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第四話 銀幕デビュー 4 お初天神通りパチンコ店

俺の名前は伊賀篤盛

初めてのパチンコに挑んでいる。

どうなることやら。


「500円で10回し回らないぞ、この台は回っているのか?よくわからん」

俺は台に向き合ったまま、隣にいる冠木慶次に声を掛ける。

「こっちは500円で12回ぐらいやわ」

「じゃあ、こんなもんなのか、もう3千円目だけどな・・・」

座って15分ぐらいで3千円が飛ぶ、時給4時間分か・・・・。

「っと言うか、何で500円で球がこんなチョロチョロしか出ないんだ」

俺はイライラしていた。

「そこは、さっきも言ったけど、大人の遊びだ。ゲームセンターじゃ

 100円で200発だけどな。ここじゃあ500円で125発だからな」

「1発で4円か、ボッタやな」

「あっつん、これが大人の遊びや」

「ふん、何が楽しいかわからん・・・」

俺は合計投資4000円目になる8枚目の500円を投入。

「俺、この球無くなったら止めるわ」

「あっつん、待てって、まだ全部使ってないんやろ?」

「まぁ、半分ぐらい残ってるけど、すぐ無くなるって、ゲーセンに戻ろうぜ」

「あっつん、早いって、気合入れろよ」

良くわからない鼓舞にため息をつく。


『リーチ』

台のBGMが違う音になって台を見る。

上段と下段に同じ絵柄が止まっている。

中断の絵柄が忙しく変わっていく。

その後ろには、小さな魚がワンサカ右から左に流れる。

珊瑚のカタマリが真ん中にデデンと登場。


俺はただ、何が起こっているかわからずボーっと見ていた。


「あっつん、それ、アツイって、マジで」

当の本人よりも興奮して俺の台に覗き込んでくる。

俺は無言で唾を飲む。

中段に上段と下段と同じ絵柄が止まる。

一気に派手なフラッシュと、きらびやかな音楽が鳴る。


そしてパチンコ店内に響く、マイクパフォーマンス。

「おめでとうございます。100番のお客様大当たりです」

ファンファーレ付きでド派手に歓迎してくれる。


俺は状況が飲めずボーっとしている。


「あっつん、アホか!!右に球集めないと球増えないぞ」

冠木慶次が俺のハンドル奪い取って、右の方に球を打ち続ける。

回転体の下がパカッとチューリップが開いて、

球がその穴に入ると銀球がドンドンと戻ってきてあふれ出す。


パチンコ台の上から溢れ、下の空間に球があふれ出す。


「あっつん、下に球が出てきたらこのレバーを引いて下の箱に球落とすんや」

冠木慶次がずっと興奮したまま、説明を続ける。

自分の台は完全に放置。


下の箱2/3ぐらいまでパンパンに球が集まっていた。


「まぁ、あと2回当たるからな。全部取りきるぞ」

その言葉透り、その後続けて2回キッチリ当たった。


その途中、俺の台の上のボタンを冠木慶次がポチッと押す。

「あっつん、下の箱交換してもらうからな」

「えっ、どういう事・・・」

すぐさま後ろに人の気配、手馴れた手つきで下の箱を地面に下ろして、

空の箱を台に置いてくれた。

「あ、ありがとうございます」

お礼だけを口にして向き直って打ち続けていた。


3回目の当たり終了と同時にハンドルを回そうとする俺

「お客さん!!!」

店員が凄い剣幕で迫ってくる。

思わずハンドルから手を離す。

そして、俺は店員から目が離せず硬直。






























次回で銀幕デビュー編は最終話です。

11月21日木曜日20時~公開

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