神様との対面
あれ、身体がなんだかふわふわする。
あたたかいなにかに包まれてるような。
裕翔はどこか知らない場所をゆっくりと漂っていた。意識はあるが記憶がもやもやっとしている。
なんだろ全てがどーでも良くなってきた。
きっと自殺に成功したのだろうと、この快楽に身を任せようとした時、裕翔の目の前にうっすら人の気配がある事に気がついた。
「おっ、目が覚めたですか?」
その声で裕翔はハッと我に返った。
改めて周りを見渡すと下に明るい雲海、上には綺麗な夜空が広がっていた。
なんだここ?
裕翔自身はいつもと変わらない私服なのだが周りの景色は明らかに知っている世界とは違った。
そもそもなぜこんなにも高いところに椅子が浮いていてその上に自分が、なぜ息が、なぜ寒くないなどたくさんの疑問があったが、とりあえず1番の疑問は目の前にいる幼女だった。
「よっ」
と、青髪ロングの幼女は手を挙げた。
「あんたは…?」
「神様なのです」
そう言われますます分からなくなる。
一見頭のおかしい幼女に見えないことも無いけど、秋葉のコスプレじみた服装に背中の折りたたまれた白い翼から嘘ではないと見受けられる。
幼女はアンティークな椅子に腰をかけ足を組み、同じくアンティークな椅子に腰をかけ対面している裕翔をじっと見つめる。
そんな趣味はないけど神様、脚が、脚が見えてますよ!
「青島裕翔」
「は、はい?」
「私がここに呼んだのはキミを助けるため、なのですよ」
「助けるため?」
それは自殺を止めたかったとか、そんな事なのか?
「ほら、キミ退屈してましたよね?だ・か・ら」
幼女が立ち上がり裕翔にぐっと近寄る。
顔が本当に近い!鼻先が触れ合うような距離まで急に近づいてきたのだ。
「いい所に連れてってあげるです♪」