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千華からの追及

 ソラと一緒にカレーを食べた次の日。


 「じゃあ私、大学行ってくるからいいこにしててねー?」


 「うん!」


 「テレビとか見てていいからね」


 「わかった!マンガ読んで待ってる!」


 「だからそれは辞めてー!」


 朝から楽しい(?)会話をソラとして、私は意気揚々と大学に向かった。昨日のことなんてすっかり忘れたまま……



 「それで、莉樹?ちゃんと説明してくれるんだよね?」


 「え、えー?なんのことかな?」


 「とぼけたって無駄だよ?昨日バッチリ見てるんだからね?それに教えるって言ったもんね?」


 「そ、そうだけど……」


 「ちゃんと教えてくれるんだよねー?」


 「うー、わかったよー…」


 「まあ、ここで話すと他の人に聞かれたら困るだろうしこの前のカフェ行こっか」


 「う、うん」


 こうして、昨日のことをすっかり忘れていた私は、千華に連行されるままにカフェに行くことになりました。


 「よし、ここなら大丈夫でしょ。じゃあ聞かせてもらおっかなー」


 「そんな大した話じゃないよ?」


 「そんなことないでしょ?少なくとも私と別れて公園に行った時にまだあの男の子、奏空くんだっけ?はいたってことでしょ?」


 「そうだけどー」


 「ってことはつまり親がいなかったってわけじゃん?」


 「いなかったっていうか……」


 「ね?その時点で大した話なんだよ。それに誰かこのことをちゃんと把握してる人がいるほうがいいでしょ?」


 「た、確かに」


 「いや、まあ私の事が信用に足らないなと思ったら言わなくてもいいんだけどね?」


 「そうだね……じゃあ千華には教えるね?」


 「ありがと」


 「あの子……ソラはね?お母さんに公園に置いていかれたみたいなんだけど…ソラのお父さん、お母さんへのDVがひどいらしくって。それでソラのお母さんがソラを守りきれないと思ったから公園に置いていったみたいなの」


 「え?それって普通に児童相談所?に行ったら良かったんじゃないの?」


 「なんでもソラのお父さん、そっち系のお偉いさんみたいでわざわざ住んでる県とは別の県であるここまで連れてきたんだって」


 「なるほどね?でも、夜まで誰も声かけなかったん?」


 「なんか、みんな見て見ぬふりをしてたみたい」


 「そっか……じゃあまあ莉樹に声をかけて奏空くん良かったね」


 「そ、そうかな?」


 「だってさ、まあちょっと程度がアレかもしれないけど莉樹ってあーいう子好きでしょ?」


 「うん、まあそうだけど」


 「普通の人に保護されるよりは莉樹のほうが大切に扱いそうじゃん?」


 「え?みんなそうじゃないの?」


 「いや、多分莉樹みたいな接し方をする人はいないと思うよ?」


 「そうかなぁ?」


 「まあ、でも事情はなんとなく理解できたし困ったことがあったら私にも言いなよ?それと、ちゃんと節度を持ってソラくんに接しなよ?」


 「わかってるよー!」


 私は千華という協力者も得て、安心した気持ちで家に帰ってきた。


 「ただいまー」


 「あ、リズお姉ちゃんおかえり!遅かったね?なにしてたの?」


 「あー、昨日会った千華に事情説明してたんだよー」


 「ホントに?」


 「ほんとだよー!」


 「他の男の人といたんじゃないの?ねー?ねー?ねー?」


 「ちょ、ソラ?も、もしかして」


 「あれ?リズお姉ちゃんこういう子が好きなんじゃないの?」


 「いや、確かにヤンショタも好きだけどソラは純粋なままでいて!?」


 ソラの新しい扉を意図せず開きかけてしまったのを慌てて閉じながら、私の1日は今日も過ぎていった……

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