた


     他の魔物とは比べ物にならない強い力を持つ魔物


     後に「魔王」と呼ばれる存在である



     明らかに大きすぎる力を持つそれが他の魔物たちを率いているのがわかった


     しかし強すぎるそれに太刀打ちできるのは自分しかいない


     「ノア」は確信し単独で「魔王」へと戦いを挑んだ



     熾烈を極めた「ノア」と「魔王」の戦い


     それは三日三晩続いた


     そして「ノア」はかろうじて「魔王」を打ち倒すことに成功する



     ~第一災厄戦争の終結と始まりの終わり~


     「ノア」は「魔王」を倒した


     しかしあまりにも消耗しすぎたため長くはないと理解した



     「ノア」は最後の力を使い己の力を残すことを決めた


      己の力の核を宝石へと変化させ


      更にそれを5つに分けてそれぞれ人間と聖獣たちの代表に託した



      その宝石は「輝く瞳」と呼ばれた


      まるで「ノア」の瞳のように淡く青色に輝く宝石だった


      分けられたその宝石は輝きのかけらと呼ばれた



      「ノア」は最後に言った


      「再び力が必要とされるその時まで大切に保管してほしい。


       来るべき時が来たら迷わず使ってくれ」と


       そして彼はゆっくりと瞳を閉じ光となって消えていった



       授かった者たちはそれぞれ欠片を隠し封印した



       魔物たちは「魔王」が倒されたことによってバラバラとなっていった


       しかし完全に魔物たちは倒しきれる存在ではないことが分かった


       だから聖獣と人間たちは害となる存在を排除していくことに決めた



       こうして災厄は終息し、いつまで続くかわからない平穏が訪れた



               ~エクリテ王国 第6代国王 シャルデイル=ダイン=エクリテ~


_____



 …と。ここまでが最初の話だ。」



 ヴァルガが言葉を区切る。



「これってこの国の王様の書いた文章だったんだね。それに魔王って本当にいたんだ…。」



「その通りだ。当時災厄が起きた際戦いに参加した王だったらしい。魔王に関しては記録があまり残っていないからな。これ以来出現した記録はない。」



いくつかここまで聞いていて疑問に思ったことがあるがそれは話が終わってから聞いてみるとしよう。




「父さん。思ったんだけどこの話に出てきている「ノア」って龍はあの聖霊神殿で使われている紋章に書かれているドラゴン?」



「そうだ。また次の話で出てくるが聖霊官がつくられたきっかけも記されている。」



この世界にも宗教的なものがあるのか…?あまり厄介事に巻き込まれるようなことはいやだな。



「あとマイト、お前はルナ様と契約したからにはしっかり責任を持って行動したり発言したりしなくてはいけない。」



マイトは少し不思議な様子で答えた。



「聖獣と契約すると何か問題になることがあるの?」



まぁ話の流れを考えていたらボクはだいたい予想できるが、次の話とやらで出てくるだろう。



だからそれをマイトに伝える。



『マイト。次の話を聞いたらわかるんじゃないかな?』



「その通りだ。」



「・・・。わかった。」



納得した様子でうなずく。



「さて、クレア何か飲み物を入れてきてくれ。」


「わかったわ♪」



「少し休んだら次の話をしよう。」



「「はい!」」



二人揃って返事をする。



とりあえずはボクも話を聞くことに集中しよう。





外に浮かぶ月を眺めながらボクは考える。



ムーンは本当に気まぐれな暇つぶしでボクをこの世界に転生させてくれたのだろうか…?真意はわからないけど、ボクは今この世界と聖獣としての自分にとても興味がわいた。精一杯生きていくよ。




さて。次はどんな話かな。







            夜空に浮かぶ月はほんの少し欠けていた





_

長々とすいませんw


後半に続きますw


本当は金曜日に更新したかったんだけど中の物語考えるのに時間かかったのと一度全部消えてしまったので打ちなおすのに時間かかっちゃいましたw


次は第2災厄と太陽と月の聖獣のお話が出てくる予定です。



これからもよろしくお願いします。

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