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第11部(4)

ミール・ストーンの歴史が分かってきたでしょうか?

いよいよ、大臣のながぁいお話も終わりです。

第11部  ―幻の紅いライソカス国―(4)


やっと一息入れた大臣は3人に問い掛けることによって、口を休ませていた。侍女の運んできたお茶を一口飲む。

 テューサは首に掛かっている白い石を手で包んだ。シャネラはポケットから真っ青な石を取り出す。ルビスも新緑に染まった石を鞄から取り出した。3つの石を確認すると大臣は、にっこりと3人に微笑んでまた話を続けた。


 「石の出所・・・生まれた場所は今も解明されていませんが、神なる者が造ったと聞きます。そして、遥か大昔も5人の少年少女が魔石を操り、世界を平和に導いたそうです。しかし、古文書には一度魔力を開放したら、石は朽ちて灰になると書かれています。この理に反して、今現在石が存在している・・・何か、消えてしまってはいけない問題が石にはあるのではないでしょうか。わしはこう思うのです。・・・世界を1つに戻す。石たちはこれを望んでいるのではないでしょうか。『平和』の石と呼ばれているくらいですから。そのために消えず、今もなお世界を想い続けている。

話を戻しましょう。魔力を開放したが、消えることはなかった魔石は、世界のいろんな場所に飛び散ったそうです。・・・おまけに魔石使いの5人も 姿を消して行方不明になってしまったとか。この飛び散った時に、世界が割れたのです。人々への戒めだったのでしょうな。遠く、遠くかけ離れた場所に、孤島としてライソカス国は新たに生まれました。そして、現在に至ります」


 真剣に、大臣を、紅い瞳をずっと見ていたテューサたちは、息をするのも忘れるくらい聞き入っていた。少しの間、沈黙が流れた後、ルビスが口を割った。

「・・・そんなことがあったとは、知りませんでした。・・・僕たちの国の学者や研究員、昔の人々は、今大臣殿が話されたような過去を、隠したかったのですね。自分たちの過ちを。だから・・・僕たちの国にある歴史書には簡単にしか触れられていなかった」

ルビスの言葉に大臣は顔を苦くして、こくりと頷いた。テューサとシャネラは何も言わなかった。感想を言うこともなかった。

「実は・・・あなた方に謝らなければならないことが1つ、あるのです」

大臣は申し訳なさそうに、口を開いた。ルビスは愛想良く笑って話すことを薦めた。


 ルビスから薦められ、大臣は今まで軽々と動かしていた口を、もごもごとしながら話し始めた。

「・・・我がライソカス国にも、魔石使いがおります。それはご存知でしょう。その者は・・・ライソカス国の王女なのです」

「それが、俺たちに謝りたいことなのか?」


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