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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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ストイック過ぎる!

 どうしたって断れないけれど、毎月の給金が現在の倍になったのだ。ここは頑張ろうと、レグルス王太子殿下付きの侍女として仕え始めた初日。特に用事がなければ、待機部屋で呼ばれるのを待つことになる。この後待機部屋、第二王女殿下付きの時は、他の王女付きの侍女たちと同室だった。


 だがレグルス王太子殿下付きの侍女は……なんと専用の部屋が用意されている! これは驚きだった。


 しかも来客用の応接室のような立派な部屋で、お茶菓子も用意されているのだ。


(さすが王太子殿下付きだと、待遇が違うわ!)


 ウキウキしながらマンダリンオレンジ色のドレスを着た私は、マカロンをまさにパクリと食べようとしたその時。ノックと共に扉が開く。やって来たのはスコット筆頭補佐官!


「コルネ嬢、殿下の部屋に行きますよ!」

「!? 呼び出しのベル、なりましたっけ!?」

「鳴っていません。殿下も鳴らしていません。ですが殿下はコルネ嬢には執務室で待機してほしいそうです」


「えっ」と言いそうになるけれど、そこは何とか呑み込む。給金が倍なのだ。普通は待機部屋で呼ばれるまで控えているものだが、仕方ない。ここは素直に「分かりました」と応じ、スコット筆頭補佐官について歩きながら、ふと思う。


「殿下は療養されなくて大丈夫なのですか?」

「本来はお休みいただきたいです。ですが殿下はそもそもワーカホリックなんですよ! 実は今朝も剣術と乗馬の訓練をされていました」

「ええっ!」

「もちろん、注意はしましたよ。でも殿下は、『もしここが戦場なら、休んでなどいられない。二日も休めば十分だ。書類仕事もたまり、スコット、お前だって泡を吹いているだろう? 朝食の後は父上との会議に入り、その後は溜まった書類仕事をさばく』と申されて……」


(レグルス王太子殿下はなんというか……ワーカホリックというか、ストイック過ぎる! 暗殺者に狙われて怪我をしているのだから、ここは一週間は休んでもいいだろうに。しかも何気にスコット筆頭補佐官に気を遣っているわよね!?)


 何かと氷だの、冷徹だの言われているけれど。そして確かにポーカフェイスなのだけど!


(レグルス王太子殿下、噂のような方ではないと思うわ!)


 そんなことを思っているとレグルス王太子殿下の執務室に到着する。

 先日の暗殺者の件もあったからだろう。

 扉の左右には警備兵がいて、ノックと共に内側から扉が開き、護衛騎士が顔を見せる。ブロンドの短髪で見るからにスポーツマンの風貌で、首も太く肩幅もがっちり、偉丈夫な騎士だ。


「サラン護衛騎士隊長、こちらはアンジェリカ・リリー・コルネ、殿下付きの侍女になられた」

「ああ、彼女が! 殿下が女人を側に置くのは珍しい。ハニートラップもあるからな。……彼女は大丈夫なのだろうな?」

「元々第二王女殿下に付いていた侍女だ。身元確認も済んでいる。それに例の暗殺未遂事件で機転を利かせて殿下を守ろうとしたあの勇敢な侍女が、彼女だ」


 この言葉を聞いた瞬間。


「あなたが殿下を!」


 サラン護衛騎士隊長は、前室に入れるよう、扉を大きく開ける。私とスコット筆頭補佐官が中に入ると、いきなりその場で片膝をつき、跪く。


「アンジェリカ・リリー・コルネ殿。殿下をお守りいただき、ありがとうございます。殿下の恩人は自分の恩人でもあります。あなたのことも、もしもの時はこの身を挺してでもお守りさせていただきます!」


 そう言って私の手をとり、甲へと忠誠の口づけをしてくれる。


 これにはもうビックリするが、スコット筆頭補佐官が「行きましょう」と言うので、サラン護衛騎士隊長にお辞儀をして、そのまま執務室へ向かう。


 その執務室の扉の左右には、今度は護衛騎士がいる。


(コーデリア第二王女殿下に比べると、警備がかなり厳重ね!)


 こうして執務室に到着すると。


《子リスが来たぞ!》


 心の声はウキウキした様子なのに、執務机から顔を上げたレグルス王太子殿下は、定番のポーカーフェイス。でも星空を詰め込んだような紺碧色の瞳で私を見て、そして視線を執務机の右側へ向けた。


 つられてそちらを見ると、そこには立派な椅子とサイドテーブルが置かれ、美味しそうなスイーツと果実水が入ったカラフェも置かれている。


(もしやこの椅子に座って待機ということなのかしら?)


 さっきマカロンを食べ損ねたので、テーブルに並ぶキラキラスイーツに目が輝いてしまう。


《よかった。スイーツを用意したのは正解だな。……スコットの奴、女っ気などないくせに、女性が喜びそうなことをよく知っているな……》


 スカイブルーのセットアップ姿のレグルス王太子殿下の、ご満悦そうな心の声が聞こえてくる。でも今の彼が発している言葉は……。


「そこの椅子に座り、待機していてください。必要があれば声をかけます。手持ち無沙汰であれば、そちらの書棚の本を見ていただいて構いません。一応、女性向けの古典文学などもあります」


 淡々と事務的に告げているが、そこには私への気遣いが溢れている。


(やっぱりレグルス王太子殿下、いい人!)


「お気遣い、ありがとうございます! 殿下をお世話するために控えているので、私のことはお気になさらず。どうぞ、執務を続けてください」

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は明日の13時頃公開予定です!

ブックマークや評価での応援、ぜひぜひお願いします~

お盆休み中に皆様とお祝い更新をしたいなぁ☆彡

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