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勇者ミナ 中編

投稿遅れてすみません!

テストなどで忙しくてこのような事になってました。

投稿日は定まってませんが、週に3〜4話ずつの投稿をしていこうと思っています

よろしくお願いします

「いや、にしても突然だな」

「そこは素直に仲間になりなよー」


勇者の仲間になる事それ自体はユートにとっても美味しい話だ。だが、それは自身がとてつもなく強い大賢者のような人間だった場合の話だ。

勇者の仲間ともなれば魔王だとか竜の王様だとか、あるいは邪神だとか…命がいくつあっても足りないような相手と戦わなければならないのだろう。

しかし今のユートは魔法1つ使いこなせない、アマチュア以下の魔道士だ。

その現状がユートの決断を鈍らせている。

それとしつこいようだが、ユートにはこの勇者は面倒くさそうでならないのだ。


「ちなみにだけどやっぱこの世界に魔王…とかいたりするの?」

「へ?何言ってんの?魔王はいるに決まってるでしょー、わりと」

「ですよねー、でもそのわりとって気になるなぁ」

「本当におかしなこと言うねぇ…子供の頃からそういうことは親にもおばあちゃんにもおばあちゃんの葬式の時のお坊さんにも聞かされるよー」

「最後の悲しいな!シチュエーションが!」


もう、本当にこの娘面倒くさい!


話がいつまでたっても進められそうにない。そこでミナに信じてもらえるか、いやそれ以前に理解してもらえるか分からないが、ユートは自分のことについて話すことにした。

「…まあいい、仲間になってやるけど…その前に俺の話聞いて欲しい」

「なに?」

「俺はこの世界の人間じゃないんだ」

「え、悪魔…!?」

「ちげえわ!」

おそらく続きを説明しても無駄であろうことが分かったが、お構い無しに続ける。「悪魔?悪魔だよね?でしょ?」と、ミナもなかなかしつこい。

「とにかくだ、俺は別の世界からこの世界に転生してやってきたんだ、だからこの世界の事について無知なんだよ」

「転生…!なんかカッコイイ!えっ?!もしかして実はチート的な能力を持ってるとか…」

「いや、その逆でむしろ最弱なんだけど…」

「あ…」

「そこで何かを察したような表情をするな!」

わりと説明したように見えるがまだ本題にすら移れていない。全ての生き物の中で実はある意味で1番厄介なのはミナなのかもしれない。

そんな冗談を言ってる場合ではない。

この話が進まなければユートはいつまでたっても魔道士もどきからは抜け出せない。

「ぶっちゃけ俺の話信用してる?」

本当にぶっちゃけた質問をする。

言っては悪いが、ミナは明らかに馬鹿だ。この話を理解すらしているはずがない。

そう思っていたユートに返ってきた返事は意外といえば意外だった。

「うん!信じるよ!」

「え…まじ…?」

「信じないと仲間になってくれないでしょ?」


ある意味バカである意味賢いのかもしれなかった。(賢いとは言ってない)




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