女神の地位とは一体?
今回は短いと思いますが申し訳ない。
それでは、どうぞ!
道中、特に何もなく無事に町へ着いた。
女神と五回以上会話。そんな、とんでもない条件を俺は満たす必要がある。
雷を落とされないように丁重に話す必要があるんだ。
「すみません、女神様。話したいんですけど良いですか?」
「おい、女神。さっさと姿を現せ。私だ・・・」
ちょっ、何でそんな物言いなんだスペード。俺達は死ぬかもしれないのにさ。
「何だ、そなた生きておったのか。つまらぬ」
いきなり失礼だな、この女神様は!人の命を何だと思ってるんだよ。
思わず言い返そうとした、その時スペードが思いも依らぬ言葉を発する。
「お前こそ、つまらないモノの頂点だと思うが」
ソレ言っちゃいけない言葉だよ。物理的な雷じゃなくて精神的な雷が落ちるぞ。
冷や汗が思わず溢れ出す。手に汗を握るとは、このことなのだろうか。
そんな俺に反して、スペードは何のことは無いといった様子で構えている。
「・・・スペード様ではありませんか。失言を致しました」
「嗚呼、全くだ。今後、我々に雷を落とすなよ」
「はい、承知致しました。それでは失礼を・・・」
「待てよ、女神。まだ終わってない」
何故かは知らないが女神はスペードに頭が上がらないように思える。
それに、どちらかというと今にも逃げ出したいという様子だな。
もしかしなくても、スペードは凄い人ではある。でも、これ程とは・・・。
「お前、我々に雷を落としただろ。謝罪を聞いてないんだが?」
「すみませぬ。申し訳ありませぬ。許して頂ければ幸いと心得ます」
言葉の限りを尽くして女神はスペードに謝っている。
馬鹿なッ・・・女神は、この世界の唯一絶対の存在じゃないのか?
今まで認識していた女神と言う地位が急降下する。大したことないのか?
「次だ・・・次に、我々に雷を落とせば只じゃ済ませない。分かったな」
その眼は禍々しく輝き、方位磁石から映像で映し出された女神を睨んでいる。
それだけなのに俺は体が動かず、言葉を発せられなかった。
女神も同様に固まり、発言を許されずにいた。
今の俺と女神の違いは殺意を向けられているか、いないかの違い。
たった、それだけのことなのに俺はホッとしていた。
その殺意は全てを従わせる力がある。言葉だけで殺される。
そんな意識があった。もし俺が殺意を向けられていれば?
そんな恐ろしい事を考える余裕が無い。考えただけで背筋が凍る。
ああ可哀そうな女神様・・・。今の俺にはどうすることも出来ない。
時間が過ぎるのを黙って待つだけ。それだけでも息が止まりそうだ。
本当に危険なのは女神じゃない。スペードだったんだ!
頭を抱えたくなるのを抑えて・・・というか動けば殺されるかもしれない。
ひたすら耐えた。気絶するかも・・・気絶した方が楽かもな。
「もういいぞ、行け。お前に言いたいのはそれだけ」
「はい。心得ました!」
まるで気にも留めないように冷たく言い放つスペード。
それに対し女神は素直に言うことを聞いている。何なんだ!?
安全な筈の町が一気に鬼の住む町へと化す。悪い、町の人々。
罪悪感を抱えながら町へ来たことを後悔する。
波乱万丈どころじゃない。俺の人生は一体どうなってやがるんだ!?
ありがとうございました!
次は気合い入れて書くので、宜しくお願いします。
それでは、失礼します・・・。