2人の同居準備 1
ソラと一緒に暮らすと家に連れて帰ってきた次の日。私とソラは一緒に住むための準備のために市役所に来ていた。
「お次の方ー」
「はい!……あの、天堂未来の息子の件…って伝えたらなんとかなると言われてこちらにお伺いしたんですが……」
「少々お待ちくださいませ!」
そう言われて待つこと数分。
「お待たせしました!同居の手続きは完了いたしましたので!」
「もう終わったんですか?」
「はい、未来さんがほとんどの作業を済ませておりましたので」
「な、なるほどです」
「こちらとしましても、できる限りのサポートはさせていただきますので」
「あ、ありがとうございます!」
こうしてあっけなくソラと同居するための手続きが終わったので、時間が余った私達は買い物に行くついでにご飯を食べることにした。
「ソラはなにか食べたいものとかある?」
「ボク?……リズお姉ちゃんがたべたいものでいいよ!」
「んー?遠慮しなくていいんだよ?」
「なら……ハンバーグ…かな?」
「ハンバーグだね!行こ行こ!」
「あ、お姉ちゃんまってー!」
私とソラは、ハンバーグ屋さんに向けて移動を始めた。
「ねぇねぇお姉ちゃん」
「なに?」
「お姉ちゃんはどうしてボクの事を拾ってくれたの?」
「んー?そんなに深い理由はないよ?」
「そうなの?」
「まあ、困ってるソラを放っておけなかったっていうのもあるんだけどね?1番はやっぱり……」
「?」
「ソラがかわいかったから……かな?」
「ボクが……かわいかった……から?」
「うん。まあそこは深く聞かないでくれると嬉しいかなぁ」
「それって、お姉ちゃんのベッドの下にあったマンガと関係ある?」
「え!?なんで知って……」
「たまたま見ちゃった」
「見ちゃったかー。見られちゃったなら仕方ないかぁ」
「え?」
「私はソラみたいな子が好きなんだよね」
「そうなんだ……」
「ごめんね?こんなこと急に言われて、気持ち悪いよね?」
「大丈夫だよ!……リズお姉ちゃんがすごくいい人なのはわかるから。でも、マンガの中みたいなことはできないかも……」
「え?もしかしてそっち見ちゃったの……?」
「うん……さすがにお姉ちゃんに首輪とかは付けられないなって」
「おっとーーー?その話はさすがに家に帰ってからゆっくりとしようかー?」
私は周りの人からの視線から逃げるように、ソラを連れて急いだ。