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第18部(1)

お気に入りの18部が始まります〜♪♪

しつこいx2あの人たちがやってきます★

第18部  ―意外な合流―(1)


 買出しの済んだテューサたち3人は、ディルとミクヤの待つ場所へ急いだ。しかし、どれだけ急いでも一日はかかる。一晩野宿した。

 そして翌朝、また歩き出す。

「くはぁーっ。疲れたなぁ・・・。おい、まだ着かねぇのか?」

片手で伸びをしながら、シャネラがいちいち愚痴をこぼす。もう一方の手は、食材を持っているので、出来ない。ルビスも、両腕いっぱいに水のボトルを持っている。その顔は、困惑に歪んでいた。

「おかしいなぁ。確か、ここらへんだったはずなんだけど・・・」

「ディルも、ミクヤもいな・・・」

テューサの言葉は最後まで続かなかった。シャネラが、空いている方の掌でテューサの口を塞いだからだ。驚いて、テューサがシャネラを見やる。彼は、珍しく真剣な顔をしていた。その真剣さに、びくりと体を震わせてしまった。何も、言えない。それをシャネラは確認すると、塞いでいた手を外し、持っていた荷物を全部その場に降ろした。そして、木刀をぎゅっと握る。

「シャネラ・・・?」

「出てこいよ」

テューサとルビスの声が被るのと同時に、シャネラが一言、放った。すぐに、3人の周りにあった草むらや木陰から人が数人出てきた。テューサには、見たことのある顔ぶれだった。

「またお前らか。・・・今度は何だ」

落ち着いて、しかし怒りを含めて、シャネラは言葉を出した。周りを取り囲んでいる男た

ちの、1人が口を開いた。

「前に貴様らを襲ったとき、そこの女が綺麗な宝石を持ってたの思い出してなぁ。盗賊の俺らには持ってこいのカモだろぉ?」

そう、以前テューサとシャネラを襲った盗賊たちだった。相変わらず短剣を構えていて、

にやけた顔を並べている。テューサは、困惑していた。

「な、なんで・・・!? 私、呪文唱え・・・」

「なんでかあの時は俺ら全員倒れてて、いつの間にか貴様らは消えていたが・・・。おかげで俺らの恨みは倍増だぜぇ!?」

「・・・うるせえよ。テューサ、ルビス、下がってな」

ずい、とシャネラが2人よりも前に出る。にやっと盗賊の頭は、シャネラの行動を嘲笑っ

て、仲間に指示を出した。

「やっちまえ!!」

声と共に、首領は自分もシャネラに短剣を向けて襲い掛かる。10人くらいいる盗賊が、全員シャネラに向かってきた。シャネラには、全員の攻撃を交わせるなどとは思っていなった。倒せるなどとも。避けはするが、やはり交わし切れず、刃が肉を裂く。赤い液体が、飛び散る。

 テューサとルビスの方にも、盗賊が数人向かってきた。戦いに慣れていないルビスが、必死になって守る。しかしルビスも、交わせぬ攻撃を喰らい傷を負ってゆく。テューサは何も出来ず、どうするべきかわからなかった。目の前で赤く染まってゆく少年ら。何を、すればよいのだろう。

 ついに、シャネラが地にしりもちをついた。必死に、木刀を支えにして立とうとしていた。しかし、力が入らぬのか、立つことが出来なかった。それを、楽しそうに見ている盗賊ら。

「くっ・・・」

シャネラは苦し紛れの声を漏らした。盗賊の1人が、無防備なシャネラに向かって、短剣を振り下ろそうとしている。条件反射で、テューサがシャネラに駆け寄った。

「シャネラ!!」

「来るなっ・・・!」

時は既に遅し。テューサは血だらけのシャネラを抱え込んでいた。そこへ、盗賊の短剣が振り下ろされる。それは、ほんの少し道筋を外れて、テューサの左肩から腕を切り裂いた。ぶしゅっ、と嫌な音がする。

「きゃああぁっ!!」



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