第6部(1)
第6部突入です。 早く新しいキャラが出てきてほしいです☆
第6部−仲直りまでの道のり―(1)
ネイス国とシャシル国の狭間にある、関所に辿り着いた2人。依然として沈黙が流れていた。1歩前を歩くテューサは膨れっ面、後ろを歩くシャネラは少しだるそうだった。
残念ながらここの関所にはサリナ国国王からの書簡は届いていなかったが、テューサが事情を説明すると、門番は何も言わず、2人を通してくれた。
「ちょうどいい。ネイス国の城下町ではこの時期に祭があるんだ。今日から城下町を目指して歩けば、2日で着くと思うよ。祭には十分間に合うから、楽しむといい。」
門番は親切にも最近のネイス国の近況を教えてくれた。更にシャネラの、血を纏った赤い服を見て、「これ。」とだけ言って包帯2つと消毒液をくれた。
門番に礼を言い、2人は歩き出した。
ネイス国は、シャシル国と違い、木々に包まれていた。潮風じゃない、澄んだ空気が美味しかった。靡く風が木々を揺らし、木の葉がたてる音も耳にやさしい。テューサは立ち止まり、その空間にうっとりしていた。シャネラは立ち止まるテューサを追い越し、先を歩いた。立場が逆転し、今度はテューサが彼の後を追う。
2人は言葉も交わさずに、夜になるまで歩いた。そしてついに、前を歩いていたシャネラがきょろきょろと辺りを見回し、1本の木の根に腰を下ろした。テューサはそれを見て、シャネラの隣に鞄と木刀を置き、自分はシャネラが凭れている木の裏側に腰を下ろした。
ご飯を別々に食べ、別々に眠った。
『仲直りを・・・しなさい・・・。』
夢の中で、愚痴をこぼしていた私に、テュクは頼んだ。
「だって・・・シャネラが悪いのよ。せっかく心配してあげてるのに・・・。」
私はふてくされていた。
『迷惑をかけたくなかったのです・・・。分かっておあげなさい・・・。』
「迷惑だなんて・・・。私助けてもらってばかりだもの。私のほうこそ、迷惑をかけているわ。」
今度は泣きそうな顔をした。
『仲直りをして・・・。今、彼は深手を負っています。今度襲われたら・・・。』
「・・・死んじゃう?」
悲しそうな顔を上げる。もう仲間を失いたくなかった。
『嫌でしょう・・・。さあ、目覚めて・・・。そして、怪我の治療を・・・。』
再度私は俯く。
『彼は怪我を・・・そのままにしてシャーマに逢っています・・・。化膿しないうちに・・・。』
決心したような鋭い目つきで、顔を上げた。
「・・・意地張ってても仕方ないわよね・・・。」
テュクは、テューサが見ることの出来ないその顔で笑った。