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初めてパーティーを組むらしい

というわけでやってまいりました、広原でレッツパーリィハント!


帰りたい……




商人のおじさんには治療時の魔法しか見せてなかったので、いやーボク支援回復専門なんで攻撃がー作戦を実行したのだけれども……


「それなら私が前衛やります!ちょうど私が剣士ですし、魔法は苦手ですし!

パーティー組めばBランクといえど一体ならなんとかなりますよ!」


という、まさかの展開に。なんだよこのねーちゃん脳筋だったんかよ。

いや、腰に剣を携えてた時点で気付けよ俺。


まぁ、このまま見捨てる訳にもいかなかったしな、仕方がない。

あんなデカイやつ相手に直接真正面から一人で戦うことにならずにすんだ。と、考えることにする。


ポジティブシンキング。




「何年ぶりでしょうか、パーティーを組むのなんて……

よろしくお願いしますっ!」


「あ、はい」


こちとらお初ですけど。




まぁ、ひろーい広原の中で探しても見つけられないこともあるだろうし。

さっきはたまたま、本当に偶然、ふらっと出てきただけかもしれないし。

もうすでにどっかいってるかもしれないし。


「い、いた……いました……」


おるんかい。


さっきまでの威勢はどこへやら。

まぁ、さすがにな、自分の身の丈の倍以上あるキングゴーレムを目にしたらな、そら怖いもんな。


ほぼ間違いなく勝てるであろう俺でも怖いもん。


「えーっとじゃあ、支援魔法をかけておきますね」


……支援魔法なんてやったことないけど、試してみますか。

えーっと、こういう場合によくあるのは……

攻撃力や防御力を上げたり、魔法耐性?を上げたり、敏捷を上げたりかな?

敏捷とか魔法耐性なんてステータスが存在してるのかすら知らないけども。


「お、おおお……!さすが支援魔法のエキスパートですね、これならなんか、勝てる気がします!」


あ、出来たっぽい。

いやー前世でゲームやってて良かった。

まさかゲームやアニメの知識が、こんな直接的に役に立つ日が来るとは思わなかったぜ。

……どうせならもうちっとやりこんでおくべきだったかなぁ。


みんなもゲームはしっかりやりこんでおくようにな!いつか役に立つ日がくるから!




※保証はしません。




「エキスパートってほどでもないけどね」


しっかりと否定をしておきつつ、二人でキングゴーレムの近くまでにじり寄る。

当然ながら剣の射程は短いので、あのデカブツ相手に近距離まで近付かなければならない。

一発くらったら全身の骨が砕け散りそうな巨体なので、一挙一動を見逃さないよう、慎重に。


「ヒッ……」


あっ、こっち見た。

まぁ、明らかな敵意を持って近付いてくる冒険者なんて、モンスターからしたら脅威以外のなにものでもないしな、そら見るわな。


あとリーシャさん、怖いのは分かりますけれども、小さく悲鳴をあげるのはやめてもらっていいですかね。

あなた見た目めっちゃ可愛いんで、変な性癖に目覚めそうになるんで。




「グアオオ、グガゴゴゴ……」


……?

なんか、キングゴーレムの様子がおかしい。

鳴き声?が変なのは置いといて、なんか仕草が……


両手を前に突き出し、頭と思わしき部位を横に振っている。


ぷるぷる、ぼくはわるいすらいむじゃないよ。

ってか?

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