探索
「へっくしゅん」
城の中へ入った途端、くしゃみをしたエアを見て
「エアちゃん、風邪?」
ハンナが言った。
「面倒くさいことに、何か嫌な予感が……」
「神官長の説教かしらネ」
「いや、それもあるが。ああ、落ち着かない」
考え事をしているエアの横で
「見ろ、ユスト。宝箱を手にいいれたぞ」
手のひらサイズの宝箱を拾い、シルシュは嬉しそうに目を輝かせる。
「このサイズだと、指輪だろうか?」
「……シルシュさん、シルシュさん」
眉を寄せたユスト見て
「どうした、急に改まって?」
「宝箱から歯が出ていますが」
シルシュが、宝箱に目を向ける。
噛みつこうと大口を開けていたが
「ミミックか! 紛らわしい」
剛速球並みの威力で、シルシュに壁に投げつけられた。
「おい、親友。お前は変なモノやら怪しいモノに、絶対触るなよ。ただでさえ、運が悪い」
警戒しているエア見て
「人を危険物扱いするなよ」
「ねぇ、こっち怪しい部屋があるわヨ」
ドキドキ、二択スイッチ。
左に赤いボタン、右には青いボタン。
アタリを引ければ、エレベーターが起動します。
ハズレを引いた場合はーー
文字が擦れて読めない。
「エレベーターを起動させなければ、上には行けないのか」
難儀だな、とシルシュは続ける。
「こういう場合は……ユスト、お前はどっち選ぶ?」
エアに聞かれ
「青かな」
ユストが答えると
「分かった、赤だな」
そう言って、頷く。
「い、いちいち癇に障るのは気のせいか?」
「ま、気にすんな。人間、何かしら得意なことはある」
そう言って、エアは赤いボタンを押す。
エレベーター前の電灯が、点滅する。
「よし、乗り込むぞ。ユスト、早く来い」
エア、ハンナ、シルシュに続いて乗り込もうと、ユストが足を踏み出した瞬間。
「……え」
床がーー崩れ落ちた。




