表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/84

第7部(1)

さぁ、3人目のラルウィ探しのはじまりはじまり〜。

第7部―自然を癒すラルウィ―(1)


 城下町は賑わっていた。祭とやらはまだ始まっていない様子。準備に忙しそうな人々が街中を行き交っている。あちらこちらの壁には祭の広告が貼られていた。

「・・・すごいね・・・。」

「ああ。」

「こんな中、どうやってラルウィを探そう?」

2人の目の前を横切る人々は話し掛けることも困難なくらい、早足で駆けていく。

「とにかく宿探さねえ?休もうぜ。」

重症を負っているシャネラにとって、仲間を捜すより、一刻も早く体を休めたいというのが本心だった。

「そうね。宿はどこかしら・・・?」

テューサはシャネラの体のことを思い出し、辺りを歩いて宿を探した。

 宿が見つかり、2人はそこに入った。

「あら、いらっしゃい。」

女将らしき女はつんけんとした物言いで、客であるテューサとシャネラを迎えた。「泊まりたいんだけど。」と言いかけるシャネラの服の袖を引っ張って、テューサは止めた。シャネラはテューサの方を振り返り、

「どうした?」

と聞いた。テューサは何も答えず、小声で唱えた。

「<プネマ・テルヌーラ>。」

両手は、シャネラの袖から離し、ちゃんとテュクを包んでいた。ぱっと辺り一面が光る。大体事態が把握できたシャネラは今度こそ女将に告げた。

「泊まりたいんだけど。」

「お2人かい?一宿一飯で400セルトだよ。」

テューサは皮袋からお金を取り出し、代金を払った。

「毎度。ちょうど祭だし、もう一飯サービスしてやるよ。」

「ありがとう。」

女将に部屋を案内され、シャネラは早速ベッドに転がり込んだ。そして、瞬く間に寝息が聞こえ、夢の中へと誘われてしまった。

「・・・まだお昼なのに・・・。」

テューサは、眠るシャネラに毛布を掛けて呟いた。

 仲間を捜しに行こうと、シャネラを部屋に置いてカウンターへ行った。

「すみません。この街で歴史に詳しい人いますか?」

まずは、情報集めから。女将の女はうーん、と考えて、言いにくそうに言った。

「そうねえ。居ると言っちゃあ居るんだけど。」

「どこに住んでいますか?」

「街外れの林の中に住んでるよ。この街へは、時々歴史書を買いにくるのさ。」

「ありがとう。」

「林の中は、邪魔な植物が濛々と生え茂っているから、行くなら気をつけな!・・・一緒にいたあの兄ちゃんは行かないのかい?」

テューサは苦笑した。

「疲れてるみたいなんです。もし私のこと聞かれたら、林へ行ってるって伝えてもらえますか。」

テューサは女将に伝言を頼んだ後、宿から出て、林へ向かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ