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日雇い魔王の災難  作者: 西谷東
二章
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少女の依頼

「お前、何か困ってるのか?」


女の子は戸惑いながら


「お兄さんとお姉さんは?」


ユストとシルシュに聞いた。


「旅の夫婦「仲間だ! ただの仲間だ!!」


シルシュの言葉を、ユストは大声で強引にかき消した。


「旅の夫婦仲間?」


女の子は首を傾げる。


「前半のは、いらない」


「むぅ、照れなくてもいいだろうに……」


シルシュは、唇を尖らせる。


「照れてない」


ユストは、軽く咳払いをして話題をかえる。


「オレで……」


シルシュを横目に


「オレ達で力になれるなら、話してくれないか」


「……え」


女の子は、目を丸くする。


「この照れ屋め。妾のこともあてにしてくれているのだろう」


そう言って、シルシュはユストの頭の上に豊満な胸を乗せて抱きしめる。


「お、重い……」


「そんな、迷惑ですよ。わたし、お金もありません」


ユストは首を横に振ると


「金が目的で、言ったんじゃない。オレは、オレの出来ることを探してるんだ。そしたら、さっきの会話を偶然聞いて」


放っておけなかった、と女の子に言う。


「お兄さん、優しいですね」


「そ、そんなんじゃねぇよ」


照れるユストを見て、少女は微笑む。


「わたし、マナって言います。両親の経営する宿を、手伝ってます」


そう言って、宿の前で撮られた一枚の写真をユストとシルシュに見せる。


「うちのペットのアルベルトです」


「こ、これは、犬か?」


「ブサイクだな」


「シルシュ、人様のペットに向って失礼だ」


「ああ、そうか……これが、ブサ可愛いというやつか」


ユストとシルシュが小声でやりとりをしていると


「一週間前から戻ってこないんです。町中を探したけど見つからなくて……後、行っていない場所は北にある森なんですけど」


森には、魔物が住み着き危険。


「よし、じゃあ北の森に行って見るか」


「うむ、そうだな」


ユストとシルシュの後ろ姿を見送り


「ありがとうございます」


マナは頭を下げた。


「ふぅ、久々の船旅は疲れるな」


「エアちゃん、じじくさいわネ。あ、あれ、見て!!」


妖精のハンナが、エアの髪を引っ張る。


ハンナの視線を辿り


「あいつは……」


眼帯の少年を遠目に


「やっぱ、気が合うな」


エアは口元をほころばせる。


「走れば間に合うワ! エアちゃん、行くわヨ」


「やだよ、面倒臭いーーそれに」


エアは欠伸をしながら


「泳がせておいた方が面白い」


ハンナは眉間に皺を寄せ


「性格悪いわヨ」








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