第2部(1)
『第2部−遭遇−が始まりました!!
やっと、長くこの小説内容とお付き合いすることになる人物が書けます!
結構、恋・・・?しちゃいそうな感じに書いてます。
自分的に、かっこいいです。
第2部 ―遭遇―(1)
『テューサ・・・テューサ・・・。』
また私を呼ぶ声がする。確か・・・。
「テュク?テュクなの?」
私は姿の見えない声の主へ尋ねてみた。どこからか声が返ってきた。
『有難う・・・名前を・・・忘れないでくれて・・・。』
「約束したもの、忘れないって。」
私はテュクがどこかで見てると信じて、少し笑ってみせた。
『テューサ・・・これは忠告です・・・。』
「忠告?」
『この先・・・大変な事態に・・・巻き込まれます・・・。』
テュクの放った言葉に私は驚いた。
「・・・え?私に、何か危ないことが起きるの?」
口早に出た私の言葉と違い、静かでゆっくりとしたテュクの言葉が返ってくる。
『その時は、<サリテュード>か<プネマ・テルヌーラ>を唱えて・・・。』
「・・・わかったわ。あなたのチカラを信じる。」
『有難う・・・有難う・・・』
テューサは夢から現実へ戻ってきた。昨晩は、そこらへんにポツ、ポツと生えている雑木の根元で野宿をした。
少し、こんがらがった頭を整理するのに、時間がかかった。
「これから行く国で、何が起こっているのかしら。」
ぼそっと呟いてみたが、聞いてくれる人はいない。分かりながらも口に出してしまった。
テューサは、早く仲間を見つけたかった。今現在、打ちひしがれるような孤独感に襲われているのだから。・・・3歳の、捨てられた時のように。
すっくと立って、進む方向を確認した。リュードたちの住む村を出て、もう5日が経つ。フィリアに少し食料をもらったが、水も含めて底を尽きかけていた。・・・急がなくては。焦る気持ちを抑えた。もう少しでサリナ国とシャシル国の国境線だ。そしたら、すぐに街がある。そこへ着いたら宿を取って体を休めよう。テューサは計画を立てていた。そして、一晩宿代わりにした木を発った。
しかし、太陽が真上に昇る時間帯の頃、テューサはテュクの言っていた『大変な事態』に襲われた。