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シンデレラのハッピーエンド  作者: 読み専
第一章 幼少期編
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今田桧璃、第一の地獄(孤児院)での日々。

孤児院での日々。ダイジェストでお送りします。


攻略対象が出て来るまでは、なるべく駆け足で行こうと思います!


応援よろしくお願いします!



 両親の死を聞かされてから一週間も経たないある日。


 決められている物語の通りに話は進み、天涯孤独な桧璃は、孤児院に入れられる事になった。



ーーーーー




 その孤児院は、桧璃の想像以上に劣悪な環境だった。


(酷く虐げられてる程、ヒロインが救われた時の感動は大きいけど、やり過ぎればただただドン引きするだけなのよ!

 流石に10歳のになった子供が、一ヶ月以内の夜に寝てる間に居なくなってるとか…怖すぎでしょ‼︎

 それに!ガキどもも「〇〇君(または「〇〇ちゃん」)は、新しい家族の人が迎えに来たのよ」なんて分かりやすいホラ話簡単に信じてんじゃ無いわよ!絶対にヤバいとこに売られていったヤツじゃない!)



 ちょくちょく子供が居なくなっているのに気づいたのは、孤児院に入れられて二ヶ月程してからの事だった。


 同年代や一部の年上の子供に仕事を押し付けられる中、ただ一人桧璃を庇ってくれたリーダー格の少年が、ある朝に忽然と姿を消していた。それについてシスターに質問をしたら、「新しい家族の所に行った」と答えられたのだ。


 そこで気づいた。



「此処に、まともな常識を持ち合わせた大人は居ない」


「悪い意味でのヒロイン補正ーー巻き込まれ体質とも言うーーは有効だった」


「自分の身は自分で守るしか無い」



 といった、変えようの無い現実と、自分にできるのは、気持ちばかりの行為でしかなくとも、幸運を祈りつつこっそり作った御守りを親切のお礼代わりに渡すしかない、という歯痒さしかない現実に。






ーーーーー






 それからは、全てに関して受け身で過ごした。

 今日も、通常、親を亡くしたばかりの5歳児にやらせるべきでは無い、大量の「やる事リスト」に書かれた家事を必死にこなしながら心の中で愚痴を漏らす。


(それにしても、これ、多すぎよ!シスターを合わせて25人くらいでしょう?全員分の洗濯干しと洗濯たたみを5歳児一人にやらせて、一時間以内に終わらせないとご飯抜きとか、ふざけてんの?まだ、それをこなせるだけの筋力とか身長とか、足りて無いんだけど!

 それから、あのクソガキめ!「ヒロくんーー売られて行ったリーダー格の少年から私を頼まれた男の子ーーに()()()つかわないで!」とか、知るかっての!地味に嫌がらせのレベル高いし、痕とか残んないように殴ったり蹴ったりされるし、ねちっこいしで、とにかくめっちゃウザい‼︎つーか、「色目使う」とかどこで覚えてくんのよ…)



 あくまで口には出さず、普段から必要最低限以外の事で喋らないようにして反抗心を隠す。


 それでも、「その反抗的な目をやめろ」などと偶に言われるので、一人になれて自分の顔が見えるタイミングを見計らっては「死んだ魚の様に濁りきった瞳」とやらを目指して特訓する。



 隙間時間を見つける度に繰り返した特訓のおかげで「死んだ魚の様な目」を瞬き一つで作れる様になったり、これでもかと押し付けられた家事のおかげで格段に家事に掛かる時間が短縮されたり、家事の出来が良くなったりと、喜びきれない過程を経て色んな技術が上達した。


 だが、良かれと思ってやってみたことの中で逆効果になった事もあった。

 


 それは、「反抗心を隠し、

反応を一切示さないこと」だった。



 反抗しないうちに飽きることを期待してやったこの行為は、「女王様」タイプの人間には不評でも、「大人しい、自分に絶対服従するオモチャ」を欲していたタイプの人間には好評で、それに気づいて反抗したときには味を占めてしまったのか、より酷くなり、服従を強いられてしまった。




 孤児院に入って、色々なことを試したが、一度失敗した事は、なるべく被害を抑える為に二度とやらない事にしている。


 だから、より暴行が激しくなるのならば、と反抗はやめているし、一週間の断食よりは、と仕事量を減らすように訴えること、仕事の放棄、手抜き等はひかえている。


 そのおかげか、日々の習慣となった大人の見てない場所で行われる暴行などのイジメやかなり多い家事の量に変化は無いが、個人への当たりは多少緩和された。

 桧璃も、イジメ達やシスター達の上手いあしらい方を身に付けつつあった。そこまでで、孤児院に入ってから約一年半が経過していた。




 漸く10歳ぐらいの、夜中に何処かへ連れて行かれるまでは生き残れる可能性が見えてきた、そんなある日の出来事。


 孤児院に、クズな貴族が慰問に訪れた。






 ヒロインが貴族に引き取られる、第二の地獄へのフラグが立った。





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