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第9部(1)

第9部に突入。

さぁ、夢幻の国を目指して旅立ちます。

第9部―いざ、孤島へ・・・―(1)


 数週間、いや、数ヶ月歩き続けたテューサ、シャネラ、ルビスは、ついに幾つかの孤島に一番近い、ネイス国の端っこまで来た。3人のいる場所から一番近い孤島まで、ざっと100mはありそうだ。跳んで渡ることも出来ないし、舟もない。3人は渡る術を考えた。

 まずテューサが(いかだ)を作ろうと提案した。しかし、持っている刃物は、テューサの持っているナイフだけ。ナイフ1本で木を切ることはかなり困難だ。ルビスに以上のようなことを指摘され、一時保留となった。

 次に、シャネラが「泳いで渡る」と意見した。今度はテューサが指摘した。「鞄の中の食料がぐちゃぐちゃになっちゃうじゃない!」と。しかし、「大丈夫」の一点張りのシャネラ。2人が喧嘩をおっぱじめようとするところを、間一髪でルビスが止めた。


「・・・泳ごうか。」

結局、会議の中に採用される案は出てこなかった。しばらく考えて、ぽつりと言ったルビスの言葉に、テューサとシャネラは動きを止めた。

「泳ごうか。」

もう一度、ルビスが2人に笑って言う。そして、続けて口を開いた。

「でも、テューサの言うことも一理ある。この先、食料なしでは大変だからね。だから・・・。」

「俺があの島まで無事に運べってか?」

シャネラが口を挟んだ。ルビスは笑いながらこくりと頷いた。

「そう。だって『泳いで渡る』っていう意見はシャネラが出したんだもの。」

シャネラは、ちっ、と舌打ちをして、テューサから食料の入っている皮袋をもぎ取った。今まで喋らなかったテューサは、やっとここで口を開いた。

「・・・ねえ。本当に泳ぐの?」

シャネラはテューサの言葉を聞いて、「今更何を言ってるんだよ。」という顔をして振り返った。

「大丈夫。荷物は全部シャネラが持ってくれるから。」

ルビスがテューサに優しく言った。テューサは俯いていた顔を上げて、ルビスを見た。そして、次にシャネラを見た。

「・・・私・・・泳げない・・・。」

「・・・はあ?」

シャネラはテューサに詰め寄る。

「お前、海に入ったことある?」

「・・・ない・・・。」

「ちょ、お前そんなんでどうするんだよ!?」

「だから、泳ぐのやめようって言ったじゃない!」

「テューサ、大丈夫。僕も泳げないから。」

口喧嘩を始めたテューサとシャネラの間に、ルビスが割って入った。シャネラはルビスに鋭い目を突きつけた。

「普通、シャシル国以外の国の民は海に入らないよ。」

付け加えて、ルビスは自分を有利にさせた。

「大丈夫。ちゃんと、初心者なりに泳いでいくから。君は先に行ってていいよ。僕はテューサとゆっくり、溺れないようにいくから。」

ルビスは喋っている間中ずっと微笑んでいた。シャネラはまた舌を鳴らして、靴と靴下を脱ぎ、裸足になった。それらを鞄の中に入れる。ルビスとテューサと急いで脱ぎ、鞄に詰めた。シャネラは木刀に皮袋を(くく)りつけ、海に入っていった。ルビスとテューサも後に続く。



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