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わたしの話1

 

 ここは…


 閉じた瞼に暖かな光を感じて、わたしは目を覚ました。

 やたらフカフカした、光沢のある淡いピンク色のシーツが敷かれた大きな天蓋付きベッドの上だった。

 右手の大きな窓からは、上品なベージュに見事な金のツタ模様が刺繍されたカーテン越しに、柔らかな光が降り注ぐ。


 今は…朝?

 夢を見ていた気がする…。


 コンコン。

 左手にある大きな扉からノックの音が聞こえ、涼やかな女性の声がした。

 

「お嬢様、おはよう御座います。朝で御座います」


 ガチャリと扉が開かれ、中へ数人の女性が入ってきた。

 皆一様に、黒のロングワンビースに白い丸襟。白いフリルが入ったエプロンを付け、髪は後ろの低い位置に束ねてお団子に。黒いネットが被せられ、白いリボンで留めてある。

 落ち着いた品のあるお仕着せだ。

 わたし…知っている。


 これらはわたしの…侍女よね?


「16歳のお誕生日御座います。アンナお嬢様。今日はお嬢様念願のお誕生日パーティー。そしてご婚約発表の日ですよ。念入りに御髪とお肌のお手入れを致しましょうね」


 筆頭侍女メアリは、カーテンを開けてタッセルで束ねながら更に続ける。


「ドレスは未来の旦那様、フリッツ公爵様から贈られものに致しましょう。きっとお嬢様にお似合いです」


 メアリの言葉に、後ろに控えた侍女が、淡い水色に金の薔薇と蝶が上品に刺繍された美しいドレス持ってきた。


 そうだ、わたしは今日、初めて未来の旦那様に会えるんだ。


 やっと やっと! やっと…?

 

 わたしはどうしてこんなにも待ち焦がれるのかしら?

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