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透明傘

作者: BJ

BJです。

三作目ができました。

どうぞ飽きずに見て下さい。

 星が見えない夜。

 止めた車の中あなたは遠くを見ている。

「……えっ?今なんて……」

 私の質問にあなたはちゃんと、はっきりと答えた。

「……別れよう……と言ったんだ」

 フロントガラスに降り出した雨が知らない顔で音を立てているのを私はこれからも忘れないんだろうなと思った。

 いつもこの場所から色んな町並みやあなたの姿眺めていたのに。

 いつまでもこの関係が続くと思っていたのに。

 色々辛い事があるだろうけど、最後は笑顔でいようと昔二人で誓っていたのに守れなくて。

 私は泣き出してしまった。……ごめんね


 ずっと私は知らない間に求めすぎてたのかな?

 もう少しだけあなたを好きでなければもっと一緒に居られたかな?

 私は、その考えがなくらなかった。


 あの夜の前の日。


 私とあなたが瞬きする音が聞こえそうなくらい近くにいても、縮まることのない距離が出来たこと私は気付いてた。


『ううん。気付かない振りをして逃げてただけだね』


 私はいつも一緒であなたと出掛けたね。

 私がCD屋に行った時、好きなアーティストの曲を取る。

 それをレジに持っていった時にふとっ気付いた。

 いつの間にか私が選ぶ物はあなたの好きな物になってたという事を。


 私が何かで不安な時も、負けそうな時もあなたの言葉が私だけのお守りみたいだった。

 いつもあなたがすぐ隣にいてくれている様な気がしてた。



 あの別れた夜から数日後。

 大粒の雨に打たれながら傘もささずに歩を進める……あの時のあなたの言葉があるからどんなに強い雨でも歩けると思ってた。


 あなたが肩を濡らしながら傘をさしてくれた事に気付けずにいた。



 もしもあなたの事が思い出に変わったら、幸せ過ぎて退屈な日も泣きすぎて疲れた夜も全て同じくらいに大切だった事を……

 本当に好きだった事を、本当に愛されてた事を……


 私は後ろを振り返って彼を見つけた。


 私は初めてあなたに気付く事が出来るのでしょう。




 君と出会った日もこんな雨の夜だったね。

 あの日から僕らは飽きる程そばにいた。

 いじけた電話の声。車の中歌う声も。

 君はいつでも僕に幸せをくれたのに。


『何故、僕達は別れてしまったのだろう』


 それは僕が別れを切り出したから……と、自嘲気味に笑った。


『……別れよう』


 あの夜から僕はあの夜の事を毎日夢見るようになった。

 僕は君と僕の間に距離を感じてしまっていた。


 ただ呆然と、あの日の事を思いながら歩いていると……僕は傘をささずに雨に濡れている君の姿を見つけた。

 (ドクンッ)と心が跳ね上がったのを僕は必死に抑えようとした。

『僕はまだ君を追い続けているんだね。でも僕達は終わったんだ。他でもない僕が終わらせたんだ。……もうあの夢のようだった関係には戻れないし、君は戻らない』

 僕は心を抑えこんで君を見つめる。


『さよなら君と歩いていた日々』


 街には止まない雨が降り続ける。


『雨に濡れた冷たい君の両手を温める事が出来ないなんて』


 言葉よりも早く正直過ぎる唇も……

 わがままな横顔も全てが好きだった。


『君がいるだけで僕は僕でいられたんだ。どんなに疲れた夜でも君に会いたくなかった日なんて一度もなかった』


 濡れている空に君を探しても涙の奥で雨が降り続ける。

 濡れた指で描いた未来に君の姿が見えなくなる。

 勢いよく落ちてくる雨を見つめる君を本当は今すぐに強く、強く抱きしめたかった。


 僕はただ君を傘で雨から守る事しかできなかった。


『小さくなってく君の足音……僕には君を追いかける事が出来ないなんて』




 そう思っていた時に、君は最後に僕に気付いてくれたね……ありがとう。


この後の話は皆さんのご想像にお任せします。

どんな話にしてくれたのか教えてくれたら嬉しいです。


最後に感想・評価等をくれると嬉しいです。ではまた何処かでお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 心情がかなり良く描かれていますな(*^_^*) [気になる点] 「(───)」ではなく、『───』と書いたほうが良いんじゃないでしょうか?(・ω・)? あ!私がそうやって書いているだけな…
[良い点] 恋愛の熱苦しい気持ちを感じられたw [一言] 改めて感想書こうかな♪ 確か元ネタがリアルにあるとかなんとかかんとかなんとか・・・ いわゆる青春しとるのですな~~ 若いって羨ましいな~~ …
2009/11/22 19:58 退会済み
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