表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日雇い魔王の災難  作者: 西谷東
二章
19/42

廃墟の魔王城

マナの父親の知り合いの漁師にボートを借り、四人はトゥーレ島に向う。


「ほう、ボートの操作が出来るとは器用だな」


シルシュに言われ


「面倒くさいことに、これでも何度か修羅場をくぐり抜けている。ボートの操作も、その時に覚えた」


エアが説明をする。


ユストとハンナは顔を見合わせ


「昨日、風呂で溺れた奴が言っても」


「あんまり、説得力ないわネ」


「そこ、うっさい」


軽口を言い合っているうちに、トゥーレ島へ到着。


「何だ、あのデカイ建物……」


外壁には蔦が巻きつき、まるで眠っているかのように聳える城。


ズキン、左目が針で刺されるような痛み。


「うっ」


顔を顰めたユストを見て


「痛むか?」


シルシュが聞く。


「少し……」


「寂れているが、伝承に出てくる魔王城そのものだな」


昔、長老から聞いたことがある、とシルシュは続ける。


「かつての魔王は、純悪魔の王と契約していたと言われている。お前の左目が痛むのは、その影響だろう」


ユストは左目を押さえ


(じゃあ、この目をくれたのは純悪魔の王……?)


「汽車では黙っていようと思ったが」

やはり、妾に隠し事は向かない、とシルシュは言うと


「純悪魔の王エンリルは好色で「ねー、裏の方から入れそうヨ」


ハンナに言葉をかき消される。


「フン!」


シルシュは飛んでいたハンナを右手で掴むと


「よくも、よくも……この羽虫め」


「ちょ、何なのヨ。離しなさいよ、このバカ竜」


二人の様子を眺めながら


「いやー、竜と妖精って仲良しだなー」


エアが気だるげに言う。


「あれ見て、よく言えるな」


ユストが肩を竦めると


「女ってのは面倒くさいぞ。昔……俺が、それなりに若かった頃、二股をしたことがあった」


喧嘩をした彼女二人に「俺のために、争うのはやめるんだ」と仲裁したところ


「俺は、二人に殴られた。な、面倒くさいだろ」


ユストは呆れた顔で


「それ、どう見てもお前が悪いだろ」


浜辺の方を振り返り


「……」


エアは訝しげな表情をする。


「どうした?」


「いや、気のせいだ」


まばゆい光を放つ大剣が、宙に浮いている。


「光る剣て、あれか?」


四人が光る剣に近づくと、


「フハハハハ、挑戦者よ。小生を捕まえたければ城の頂上まで来い」


耳障りな声と共に、光る大剣はパズルピースのように砕けた。


「む、むかつくわネ」


「……」


(妙だな、神気(ジン)というより……)


何かを考えるように、エアは眉を寄せる。


「ユストよ、この宝探し……難儀になりそうだぞ」


シルシュの言葉に


「ああ、オレもそう思う……」


ユストは頷いた。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ