第5部(2)
第5部―ネイス国を目指して―(2)
「だぁかぁらぁ・・・。そのことじゃなくて、もっとこれから使えそうなことを教えてくれよ!」
俺は夢の中でいらいらしていた。
『さっきから言ってるでしょ・・・?君はこの僕『平和』の石を持つ者なんだから・・・。そんな攻撃的な呪文はないの・・・。』
「テューサは2個あって、なんで俺は1個しか呪文ないんだよ!?」
俺は見えないシャーマと口喧嘩をしていた。
『あるけど君にはまだ使えないの・・・。』
呆れたような口調で俺の言葉の攻撃を避けるシャーマ。俺は1人叫んでいた。
「力不足ってことかよ!」
『違う・・・。最後の最後にしか使わない呪文なんだ・・・。あの子も、その呪文は知らない・・・。テュクは教えてないだろうから・・・。』
「ちっ。俺はもう起きるぞ。多分テューサが寝ていない。」
『優しいんだね・・・。』
「うるせえよ。」
『最後に1つ・・・教えてあげる・・・。テュクも感じているだろうけど・・・。』
俺はシャーマの言いかけた言葉に興味を持った。
「何だよ?」
シャーマはゆっくりと口を動かした。・・・実際には見えないが。
『砂漠は・・・通らないほうがいい・・・。』
「・・・はあ?そんなけ?」
俺は聞き返した。興味を持ったその事柄の答えが呆気なさ過ぎた。
『一直線に・・・街へ向かって・・・。』
「どこの街に仲間はいるんだよ?」
『わかんない・・・。』
「・・・ちっ。もういいよ。俺は起きる。またな。」
俺は今日2度目の舌打ちをした。
『また・・・何かあったら呼ぶね・・・。』
シャーマの声が遠くなっていった。
テューサはシャネラの隣で膝を抱え込んだ状態で、うつらうつらしていた。こんな状態ではテュクもテューサを夢の中へは誘えない。(砂漠のこと、聞いてないだろうな。)
シャネラは起き上がり、うたた寝から完全に普通の睡眠へ移りかけているテューサを、起こさないようにゆっくりと体を倒して横にしてやった。
「まったく・・・。世話のやける・・・。俺こそ街を出てから全然寝てねえよ・・・。」
ぶつぶつ文句を言いながら、自分がTシャツの上から着ていたジャケットを脱いでテューサの体にかけた。そして、自分はテューサが熾した焚火で体を温めた。
「砂漠か。何で通っちゃまずいんだろ。」
シャーマからついさっき聞いたことを、いろいろ考えを巡らせて一晩を明かした。
自分で言うのも恥ずかしいんですが・・・。
私、結構シャーマのキャラが好きです。
優しい・・・感じなところ?がね。
みなさんは、どのキャラクターがお気に入りでしょうか。
これから登場してくるキャラも好きになってくれると嬉しいです☆