表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/110

06.02.助っ人

 「お願い、一刃(かずは)。体育祭の練習試合、剣道部の助っ人お願い出来ないかなあ。葦原(あしはら)に申し込まれちゃったんだけど二人足りなくてさ」


 なーんて2組の人に頼まれちゃったんだけど〜、これってチャンス? 特に仲の良い友達ってわけでも無いんだけど、二人足りないのか。


 「いいんだぞ! もう一人も私に任せちゃってね」


 「ありがとう、じゃあ宜しくね」


    ◇◇◇


 「というわけなんだけど〜、(たけ)ちゃんの予定を知りたいんだぞ?」


 「剣道は経験無いからね」


 「(たけ)ちゃんなら大丈夫なんだぞ! 適当に竹刀振り回してれば勝てるよ〜」


 「それに、家の方針でそういうのは禁止されていてね」


 「え〜、そうなの〜、がっかりなんだぞ↓」


 「応援には行かせてもらうよ」


 ま、いっか。応援してくれるんなら。


 「どうした、一刃(かずは)。メンバーが足りないのか?」


 「そういうことだから〜、お願いなんだぞ、霊雷(れいら)


 「何の話だ、詳しく訊かせろ」


 「あっ、いおりん!」


 「えっ、伊織(いおり)……くん?」


 ふふっ。


 「ねえねえ、いおりんも応援に来てくれるのかな?」


 「応援?」


 「うん。体育祭で剣道部の練習試合に出ることになったんだぞ、わたしと霊雷(れいら)


 「こら一刃(かずは)、私はまだ……その……」


 いおりんに見つめられて赤くなっちゃって。


 「頑張ってね。応援するから」


 「う……、うん。頑張る……」


 これでよしっと。


    ◇◇◇


 そして練習試合、当日。

 二人足りないって言ってたぐらいで、出るのは団体戦なんだけど、私が先鋒で、霊雷(れいら)が次鋒。

 何回か剣道部の練習に付き合ったんだけど〜、弱くて三連敗しちゃいそうなんだもん。そうなったら私の出番が回ってこないんだぞ! 折角(たけ)ちゃんが来てくれるのに。

 相手校の選手は弱そうでつまんなそうなんだけどな。あっ、でも大将の人は強いって噂なんだよね〜。葦原(あしはら)学園の生徒会長で〜、剣道部の主将。名前は確か……、大国(おおくに) (つかさ)って言ってたんだぞ。


 「あっ、(たけ)ちゃんだ。いおりんも来てくれたよ、霊雷(れいら)


 「う、うん」


 「やっほー、(たけ)ちゃーん」


 姫ちゃんも、水無(みな)ちんも、あとゴツいJKも、元JKか。


 「先鋒、前へ」


 さて、出番だ。


 「始めっ」


 5分間しかないけど、私の事だけ見てて欲しいんだぞ、(たけ)ちゃん。

 相手は気合だけは十分。ちょっとスキをつくってあげると打ち込んでくるんだけど、そんなのな捌いて、次も捌いて、次も、次も。見ててくれてる? (たけ)ちゃん。

 鍔迫り合いからちょっとドーンってしたら簡単に倒れちゃうし。もうちょっと頑張ってくれないと(たけ)ちゃんにいいとこ見せられないんだぞ!

 そんな感じで、あっという間に試合時間も終わりに近づき、最後に面を決めて終わり。


 「遊びすぎだろ、一刃(かずは)


 「鹿島(かしま)さーん、頑張ってー」


 「伊織(いおり)……くん。が、頑張り……ます」


 「ほらほら、リラックスしないといいとこみせられないんだぞ?」


 「解って……る」


 そして、霊雷(れいら)の番。

 剣道の経験無いみたいだけど、相手を行動不能にしたら勝ちってわけじゃないんだぞ? ちゃんと解ってるのかな?


 「始めっ」


 霊雷(れいら)は正眼に構えたまま動こうとしない。相手も初心者なのかやっぱり動こうとしない。


 「どうした、打ち込んでいかないかっ」


 葦原(あしはら)の大将の一声で勢いよく面を取りに来たんだけど……

 霊雷(れいら)がすっと差し出した竹刀の先端が突き垂れに直撃。しかも、霊雷(れいら)が踏み込んでたりしたもんだから、思いっきり後ろにふっとばされてったんだぞ。


 「突きあり、一本」


 武道経験者だけあって気勢も姿勢も言うこと無し。残心も示しちゃってるからそうなっちゃうよね。


 「二本目、始めっ」


 相手のコは腰が引けちゃってるんだぞ。霊雷(れいら)がすっと前に出ると、怖かったのか自分の竹刀を落としちゃったよ。反則負けなんだぞ。


 そんな感じで、私と霊雷(れいら)は勝ったんだけど、中堅、副将、大将は葦原(あしはら)学園が勝利。予想はしてたけど、負けは悔しいんだぞ↓


 「驚いたな。君たちが部員じゃないとは」


 話しかけてきたのは葦原(あしはら)主将のおおくにい。


 「ただの助っ人。今日だけ臨時の剣道部員なんだぞ!」


 「是非手合わせしたいものだが、今日は時間が許さぬそうだ。残念でならない」


 おおくにいはそんな事を言って去っていったんだぞ。


 「霊雷(れいら)ちゃんも一刃(かずは)ちゃんも凄いね。かっこよかったよ〜」


 「てへっ、なんだぞ♪」


 「お疲れ様、良かったらこれ」


 いおりんがペットボトルを手渡してくれる。


 「あり……がと……」


 よかったね〜、霊雷(れいら)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ