「トップチームの実力!」03
能力者チームの順位は先程説明があった通りである。それらに補足をするのならば、順位は能力者の強さと言っても過言ではない。ただでさえ異質なまでの強さを誇る能力者。身体能力、戦闘スキル、力の規模、情報収集など様々な分野の総合。
上に居れば居る程、強大、という事になる。
「……うそでしょ! ねえ大和、これ何かの間違いじゃないの?」
「ああ俺もそう思いたいところだ……こんな、こんなの……」
そろそろ護も気になりだしたようで、重い腰を上げて大和の後ろへ。画面には無機質なページ。検索を掛けたお陰で対象箇所が青くマークされているではないか。これが今回の結果のようである。
「ええっと……十位ですか。凄いですね」
淡白で単純な感想。つまらないかもしれないのだが、自分にはこの程度の感想しか持てないのだ。一桁まであと少し、といったところ。確かに凄いのかもしれない。拍手でもしておいた方が良いのだろうか。
「紅野くん! もっと喜ぶべきよ!」
「そうだぞ。幸いな事に十位以内には特別報酬がある……そう、ボーナスだ。ああこれで新しい研究に手を出せるのか……」
「ええ。ついにここまでやって来たのね……!」
「え? あの、どういう?」
この二人の喜びよう。それ程までに素晴らしい事なのだろう。何やらこれから何をしたいか、何が欲しいかなどなど好き勝手に言葉を並べていくも会話になっていない。最早大きい独り言だ。
その状態にやはり護は首を傾げる。ここまで物欲が無くなって来ると困惑しか生まれないようだった。おろおろと二人を見比べるのみ。
「本当に順位とチーム名だけなんだ……」
夢心地となってしまった聖羅と大和をどうする事も出来ないと悟った護はがら空きとなってモニターを覗き込み、操作。下までスクロールしていくと、載せられているのは百チームである事が分かった。
それぞれが凝った名前を付けていたり、このチームのようにただのアルファベットや数字のみだったりとなかなか面白い。
今度は下から上へ。自分達のチームを過ぎていくとそこからは一桁ランカーである。いったいどのような能力者なのだろうか。まるで想像も付かない。
「ん? なんだろう、これ……」
右下、時計表示の上の辺りだった。小さな枠、ポップアップ表示だ。何やら点滅しているようなのだが、これは――
「……? あれ、この感覚……」
ぞわり、と背中を逆撫でするような感覚だ。言葉で表すとすれば、空気が変わった、とでも言えば良いのだろうか。横の二人はまだ気付いていないらしい。ならば無視をしても――いや、駄目だ。
「どうして……」
外に目をやる。不気味な程がらりとした世界。ここ一ヶ月足らずで味わってきた感覚である。
まるで蝕が現われた時のような、隔離空間の。