最終章(2)
いよいよ最終章です。
そして、この回で<ミール・ストーン>は終了です。
最終章 ―世界のために、平和を謳おう―(2)
「・・・ミクヤ」
「なんだ?」
「・・・大好きだったよ! ずっとずっと、愛してる! 生まれ変わっても、ミクヤを好きになる!」
「・・・ああ。待ってるよ」
ディルとミクヤは、最後の言葉を交わしてキスをした。それを見たテューサたちも、ディ
ルとミクヤをよそに、3人で別れの言葉を紡いでいた。
「今まで、助けてくれて有難う。たくさん心配させちゃったし、怪我させちゃったし。ごめんね。シャネラと一緒に旅ができて楽しかったよ。仲間になれてよかった!」
「ああ。俺も、迷惑掛けたな。最後の戦いでは護れなくてごめん。もし後世で逢ったら、今度こそ護ってやるよ」
テューサはシャネラに抱きついて、シャネラもテューサをきつく抱きしめる。そして言葉
を交わすと、体を離して2人はルビスの方に向き直った。テューサはルビスにも抱きつく。
ルビスはテューサの頭を撫ぜる。片方の手はシャネラとの握手に使った。
「ルビス、お薬とか作ってくれてありがとね。ここで、全員で旅の終わりを迎えられるのは、ルビスのおかげだよ。私、たくさん怪我とかしちゃったから・・・。ルビスが仲間でよかったよ。今まで本当にありがとね!」
「・・・お前、武術はからっきしみたいだから、本当は剣術とか教えたかったんだよな。でも、お前が医術出来るおかげで、安心して旅が出来たんだ。ほんと、仲間でよかったよ。ありがとな」
「2人とも、僕も、2人が仲間でよかったよ。生まれ変わっても、きっと、友達になろうね。今度は、僕から探しに旅に出るよ」
言い終えると、テューサは体を離し、シャネラも手を解いた。そして、台座を前にする。
「テューサ、シャネラ、ルビス、あなたたちが友達になってくれて、本当に嬉しかったよ」
「今度は、たくさん話そうな」
「うん!」
『さ、準備はいいかね。目を瞑って、耳をすましてごらん』
ラーミアに促されるようにして、目を瞑る。すると、どこからともなく微風が吹く。
風を感じながら最初に謳ったのはテューサだった。テュクの声も微かに混ざる。
「 涙散らして笑顔集う
孤独を消して歓び集う
寂しさは愛に
平和を温もりで満たせ
平和はいつも心の内に
<サリテュード> 」
輪唱するかのように、テューサが旅で出来た仲間の順に、前の謳が終わる前に使い手が謳いだした。
「 揺るる海原果てなく続き
揺られて行き着く先は海
惑星を潤おす波しぶき
波よ静けさ取り戻せ
海よ平和を取り戻せ
<オールズ・シャナー> 」
「 ざわめく木の葉よ
疾走る風よ
支える地よ
平和を謡い 永久に想え
<チャールク・ネス・アーソイリー> 」
「 時空の怒り自然に彷徨い
留まることなく全土を侵す
後悔の念よ 真実へ導け
裁きの神よ 君臨し
過去を浄化し未来を刻め
<ルフィライ・リカバム> 」
「 陽光我らの生命なり
雨雲我らの恵みなり
我らの営み全て虚空からの贈り物
大事を心に刻み 我等は慕う
虚空よ 我等を永久に見つめよ
<ディーキー> 」
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瞬間。
世界が
輝いた。
Fin.
ついに、連載終了しました。
今まで読んで下さった方、長い間お付き合い有難うございました。
最後の展開については、皆様の想像力で自分の思う未来を思い描いてみてください。
また、時間があれば、最近執筆中の別のお話を掲載していきたいと思います。
そのときはまた、よろしくお願いしますね。
では暫く私は休憩に入るとします。
また、会う日まで。
さようなら。
有難うございました。