表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/84

第9部(5)

テューサが久しぶりに登場。

第9部―いざ、孤島へ・・・―(5)


「テューサを背負って海を渡れる?」

朝食を摂り終わったルビスはシャネラに聞いた。シャネラはルビスの問いに対して少し考えたがすぐに「ああ。」と返事をした。

「じゃあ、行こうか。」

ルビスは靴等を脱いで、前日と同じことをし、3人分の荷物を持って立ち上がった。シャネラはその行動に疑問を抱いた。

「・・・おい。お前そんなに持って、泳げるのかよ?」

「大丈夫。昨日泳いでみて、コツは掴んだから。それに、テューサを今危険な目に遭わせるのは嫌だからね。君は無事に次の島まで行ってほしいんだ。」

にっこり笑ってルビスは歩き出した。シャネラも立ち上がり、眠っているテューサを背負ってルビスを追った。

 海に入ろうとするルビスに、シャネラは木刀を貸した。

「これ使えよ。食料が台無しになるのを、少しは防げる。」

ルビスは笑って礼を言った。そしてシャネラの靴を入れ、昨日シャネラがやったように、鞄を全部木刀に括りつけた。あっと何かを思い出したかのように、ルビスが突如顔を上げてシャネラを見た。

「海を癒してくれない?」

こくりとシャネラは頷き、腰を曲げて背中のテューサが落ちないようにした。そして、ポケットから石を取り出す。目を瞑って唱えた。

「<オールズ・シャナー>。」

いつも通り、明るく輝いて光が海を包んだ。その光が消えてからルビスは海に入った。シャネラもそれに続く。


 『テューサ・・・。無事ですか・・・?』

テュクの声が聞こえた。私はなぜか声が出ない。目蓋さえ開けられない。

――私は大丈夫よ。

心の中で返事をした。それが届いたのか、テュクが話を続ける。

『心配しました・・・。良かった・・・。』

――心配?何の?

私は疑問に感じたことを素直に心の中で描いた。テュクはそれに答えてくれた。

『あなたは・・・毒性のある・・・海蛇に・・・噛まれたのです・・・.。』

――ええ!?そんな・・・私知らなかった。確かに、海を泳いでいて、足が痛くなったけど・・・。足がつったのか、溺れたのだと思っていたわ。

『ルビスが薬を作ってくれました・・・。シャネラは一晩中、あなたを看ていてくれました・・・。』

――そうだったの・・・。本当に知らなかった。目覚めたら2人にお礼を言わなくちゃ。

『良い報せです・・・。ミヤウィザは・・・この先に居ます・・・。』

私は目を瞑っているけれど、テュクが今、笑ったような気がした。

――ミヤウィザ?ああ・・・仲間ね。っていうことは・・・ライソカス国もあるってこと?

『頑張って・・・。ここである程度休んだら、目覚めなさい・・・。2人は、あなたが目覚めるのを待っています・・・。』

――うん。ありがとう。

私はテュクにお礼を言って、目覚めることにした。2人が待つ、現実へ。



目指せ、400hit!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ