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第3話 もちろん報復はしますよ

お読み頂きましてありがとうございます。

 志正も『鑑定』スキルでようやく確認したらしい。遅いよ。


「志正さんこそ、何を言っているですか。瑤子さんが警官な訳が無いじゃないですか。彼女は調査会社か何かに依頼したんだよ。そうですよね。」


 僕は慌ててフォローをするが無駄なんだろうな。マジで球団社長に処理してもらわなくてはならなくなってしまう。


「はっはっはっ。帝都大学の魔女・・・いや今は桜田門の美魔女だっけか・・・も形無しだな。」


 今川さんが瑤子さんの正体をバラした。年齢が同じだから大学の同期なのだろう。


「貴方はそう言うけどね。尚子も帝都大学の聖女と呼ばれていたのよ。子供を産んでいなければきっと今頃美魔女扱いされていたわよ。」


 尚子さんも綺麗な方なんだ。尚美さんの母親なんだから当たり前か。


「君が彼らに興味を持つのはいいが、相手を良くみるんだな。相手は山田トム社長のお気に入りだぞ。公安が煮え湯を飲まされているんだろう。」


 あの事件って公安が絡んでいたのか。


「だって喋る警察犬なのよ。国のために活用しなきゃダメよ。」


 犬扱いかよ。本気で身体を使って言うことをきかすつもりだったんだ。身体を与えておけば尻尾を振ってついてくるとでも思ったんだな。最低だなこの人。


「お前なあ。その発言を社長が聞いたら、どんな報復が待っているか。あの人の従業員愛は異常だ。少なくとも警視庁は何をされるかわかったもんじゃない。国際的な権限を剥奪されて翌日には、只の県警になっていたりするかもな。お前みたいなキャリアなんかすぐに窓際族だ。」


 警視庁のキャリアか。警視正くらいにはなっていそうな年齢だよな。


「ええっ。公安は何もされていないじゃない。」


 そうせいぜい笑い物にされたくらいだ。


「あの人は自分のことでは相手をオモチャにするくらいで動かないからな。でもアメリカ大統領と英国首相から総理大臣にクレームが入ったらしいぞ。」


「貴方詳しいのね。」


「そりゃあそうだ。先日まで傍に居たからな。止めておけ。那須くんに君が持つ権限を利用してもらうくらいにしておくんだな。見返りは十分にあるぞ。」


 利用されるだけならまだしも自由をうばわれるのは困るが警察関係の知り合いは欲しいところだ。うっかり、イヤ度々、イヤ始終。死体を見つける可能性がある僕に取っては必須アイテムだ。


 殆どの場合、そのまま死体を放置するがうっかり事件の渦中に入り込んで身動きが取れなくなってしまい。球団社長の手を煩わせてしまうことが何度かあったのだ。


「だって私も気に入ったのよ。礼儀正しくて女性に気遣いができて私を導いてくれて全力で守ってくれそうな、私の理想の旦那様よ彼は。自分のモノにしようと思って何が悪いの。」


 凄い。女性にここまで熱烈に口説かれたのは初めてだ。彼女があと10歳若ければ頷いていたかもしれない。年齢のことは言いたくないけど、愛する女性との子供は欲しいからな。


「まあそれなら、いいんじゃないか。中身はともかく見た目だけは釣り合うだろう。せいぜい奉仕してあげるんだな。」


 いきなり、今川さんに手の平を返された。個人的な付き合いなら問題ないらしい。流石に球団社長の傍にいただけはある同じスタンスだ。


「いいの? 尚美さんに推していたんじゃないの?」


 誰の味方なんだろう。この人。愚問だった。球団社長の傍にいた人間だから、球団社長の味方だよな。きっと。自分の娘よりも上というのがらしいけど。


「さあ私のアシストなんか欲しく無いらしいからな。偶には引いてみるさ。それにもういい大人だ。痛い目にあわないと成長しないからな。」


 うわっ完全に染まっているよ。考え方が同じだよ。他人のことは言えないだろうけど。


「とにかく、尚子さんが何処にいるか調べてみればいいんですね。今日1日だけですよ。それでわからなければ諦めて頂けませんか?」


 はっきり言って人探しは球団社長の得意分野だ。今川さんの奥さんなら絶対に会ったことがあるはずだ。きっと、それを解っていて頼みたく無いんだろうなあ。その気持ちはとても良くわかる。


「何でよ。」


 化けの皮が剥がれたせいか不満そうな顔をする。それでも醜い顔を見せない。綺麗な女性は得だな。


「僕の能力も万能じゃないんです。それ以上は球団社長に裏から手を回して貰ったほうが早いです。今川さん、僕の方から報告しておきますね。」


 手の平を返された報復はしておかないといけない。瑤子さんにつきまとわれるのは決定したみたいだからな。全く志正は疫病神だ。こんな最悪なトラブルを呼び込まなくてもいいのに。


「ちょっ・・・。」


 助けを求める視線が送られてきたが知るものか。


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【続編】帰還勇者のための休日の過ごし方もよろしくお願いします。
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