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第11部(2)

紅〜い紅〜いお国へ到着。

第11部  ―幻の紅いライソカス国―(2)


 門をくぐると、活気的な雰囲気に包まれた。商店街のような通り。その裏には住宅地が広がっている。ずっと奥には、ライソカス城と思われる、城が見えた。

 3人は街の雰囲気に圧倒されてその場に突っ立っていたが、すぐに馴染み、街を歩き出した。

 通りを歩いていると、ルビスはあることに気づいた。

「・・・皆、髪と瞳が赤色だね・・・」

ルビスに言われて、遠くから人々を見ていると、テューサとシャネラもようやくそのことに気づくことが出来た。

「本当だ・・・」

「俺たち、目立っちまうな」

シャネラが、自分の髪の毛を引っ張りながら呟いた。見渡す限り赤色。テューサ金髪、シャネラの黒髪、ルビスの茶髪は嫌でも目立ってしまう。

「ね、それよりも早く情報を集めましょうよ。」

テューサはそう言って、商店街を歩き始めた。シャネラとルビスも後に続く。


 すると、すぐに商店街の人々の目は3人に向けられた。そして、騒ぎ出す。

「ちょっと・・・。この島の子じゃないんじゃない?」

「赤くねえぞ・・・」

「サリナや、そっちの国から来たんじゃない?」

そこらじゅうで中年のおばさんの井戸端会議が始まる。男たちもひそひそ声で話す。すると、その中から1人、勇んだ男がテューサたちに近寄ってきた。

「おい! お前等どこの奴だ!?」

大きく響いた声に驚き、テューサは何も言えず、シャネラとルビスの後ろに隠れてしまった。シャネラは男をぎっと睨む。ルビスはそれを制するかのように、にっこりと笑って男に話し掛けた。

「僕はネイス国の者です。こっちはシャシル国。彼女はサリナ国です」

あっけらかんと素直に答えた。その返答を聞いて、男は顔を髪や瞳の色と同等くらいに真っ赤にした。

「この野郎! よくも堂々とこの国に入ってこれたな!!」

男が叫んだのと同時に、井戸端会議をしていたおばさん軍団と、ひそひそ会話をしていた男たちが一斉に野次を飛ばした。

「そうだ! この国に入ってくるな!」

「子どもだからって騙されないぞ!」

「出てけ!」

「この島は俺たちの物だ!」

テューサたちには何のことか分からないことを一斉に言われ、さすがのルビスも困り果てていた。飛ばされる野次を、しばらく黙って聞いていた。

「あ、あの・・・皆さん落ち着いてください・・・」

テューサは震える体を一生懸命制して、声を振り絞った。しかし、野次は止まらない。

「騙されるものか!」

この一声と一緒に飛んできた人の拳くらいの石が、テューサの頭に当たる。鈍い音がして、次に地面と石が触れた音がした。

「きゃっ!」

咄嗟に、当たった箇所を手で塞ぎこむ。腰を屈めて(うずく)ってしまう。

「大丈夫!?」

ルビスはテューサに駆け寄った。シャネラは舌打ちして、顔はもう怒り満面だった。今にも、木刀を構え、男たちに振りかかろうとしていた。

 ――と、その時、野次を飛ばす集団の後ろから、声が聞こえた。

「・・・何の騒ぎかな?」

集団は後ろを振り返り、瞬間驚いていた。しかし、最初から勇んでいた男は、驚きもせずに後ろに立っていた老人に大きな声を出した。

「大臣! こいつら、リィル族ですよ! ライソカスに乗り込んできたんです!」

「そんなつもりじゃ・・・」

テューサはすぐに誤解を解こうと、顔を上げて男に言ったが、逆に睨みつけられて、たじっとしてしまった。老人は、ずっとこっちを見ていた。この老人もまた、齢で少なくはなっていたが、赤い髪をしていた。もちろん瞳も、赤。

「大臣殿ですか? 少し、お話を聞いて頂きたいのですが」

ルビスは、ずいっと前に出て、はきはきと言った。辺り一同皆が、大臣と呼ばれた老人とルビスに注目していた。

「大臣! こんな奴等の話なんか、聞く時間が勿体無い! さっさと追い出しちまいましょう!」

男はなおも大声を張り上げる。老人は少し考えを巡らせているような態度を取っていた。ルビスはじっと老人を見つめる。老人もルビスをずっと見ていたが、ふと、シャネラの後ろに体半分を隠しているテューサに目をやった。そして、顔色が急変した。

「その者たちを城へ」

一言、周りの者に告げた。勇んだ男はにやっと笑って喜んでいた。

「地下牢ですね!? 分かりました!!」

ふう、と大臣は溜め息をついて呆れた口調で言葉を付け足した。

「いや、大切なお客人だ。牢になぞ、入れられない。・・・さあ、御三方よ。街の者が失礼をしましたな。謁見の間までご案内を致しましょう」

「な、何故ですか!? こいつ等、侵略者ですぜ!?」

男は納得いかず、辺りに響き、反射するかと思うほど、大声を出した。現に、遠くまで響いているようだったが。

「通しなさい。また後で説明しよう」

大臣は役柄の威厳を利かせた。ルビスはすぐさま、大臣の後ろを着いて行った。テューサとシャネラもあとから続く。街の人々は3人を阻みはしなかった。ただただ、呆けて見ているだけだった。



ありがとう!500HIT★☆★

あと2人の仲間を見つけて、完結。

頑張るよ〜〜??

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