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初夜

ごめんなさい。話を新たにしました

少し歯切れが悪い気がしましたもので。

新キャラ、ロリです。そしてこの章のキーパーソンです

ジョナスが、立ち直って、全員で乗船してから、約四時間。

 昼に出航したたため、リッツ連合政府についたころにはもう夕方になっていた。

 僕は船が出発してから、すぐに、昨日の寝不足が、祟ったのだろう、甲板上で眠くなり、船内の船員用客室で一眠りさせてもらった。

「起きて、起きて。サンボ―! 着いたよー!」

「うん……もうちょっと、寝かせて」

「困ったなー。もう。どうすれば……って、ちょ、ちょっと、サンボー、どこ触っているの!」

「ふむぅ、……もみもみ」

「きゃんっ!」

 彼女の一オクターブ高い矯声が、脳裏に響き、僕の頭は、ようやく覚めた。

 手の平が、何か柔らかいものを包み込んでいる気がする。僕はとりあえず、人間の本能に従って、それが、何かを、究明するべく、何度も、手を動かす。

 むにゅむにゅ。

「うみゅあ、ひゃあ…………んっ」

 本当に、何だ、これ? 感触が、プリンみたいだ。いや、プリンは、触ったことが無いので、表現の仕方が変か。

 とにかく、プルプルで、モニュモニュで、それでいて、弾力と張りがあって、手の中で形を自由自在に変える未知の物体。

 ……いやぁ、触り心地最高だな、これ。本当に何なんだろう。

 僕の、知的好奇心が、頭を出した。ちょうど、頭も完全に覚めてきたころなので、あとは、目を開けて、セラに、起こしてくれて、ありがとう、と言うだけ。

 そうしてゆっくりと目を開いたとき、ぼやける視界の中で、自分の鼻の先に、セラの顔があることに気づいた。

 すぐに、視界も追いつくように覚めた。でも、逆に、思考が現状に追いつくことができなかった。

 睫毛、長いなぁ。瞳もとても綺麗だ。肌だって白いし、その解かれた長い髪は庇のように彼女の顔に翳りを落とし、いつもの明るくて無垢な雰囲気とは裏腹に、平安時代チックな知的な雰囲気を醸し出している。

 お互いの唇が近いが、彼女の両腕が僕の逃げ道を、塞いでいて、どうすることもできない。薄いピンク色の小さな口だ。

 でも、それ以上に白い肌に、朱がさしているのが、気になった。彼女の呼吸も荒いし、目もどこか熱に浮かされたように、虚ろだ。

 いやぁ、本当に顔が整いすぎて、怖いぐらいだよ…………って、違う!

 何だ、この状況! なんか、淫靡な感じだな。あまり青少年には、よろしくない様な気がするのは気のせいかな。

 と、僕は、自分の手の中にその原因があることに気づいた。

 僕の手は、何の因果か、彼女の緩く開けられた軍服から垣間見えるエロテイックな鎖骨の下に存在する、大きな膨らみを鷲掴みしていた。

 今、僕は、僕を起こそうとしてくれた女の子の胸を揉んでいる、モンデイル、モンデイル、モンデイル…………。

 ちょっと、一呼吸。うん


(ぎゃ)あぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」


 僕の意識はまたも、混濁の中に引き込まれていった。


 

 目が覚めると、僕は、横たわっていた。

 揺れることはないから、ここは海上ではないようだ。と、なると、おそらく、リッツのホテルであろう。

 僕は時間と、他の皆が何をしているのかを、確認すべく、体を起こして、首を軽くひねったりして、頭を覚ましてから、部屋を出た。

 廊下は、ビロードの絨毯が敷かれていて一定距離ごとに、灯篭が置かれて、ほのかに道を照らしている。

 僕はそこを通り抜け、まっすぐ進むと、らせん状の階段を見つけたので、それを伝って階下へと降りる。

 天井は高く、中央からぶら下がるシャンデリアを、中心に円状になって、きめ細かく、絵が描かれていた。

 階段は短く、すぐに、一階に、着いた。それは、巨大な広間だったが、ところどころ、損傷している部分の目立った。

 また、異様なほど人気が感じられないので、少し心細くなった。

 僕は、目の前を見まわした。あるのは、一つの大きな木の扉のみ。それ以外は、天井へと延びる壁、一様な文様が、フラスコ画として描かれている。

 僕は、息苦しく感じた、外の空気が吸いたい、などと思った。歩を、速め、扉に手をかける。

 扉は重厚そうだったが、さび付いた取っ手を引くと、いとも簡単に、ガチャという音を立てて、開いた。

 僕は、それを、全開にする前に、一つ息をのんだ。この先が何かもわからない。

 ただ、開けなければ始まらない。僕は、吸って吐いて、そして、扉を開けた。

 そこに広がっていたのは、リッツ連合政府の景色だった。だが、心奪われるほどきれいなものではなかった。

 というのも極端に自然の景観が失われていた。左片隅のほうにちょっとばかし、緑が広がっているだけで、それだって本当に申し訳程度だし、それ以外は住宅街、そして最も多く面積を取っていたのは、少し距離が遠いため、詳しいことは分からないが、煙を出しているので、おそらく、工場であろう。

 外は完全に真っ暗だった。しかしレンテンマルクと違って、星は見ることができなかった、それだけ空気が汚染しているのだろう。

 何せ、夜までどの工場にも、明かりがともり、稼働しているのだから。

 あと、他に気づいたことといえば、ここから見て街の構造が、全く、レンテンマルクと変わらないな。

 碁盤の目のように、道は、入り組み、住宅街が密集し、かつ工場は工場で固まっている印象も見受けられる。

 ただ、一つ、レンテンマルクと違うことを挙げるのなら、どこか雰囲気がさびしい、というところだ。

 レンテンマルクの夜は商店街は締まっているものの、商店街の店員や軍人が、夜な夜な街に繰り出し、ご飯を食べたり、騒いだりと、とてもにぎやかであるが、こちらはとても閑散としている。

 時折吹く夜風の、ヒュウ、という音が、耳に障るほどだ。あとは遠くで、かすかに聞こえる工場の機械の音、船の汽笛の音がするだけ。

 少し興味がわいた。そこで、僕は、少しこのあたりを散策しようと、思い、歩を進めようとした、その時だった。

「ねぇねぇ、お兄ちゃん?誰?」

 そんな声が、風に乗って僕の耳朶に残った。 僕は驚いて、辺りを見回す。そして、その人物はすぐに見つかった。

 目の前の大きな噴水。中央には、彫刻の施された、翼の生えた今にも飛び出さんとする者の像が立ち、そその手には皿が握られている。

 よくあるバロック式の噴水だった。しかし、一つ特筆していうのなら、水が枯れているところだった。かわりに、行儀の悪い鳥が群がっている。

 そしてそんな、元噴水の周りを囲う縁に、ちょこん、と座る女の子が一人。

 彼女は、もう一度口を開いた。

「ねぇ、お兄ちゃん、だーれぇ?」

 その声は、いやに透き通っていて、逆に不気味だった。

「……き、きみのほうこそ、誰なんだい? 先に聞いたほ、ほうから名乗るのが礼儀なんじゃないのかな」

 完全に彼女のテンションにのまれている。僕の頭は混乱に陥っている。くそっ、誰か、いないのか?

 エイラでも、セラでも、ジョナスでもいいから。この場に僕一人は本当に辛すぎる。

「あはっ、ごめんね、お兄ちゃん。私のほうから名乗らなくちゃいけなかったね。私の名前は、アぺルスピィって言うの。よろしくね。で、お兄ちゃんは?」

「ぼ、ぼくかい?僕の名前は、三剣八雲だけど……」

「へー、ヤクモっていうんだー? 変な名前だねぇ。で、お兄ちゃんは、こんなところで、何をしているの?」

「な、何をしているって言われても、……えーと、まぁ、僕は、一応軍人っていう仕事をしていてね?今日はその関係でここまで出張してきたんだ」

「ぐんじん、ってなーに?」

「軍人っていうのは、武器を持って戦う人のことを言うんだよ。まぁ、僕は戦えないんだけど……」

 と、彼女は突然、縁から腰を上げて、とてとてと近寄ってくると僕の手をぎゅっと握り、僕を上目づかいで見た。

 黒くて長い髪は、ツインテールに結ってあり、とても可愛らしいし、ほっそりとした白い肌と、少し蒼みのかかった瞳が、神秘的な彼女の雰囲気を助長している。

 背格好は僕の胸ほどで、その幼さの残った声以上に年のいっている(といっても、普通に僕より年は下だろう)ことは意外だった。

 彼女は口元に笑みを絶やさないままこう言った。

「もしかして、お兄ちゃんは、あの今日やってきた黒い服を着たお兄さん、お姉さんの仲間の人?」

 黒い服を着た、お兄さん、お姉さんって、もしかしてエイラたちのことか?

「あの、一つ聞いていいかな?」

「うん、いいよ!」

「その黒い服の人達って僕と同じくらいの身長で、三人組だった?」

 これで、うん、といえば、エイラたちである確率はかなり上がるのだが……。

「うん、確かそうだったよ。あと、今日の夕方くらいに、大きな船で、やってきたの!」

 これで確信へと変わった。彼女が言っているのは、間違いなくエイラたちのことだ。だから、すかさず僕は、彼女にその旨を言った。

「僕は、その君の言っている人たちの仲間だよ」

 風がひときわ強く吹く。鳥は高らかに鳴く。

「……へぇ、そうなんだ」

 彼女は、そう、ぽつりとつぶやいてから急に僕の手を離し、それから二,三歩僕から離れて辺りを歩くと、もう一度垂れおろされた僕の腕を持ち上げて強く握り直し、それまでの微笑とは違った満面の笑みでこういった。

「ごめんね、お兄ちゃん、その人たち、殺しちゃった」

「え……?」

「え、じゃないよ、私が殺しちゃったの。あの3人とも、ね」

 う、嘘だろ……。だって、こんな幼気な少女があの、3人を、その殺す、だなんて……。

 追いついていた思考が、また現実に引き離されてしまった。かけっこは、そろそろ終わりを見せるはずなのに、ここにきて、新たな伏兵が……

 さて、しかしどうしたものか、彼女の顔を見ていると、どうやら嘘ではないようだ。この良くもわからない島に、一人生存者として取り残され、どうやって生きていくのか、こうご期待、なんて言うと字面だけ見れば、どこの映画の宣伝文句だよといったところだが、事実とは往々に隠蔽されるのが、世界の常識であって、

実際の僕は、こうして武器も持たず、3人の軍人を、殺した少女の前に突っ立っているだけである。

 とりあえず、僕だけでも生きてレンテンマルクに帰ろう。こんなところで死ぬわけには、いかない。

 僕は辺りを見回す。誰もいない。彼女の奥に入り口が存在するだけ。よし、このまま、僕の脚力で逃げおおせるのみしか、方法は……。

 と、突然、僕の服の裾を、アペルスピィが、引っ張ってきたので、僕は口には出さずに、死の瞬間を覚悟した。

 あぁ、僕の人生、早かったなぁ……。これがもとの世界なら美少女に殺害されたということで少しは箔がつくのかもしれないけれど、今は、まだ殺されたくなかったなぁ……。

 しかし、彼女が言ったことは僕の考えを裏切るものであった。

「お兄ちゃん。あのなんだか真剣になって考えているところ悪いけど……嘘だよ?」

「……え、嘘? 嘘なの?」

「当たり前だよ。だって、こんな華奢な体で、どうやって、三人も人を殺すというの? しかも相手は、軍人さん。人を殺すことに関しては右に出る者はいない人たちでしょ?」

 彼女は、少し不機嫌な口調になった。さては、僕が、彼女のことを殺人鬼か、と本当に思ってしまったことに、彼女は失礼だ、という怒りを覚えているのだろうか。

 もしそうだとしたら、自分から僕に、振ってきたんじゃなかいか、と思うところはあるけれども、相手は僕よりも年下の女の子だし、そういう幼さもまたあって、然りだろう。

 だから、僕として珍しくおどけてみせることにした。

「いや、まぁ、確かに、それもそうか。……ごめんね、てっきり、僕は、あの空に浮かぶ綺麗なお月様に君が当たって、頭から耳が生えて、お尻からは尻尾が出て、口の中は牙で、満たされて、びゅんびゅんと辺りを駆け回って、3人とも食べちゃったのかと思ったんだ」

「……」

 彼女は、僕の顔を見て、ただぽかんとしたままだ。僕は、こういう風に女の子と接したことがほとんどないので、女の子を笑わせるポイントとか全く分からない。やっぱり、そんな奴が、ダメもとで言ったところで、ユーモアセンスがなかったのだろうか。

「……あははっ。お兄ちゃん。面白いね!もっと、何か、お話してよ。最近退屈していたんだ。私」

 彼女は笑ってくれた。顔は、とても柔和なもので、僕はそれを見てほっとした。だから、彼女の要望に応えてやろうと、彼女に、連れられるまま自分も一緒に噴水の縁に座った。

 それから、色々な話をした。彼女のことも聞いたし、自分のこともした。特に、自分がここではない違う世界の人間であることを告白した時には、色々と聞かれた。

 どんなものがあるのとか、食べ物はどんな感じとか、自分と同年代の子は何をしているのとか、それはごく当たり前の会話で、僕にとっては、とても心地の良いものだった。

 でも、最後、別れ際に彼女からされた質問は、とても重いものだった。

「お兄ちゃん、最後に一つ聞いていい?」

「うん、何でも聞いて」

「ありがとう。じゃあ、さ、そうやって家族からも引き離されて、友達からも引き離されて、おまけに、血なまぐさい人間の死体なんか見なきゃいけなくて、楽しい? ねぇ、お兄ちゃん」


 ――生きるのって、楽しい?


 あまりにも重い言葉だ。自然と彼女のトーンも重かった。僕にはよくわからない、彼女とは今日初めてであったばかりだし、肉が嫌いで、野菜が好きな十三歳ってことくらいしか僕にはわからない。

 ただこれだけは言える。彼女は、確実に僕と同じ人種だ。この世界に、学校というものはもちろんないが、年齢的に見れば彼女は、中学生だ。

 普通の学生、中学生はもちろんのこと、高校生ならば、なかなか自分の生きる意味について、自分の心の中で問うことはあっても、人に問い尋ねることはしない。

 普通ならば、学生は、そんなこも大人になっていくうちに、心の中で考えるのをやめちゃうんだ。社会はそういうものだ、考えても仕方がない、って踏ん切りをつけられる。

 でも、僕は、彼女と同じ年のころから、そういう人間じゃなかった。もちろんあのころの僕にできた唯一の親友にもいろいろと尋ねた。でも、彼でさえも、その質問は難しいと、僕に言った。

 とここまでは、あくまで、僕の元の世界の話だ。ここの世界とは違う。

 こちらの世界のほうが、何倍も慣れるのは大変だろう。疑問を持つのが当たり前だろう。人間が果てしなく、何か空虚を求めて、殺しあっているのだから。

 彼女のような純粋な子が、どうしてだろう、と疑問を持つのは、仕方のないことだ。

「ねぇ、お兄ちゃん、聞いてる?」

 彼女は、その穢れのない瞳で、僕の顔を覗き込んだ。顔がとても近かった。夜なのに、その顔は、はっきりと白く見えた。病的なまでの白さだった。

「う、うん。ちゃんと、聞いているよ。僕も、そういうことをいつもいつも考えているからね。だから、いっぱい伝えたいことがあって、何から話せばよいか迷っていたんだ」

「そっか、お兄ちゃんも大変なんだね」

「はは。そうでもないよ。……よし、じゃあ、君も少し眠い時間だろうし、おうちの人も心配するだろうから、手短に話そう。少しは君の気が楽になるように、ね」

 僕は、そうキザに言ってみた。そしてすぐに、まったく自分とは似合っていないことに気づき恥ずかしくなったが、彼女は、

「うん!」

 そう、全く気にしていないように、とってくれたので(それはそれで悲しい気もするが)僕は、まずこんなことから喋りだした。

「僕の世界には、僕の住んでいた社会をうまく表すいい一言があるんだ」

「へぇ、それって、なあに?」

「ヤマアラシのジレンマっていうやつ。ヤマアラシは、全身にとげとげの針がついている小さな動物だと思って」

「へぇ、どうしてそのヤマアラシさんは、そんなとげとげがいっぱい体についているの?」

「それはね、ヤマアラシさんは、色々な自分を食べようとする強いやつから身を守るために、体に武器をつけているんだ」

「そうなんだー。それじゃあ、兵隊さんと同じだね」

「うん。まぁ、確かにちょっと僕の言い方が悪かったのかもしれないけど、いいや。でね、ここからが大事なところなんだけど、ヤマアラシさんは、お互い仲良くなれない。歩み寄れないんだ。お互いの針が邪魔してね?」

「そっか、ヤマアラシさんかわいそー」

「そう、でもね僕が言いたいのは、今の社会も同じで、とにかく、お互いがお互いを傷つけないよう、適度に距離を持って人と接していかなきゃいけない、自分が傷つかないようにする、とても消極的な世界なんだ。僕が元いた世界は」

「ふーん。じゃあ、やっぱりお兄ちゃんは、生きるのがつまらない?」

「まぁ、待って、僕も昔はそう思っていたよ。世界は退屈だって。でも、僕を変えたのは、ある一人の僕ど同年代の男の子だったんだ」

「お兄ちゃんを、変えた?」

「そうだね、俗にいう、友達ってやつさ。最初は、なんだ、こいつと思って、僕は邪険にしていたよ。でも段々、話していくうちに僕の心も、生きることに対する慣れというものを見せてきたんだ」

「慣れ?」

「そう、慣れ。だから、僕はここにきて少し時間がたっているけど、あまり考えないようにしているんだ。とにかく慣れようと努力している。そのためには、友達、ないしは仲間を作ろうと必死なんだけどね」

「そっかー。お兄ちゃん、ありがとう。お話楽しかったよ! でも、ごめんね。わたしもう帰らなくちゃいけないみたい。また、明日来てくれると、嬉しいな」

「そっか、もう夜も遅いもんね。じゃあ、また明日このくらいの時間にここに来ればいいんだね?」

「うん。じゃあね。お兄ちゃん」

 彼女はそう言ってその場から、腰を上げると、そのまま、どこかへと姿をくらましていった。

 僕はそれを見送ってから闇に向かってポツリつぶやいた。

「まだ彼女は十三歳だというのに。彼女は、これからいろいろなものを見て社会に染まって女の子を楽しんで、自分という真っ白の画用紙に色をつけていく時期なのに……くそっ」

 僕は一刻も早く、この戦争にまみれた血なまぐさい社会に、終止符を打たなければ、彼女のような可哀そうな子供が、溢れてきてしまう、と思い、改めて、頑張ろうと決意を新たにし、その場を後にしたのであった。

いかがでしょうか?

ちょっと重かったでしょうか><

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