表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第三話 銀幕デビュー 3 お初天神通りパチンコ店

俺の名前は伊賀篤盛

幼馴染の冠木慶次と一緒にパチンコ屋で始めてのパチンコ

正直、雰囲気は今みたいに明るくも清潔でもなかった。

そして、そこに居る大人たちはVシネマとかに出てきそうな大人達ばかりだった。


そんな中で1万円を握り締めて人生初パチンコは「3回権利物ギンギラパラダイス」

さて、どうなるものか。。。


「これ、ちなみに一万円札何処に入れるんだ」

「あっつん、万札は500円に砕いたら使える。両替機は通路の奥にある」

俺の質問にシレッと答える冠木慶次

「おま、ふざけんな。あそこ、店員いるやろうが」

俺は冠木慶次の返答に驚いて抗議する。

「別に呼び止められんて」

「何処に保障があるんよ?」

「え、なんなん、びびってんのwww」

イラッ

俺は無言で立ち上がり、通路の奥に歩いていく。

何故か知らんが、台を打っているのはオッサンばかり、

女性はオバサンがたまにいるぐらい。

そのほぼ全員が俺を見ているような気がする。


(なんだ俺、浮いてんのか?)

漠然とした不安が俺を襲う。

だが、引き返すとより怪しくなる。

(どうする。このまま外に出て行くか?)

自問自答しつつ、両替機を見つける。

同時に両替機の横に店員の姿があった。

一気に呼吸が跳ね上がる。

思わず足を止める。

そして、視線をあらぬ方向に逸らす。

(やばいやばい目が合った、やばい、終わったか)

俺の中で猛烈な警報が鳴り響く。

だが、特に何のアクションもなく時間だけが経過した。

思い切って視線を店員の居る方向に向ける


「居なくなっていた・・・か」


もはや、全身疲労感が酷い状態で両替機で1万円を全て500円玉に崩して

冠木慶次の左側の席に座る。


「その台でええん?あっつん」

「どの台も同じにしか見えんぞ」

「どの台も一緒の機種やけど、500円で回る回数が台ごとに違うんや」

「わりぃ、慶ちゃん、日本語で頼む」

「ああ、まぁゲーセンのパチンコやと当たり、はずれ楽しめるけど

 ほんまのパチンコ屋は500円で10回前後しか、はずれか、あたりか

 楽しめんのや」

「えっ、ゲーセンやったら1000円で300ぐらい遊べるやろ」

「あっつん、これが大人のギャンブルや」

何故か、人を見下したような笑みを浮かべる冠木慶次


「はっ、やったろうやん」

思わず自分に言い聞かせる。

そして。500円玉を入れる所を探すと、台の上部に500円と書かれた穴が

俺はヨシッと覚悟を決めて500円を右の穴に入れる。

俺の台に球が出てくる気配はない・・・。


「おい、あっつん、その穴は俺の穴や」

横でジャラジャラ~と銀球出ながら、呆れ顔で見つめてくる冠木慶次

「お、おお、すまねぇ」

500円を冠木慶次から貰って、自分の左側の500円の穴に入れる。


自分の台に銀球が転がってくる。

ジャラジャラ~~

俺は真面目な顔で台に向き合う。


「おもろいな、やったろうやん」

そう言って、右側のハンドルを握って打ち出す。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ