表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/84

第3部(3)

第3部  ―海を癒すウィーシャ―(3)


急な事態に驚きを隠せないシャネラ。こいつは一体どうしたんだ?倒れてたり、同じような石を持ってたり、抱きついてきたり・・・。シャネラは戸惑いながらも、まずテューサを自分の首から離そうとした。しかし、テューサはシャネラに負けない力でぎゅっと抱きついている。

「ちょ、おい・・・。どうしたんだよ。急に・・・。」

テューサは肩を震わせていた。・・・ひっく。・・・ひっく。

「え?泣いてんの?え?俺なんかしたっけ?」

シャネラは一生懸命心当たりを探す。

「あ、この前宿屋に置いてったこと?悪かったな。大変だったろ。」

テューサはぶんぶんと首を横に振った。

「え?違うの?ちょっと・・・。おい。」

シャネラはテューサの腕を掴み、思いっきり自分の首から離した。テューサは目に涙を浮かべ、頬にそれを伝わらせていた。両手で、自分の顔を覆い隠す。

「み、つけた・・・。私の、仲間・・・。」

「仲間ぁ?」

こくこくと、今度は首を縦に振るテューサ。

「石・・・見せて?」

「今は持ってねえよ。家だ。」

呆気なく答えるシャネラは、ふうと溜め息をついた。

「海・・・好き?」

「ああ・・・まあな。」

「石・・・見たい。」

「家だ。」

「行こう?」

テューサは隠していた顔を上げ、涙を拭いてしっかりとシャネラを見る。

「げ・・・。本気?」

シャネラは嫌そうな顔をした。

「だめ?」

「う〜ん。」

考え込んでしまった。テューサは質問を変えた。

「何でこんな時間にこんなところにいるの?」

じっと見つめるテューサの緑の瞳に負け、シャネラはもう一度、溜め息をついた。

「ちぇ。話すよ。俺は、軽く家出をしてきたんだ。」

「はい?」

「俺、海は好きだけど、漁業は嫌いなんだよ。・・・臭いから。」

「・・・えーと・・・。」

「親父が手伝えってうるさいの。だから夜から明朝にかけてまで、毎日家出。シャシル国での一般的な職業は漁師なんだよ。俺は、それに成りなくない。」

「そ、そうなの・・・。」

「だから・・・。」

「無理?」

シャネラの言うセリフを、テューサが取ってしまった。

「・・・お願い。一刻を争うの。早く、他の仲間も見つけなきゃ。」

「すまん。さっきからお前の話す内容についてけないんだけど。」

確かに、まだ石のことについて一切触れていない。シャネラの要望で、テューサはゆっくりと『平和』の石について語り始めた。



自分で言うのもなんですが・・・。

シャネラ好きですっ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ