勇者一行がやってきた
「勇者様、私のパンツを見た不届き者です」
「へえ、魔術師のパンツをね……」
先ほどの女性が、ひょろい男を連れて戻ってきた。
どうやら、勇者の従者の魔術師。
「ご、誤解だって。ちょっと、使い慣れて無い道具を使ったら」
ユストの言い訳を聞いて
「女性のパンツを見る道具など……羨ま、いやハレンチの極み」
ひょろい男は、腰の剣を抜く。
「この勇者、アーサーが裁こう」
「キャー、素敵。アーサー様!!」
従者の魔術師が、黄色い声援。
「む、やる気が?」
「ユスト殿、小生をお使いください」
臨戦大勢のシルシュとレーヴァテインに
「待て待て、ここはルインさんの店だ」
騒ぎを起こすなら、場所を変えた方がいいとユストが言った。
それを聞いたアーサーは
「ここは、食堂だったか。リース、メリアが食材の調達に出てる間に小腹を満たすつもりだったな」
呆れて、ため息をつく。
「メリアさんのご飯は美味しいけど……どうしても、待てなくて」
「ちょっと待て、メリアって言ったか!?」
この町に来てるのか、ルインが動揺する。
「ひょっとして、メリアって子が」
ルインさんの娘さんなのか、とユストが言う。
「勇者様、リースさん。よかった、こちらに居ましたか」
ハスキーな声と共に
「食材の買い出し、ようやく終わりました」
コック帽の桜色の髪の少女が顔を出す。
「メ、メリア……」
自分の名前を読んだルインを見て
「ひょっとして、お父さん……?」
メリアは、大きく目を見開いた。
「メリア、君のお父さんは家庭を省みないろくでなしと聞いていたが」
アーサーはガラリとした店内を見て
「ろくでなしには、似合いの店か」
「そうね、変態もいるし」
リースが頷く。
「おい、オレはともかくルインさんの店のこと悪く……」
「いいんだ、ユスト君」
ルインはユストを止めると
「すまん、メリア。お前と二度と会うつもりはなかったのに」
ルインは、頭を下げる。
メリアは溜息をつくと
「あの、厨房貸してください」
貴方に私の料理を食べてもらいたい、と続けた。




