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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【おまけの物語】

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お土産……?

「アンジェリカ。約一か月、君から離れるのは断腸の想いです」

「殿下……」

「スコットからはこの一か月を使い、みっちり王太子妃教育を行うと聞いています」

「はい、そうなんです(涙)」

「わたしと結ばれるために苦労をかけて、申し訳ないです」

 

 氷の王太子とも評されるレグルス王太子殿下が悲壮な表情を浮かべるのを見た瞬間。

 

(それは母性本能!? それとも愛の力なのかしら!?)

 

 ともかく私は彼にそんな表情をさせてはならない!と思ったのだ。

 

「殿下、私のことは気にしないでください! 苦労とは思わず、殿下との未来のための修行と思いますから! 喜んで、王太子妃教育に取り組みます!」

「そうですか。そう言っていただけると安心です。きっとアンジェリカはこの一か月、頑張ってくれることでしょう。ご褒美で沢山、お土産を買ってきます」

 

《本当はわたしをお土産にして、子リスに贈りたいのだが……》

 

(レグルス王太子殿下、今からエントランスに向かい、国王陛下夫妻を始め、重鎮たちの見送りを受けるのに! 広場に行けば大勢の国民が見送りで集まっているのに! じ、自分を私への贈り物にしたい、だなんて……。そんな……そんな……そんなの喜んで受け取ってしまうわ! そして一日中愛でてしまうわ……ってそうではないでしょう!)

 

 なんとかクールダウンをして、レグルス王太子殿下を見送ると……。

 

「コルネ伯爵、早速ですが、王太子妃教育を始めましょうか」

 

 私の後ろで待機していたのは、王太子教育のために集められた家庭教師の皆様。

 

「さあ、こちらへどうぞ」

 

 私にはっぱをかけるスコット筆頭補佐官は、レグルス王太子殿下に同行している。その代わりでこれだけの数の家庭教師を用意されたら……。

 

(さぼるなんてできないわ。本当に、今日から私、王太子妃教育三昧よ……!)

 

 こうして始まった王太子妃教育。

 

 特に強化すると言われていた語学、他国の文化と歴史を学ぶ授業は……本当に大変!

 

 語学には、漢字のようなものもあれば、ヒエログリフみたいなものもある。もはや英語っぽい母国ができても関係ない状態だった。

 

「……それではティータイムの四十五分の休憩ですね。終わったら確認のための小テストを行います」

 

 音楽家のような巻きロールのかつらを被った語学の男性教師の言葉に「はい……」と息も絶え絶えで応じることになる。

 

 体を酷使したわけではない。

 脳をひたすら使っただけなのに、なんだかぐったりして動く気がしなかった。

 

(喫茶ルームに行かないと、お茶もお菓子も楽しめないのに……!)

 

 机の上で突っ伏して微動だにしないでいると、扉をノックする音が聞こえる。

 

「はーい……」

 

 メイドすら呼んでいなかったので、私は部屋に一人だった。この場合、席から立ち、扉を開ける必要があるが……。

 

 もう動くのは無理な私は机に突っ伏したまま、声だけで応じてしまった。すると扉が開き、中に入ってきたのは……。

 

「コルネ嬢、こんにちは!」

 

 顔馴染みのパティシエではないですか!

 

「きっとお疲れだと思い、お茶とお菓子を運ぶことにしました」

 

 そう言うとパティシエはワゴンを押しながら私の座るテーブルへ近づく。私は慌ててテーブルの上で広げていた辞書やら紙の束を端へと寄せる。

 

 パティシエがテーブルに並べたスイーツ、その中に普段見かけない物が一つあった。

 

「これは……」

「コルネ伯爵は今、アルセール国の言語と文化を学んでいると聞きました」

「そうなのよ……発音が難しくて難儀しているわ!」

「このスイーツはマロングレーズと言われる、アルセール国の王侯貴族が好んで食べる高級スイーツなんですよ」

 

 これには「えっ、そうなの!」と、脚付きの浅いガラス皿(コンポート)に盛り付けられたマロングレーズをガン見してしまう。

 

「マロングレーズは、栗を砂糖とシロップでじっくり煮た後、砂糖漬けにして、グレーズしています。甘みがマロンに染み込み、極上の逸品ですが、作るのに手間暇がかかり、かつ砂糖をたっぷり使いますからね。王侯貴族しか食べられません! それにアルセール国は長らくこのマロングレーズのレシピを秘匿していたので、我が国でも実は本日初めて作った次第です!」

 

 これには「ええっ!」と驚くことになる。

 

「まさに国王陛下夫妻や王女殿下たちも召し上がっているところです」

「そうなのですね。とても貴重なものを……ありがとうございます」

「コルネ伯爵の王太子妃教育に少しでも役立てばと」

 

 パティシエのこの言葉には胸が熱くなる。

 

「まずは召し上がってみてください」

「そうね。いただきます!」

 

 こうして初めて食べたマロングレーズであるが、なんだか知っている食べ応えと味だった。

 

(これは前世で食べていたマロングラッセと同じだわ!)

 

「そういえばアルセール国は栗の産地があるのですか?」

「いい質問です、コルネ伯爵! 実はアルセール国はこの大陸で一番の栗の産出国なんですよ」

 

 そこからはスイーツと紅茶を楽しみつつ、驚きの話を聞くことになった。

お読みいただき、ありがとうございます!

クールなレグルス王太子殿下がラッピングされた姿(爆)

明日から仕事ですが執筆頑張りますねー!

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