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日雇い魔王の災難  作者: 西谷東
二章
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ユストは、魔王城を手に入れた

「うーん……」


カーテンの隙間から差し込む日光。


ユストは、自然と目を覚ました。


「ここは?」


天蓋付きのベッドの上。


「えーと……」


こうなる前の記憶を探る。

地下に落ちて、石棺を開けーー


「ダメだ。思い出せない」


ムギュ


左手に、何やら柔らかいモノ。


「何だ、これ?」


「ふむ、おっぱいだな」


よく見ると、隣で寝ていたシルシュの胸を鷲掴み。


ユストは全てを達観した賢者のような表情で


「ああ、お前のおっぱいか」


なら、安心だな、とドライな反応。


「……つまらないな」


半裸の美女が隣に居るのだ、もっとこうないのか? とシルシュが言った。


「別に、眠っただけだろ。このベット広いから、あと二人は寝れるな」


「……まあ、そうなのだが。やはり、少しイタズラするべきだったな」


シルシュは、何かを企むような笑みを浮かべる。


「それより、エアとハンナは? それにこの状況は!?」


質問を続けるユストを見て


「落ち着け」


シルシュはベットから立ち上がると、これまでのことを説明。


「古の魔王が、魔王城と魔剣をオレに?」


「気まぐれのようだがな」


遠慮せずにもらっておけ、とシルシュは続ける。


「エアと羽虫は、探し物があると言っていた」


「あいつ、あいさつもなしで……」


元々、叔父の命令で来ていたにだ。


(暇人って、わけでもないからな)


ユストは頷くと


「それにしても、メルさんもこの城に?」


「うむ、本店の方で緊急の注文が入ったようだ。妹たちでは、手がまわらないと言って戻った」


「そうか……」


みんな、自分の仕事をしている。


(オレには、何があるんだろ)


偶然にも手に入れた、魔王城と魔剣。


これが、世界のバランスをちょっと崩していたことをユストは、知る由もなかった。









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