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ショタコンJD、ショタを拾う

色々と現実ではおかしいことが起こりますが、あくまでフィクションなので温かい目で見てください。

 「ただいまー」


 今までなら言ったところで誰もいない私の部屋だけど……


 「リズお姉ちゃんおかえりー!」


 「ソラーーー!」


 今の私の家にはソラがいる。ソラ、私の大切な男の子。この子との出会いは、数ヶ月前まで遡る……




 「やば、今日一限からじゃん!?」


 私、鷹宮 莉樹(たかみや りず)は、一限から授業があるというのに、目を覚ますと8時前だった。


 「完全に遅刻じゃん……どうしよ」


 そう思っていると、なぜかインターホンが鳴った。


 「こんな時に誰……?」


 「リズー?まだいるんでしょ?ちょうどあなたの家の前を通る用事があったから寄ってみたんだけど…」


 「お母さん!?ちょうど良かった!!学校までそのまま送ってくれたりしない?」


 「それは別にいいけど……ああ、寝坊したのね?」


 「うん、ちょっと夜更かししちゃって」


 「またいつも通り男の子の漫画でも読んでたんじゃないの?」


 私は、お母さんから言われた一言が図星だったので言葉に詰まってしまった。


 「まあ、私はリズの趣味に介入するつもりはないから好きにしていいけど、現実で手を出しちゃだめよ?」


 「ちゃんとそこは弁えてるよー!!」


 お母さんは、私の趣味であるショタ好きにも寛容だったので、家庭環境に恵まれてるなぁとつくづく思っている。そんなことを考えながら支度を済ませて、私はお母さんの車で学校へと向かっていた。そして、人通りの少ない細道に面した公園をふと見ると、不思議な雰囲気をした男の子が1人で遊んでいた。


 (あそこにいる男の子、かわいいなぁ……でもこんな時間になんで1人なんだろう。親はいないのかなぁ……まあ多分お母さんとかがどこかに行ってるだけかな!)


 私は少し気にしながらも、学校に間に合うかどうかの方が大事だったので男の子の事は頭の片隅においやり、大学の事を考えた。


 「じゃあまた会いにくるからね?それと、お父さんもリズのこと気にしてたからたまには帰ってくるのよ?」


 「わかってるよ!多分お正月には帰ると思うから」


 「わかったわ。お父さんにもそう伝えておくわね。じゃあいってらっしゃい!」


 「行ってきまーす!」


 こうして、なんとか学校に間に合った私は男の子の事はすっかり忘れたまま1日を過ごした。


 「今日はここまで!お疲れ様」


 「お疲れ様でした!」


 「リズー、これからご飯食べに行こうと思うんだけど一緒に行く?」


 「うん!どこ行く?」


 「最近出来たパンケーキ屋さんがあるんだけどそこはどう?」


 「パンケーキ……いいね!行こ行こ」


 私は今日の授業とバイトを終えて、学校の友達である甲斐田 千華(かいだ ちか)と一緒に夕ごはんにパンケーキを食べに行った。


 「千華は最近のオススメとかある?」


 「オススメかぁ、最近は高校生×保健の先生のカプが好きかなぁ。リズは?」


 「ショタ1択でしょ」


 「wwwリズってほんとショタ好きだよねぇ」


 「ショタの可愛さは神だからね!!」


 「まあ、その気持ちはわかるけどねー」


 「あ、この話で思い出したんだけどさ」


 「んー?」


 「今日ね、うちの近くの公園ですごい可愛い男の子がいたんだよ!」


 「ふーん?」


 「なんか年齢は10歳いくかいかないかくらいの見た目だったんだけどね?ボブでさ、目が蒼かったから覚えてるんだ!でも1人で公園で遊んでたのだけが違和感だったんだけどね?」


 「へー、もしかしたら親に捨てられた……とか?」


 「それにしては身なりとかはちゃんとしてたと思うんだけどなぁ」


 「まあ、冗談だけど。そんなに可愛かったんだ?」


 「うん!私の好みにピッタリだったんだよね!!」


 「じゃあもし帰りにまだその子がいたら声かけてみたら?」


 「だ、大丈夫かなぁ」


 「何が?」


 「不審者だと思われない?」


 「その子がもし普通の子ならそうかもね?でも朝から今の時間までそこにずっといたってことなら、絶対に何かあったってことだから話聞いてあげるのがいいんじゃない?」


 「そうだね!そうする」


 「まあいないと思うけどねー?」


 そう話しながらご飯を食べて、千華と別れ公園に向かった。私はいない前提で公園に行ったんだけど……


 (いる……しかも1人だ)


 私の予想と願いとは裏腹に、男の子は1人公園にいた。その姿に、私は思わず声をかけた。


 「ねえ、君お母さんとかお父さんはいないの?」


 「ボ、ボク?」


 「そうだよ?こんな時間まで1人で遊んでて親は心配しない?」


 「うん」


 「それはどうして?」


 「お母さんがね?『ごめんね。本当にごめんね』って言ってボクをここに置いてどこかに行っちゃったの」


 「そんな……」


 「あ、それとね?ボクに話しかけてくれた人がいたらこれを渡してってお母さんが……」


 そう言って男の子は私に1枚の手紙を差し出した。字はこの子のお母さんと思われる人のもので、手紙には……


 『この手紙を見ているという事はあなたは奏空(そら)に声をかけてくださったという事でしょう。私は奏空の母親です。この度私の旦那、奏空の父親の激しい暴力から奏空を守りきれないと悟ったので心苦しくはあるのですが、奏空を逃すためにここに置いてしまいました。児童相談所に行くことも考えたのですが、旦那の仕事の関係上安全ではないと考えこの決断をしました。もしあなたが心優しい方ならば、どうか奏空を保護してもらえないでしょうか』


 「奏空くんっていうんだね?」


 「うん。叶 奏空(かなえ そら)です」


 私はこの子の姿と、どうしようもなくなったのであろうこの子のお母さんのことを考え、しばらく黙って覚悟を決めた。



 「…………奏空くん、もし私と一緒に暮らすって言ったらどうする?」


 「……い、いいの?」


 「うん。私、奏空くんのこと放ってはおけないなって思ってね。うちもそんなに大きいわけじゃないから不便かもしれないけど……」


 「……一緒に住みたい!」


 「うん。じゃあ一緒に住もっか」


 こうして、私と親から手放された少年、奏空くんとの生活が始まった。

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