第一話 銀幕デビュー お初天神通りパチンコ店
俺の名前は伊賀篤盛
今では立派なおっさんになっている。
この話は俺の日陰暮らしになってしまった原因を語るギャンブル物語。
正直自己満足でしかない。
17歳---高校3年生
大阪の繁華街の古錆びた昭和のパチンコ屋の店の前
時間はお昼過ぎ
「おい、あっつん」
ワックスいらずで髪の毛総立ちしてしまう事を気にしている男が俺を呼ぶ。
男の名は、冠木慶次
その特異な髪の毛事情のため、髪の毛を短く切りそろえているのだが
逆に髪の毛がまっすぐに天に向かって立ってしまっている。
そんなゴツイ髪型をしているのに、ベビーフェイスである。
正直、爆笑でしかない
「よお、慶ちゃん、本当にいくのか・・・」
おれは正直不安でしかない。
その様子を余裕の笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「え、なんなん、あっつん、びびってんの?」
びびってんの? ってのは、おそらく方言かもしれない。
怖気付いている的な意味で認識してくればOK
「まぁな、本当はびびっていないと言いたいけど、初めてだからな」
俺はため息つきながら苦笑する
「俺の言うとおりにやれば、問題ないから安心しろ」
そう言うと肩で風を切りながら、扉の前に立つと自動で扉が開く。
開いた途端、とんでもない爆音が耳をつんざく。
俺はひるんでその場に立ち尽くして呆然とする。
冠木慶次が振り返って手招きをする。
俺は意を決して、歩き出す。
これが初めてのパチンコだった。