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爆縮と体温の機知(8)

あのぅ、やっぱり何でもありません。

肋の浮いた姿のまま

歩き回り

小さな命をつまんでは

腹の足しにする

田の水を飲む事を覚えたら

蛙も気にせず

口を付けて飲んだ

稲が風でさらさらと鳴る

夕陽の赤に雲が彩られて

真っ赤な時間になれば

やたらと元気になり

気の早い虫の音が

よく聞こえてきた

残骸になったトマト畑が

同じ色になっている

集まった虫が

吸うだけ吸うのだ

種さえあれば

トマトは困らない


愛情を裏返しに着ているあの命

囚われて動けないんじゃない

分かっていながら

袖を通している

若葉の下にある落ち葉にすら

成ることがない無様さに

間違えた抵抗を添えて

それを生きた証にしている

悲しい存在とは口に出来ない

自ら選んだ泥の道に

かける言葉は無い


頭が潰れた姿のまま

這いずり廻り

大きな息を落としては

空間を汚す

人の水を奪う事を覚えたら

性善説を忘れて

高値で売りに出した

髪が風でふわふわと揺れる

夜の星に雲が張り付いて

真っ暗な時間になれば

やたらと寝心地悪く

虫の音の隙間にある音が

よく聞こえてきた

纏わり付く空気が空間を埋めて

人の形になっている

集まった時間が

喰らうだけ喰らうのだ

骨さえあれば

人間は困らない


心情に限界と書いているあの命

本当だから動けないんじゃない

油性ペンで書きながら

アルコールで消している

積み重ねの上にある成功ですら

簡略化していく無様さに

優しい不名誉を添えて

それを生きた証にしている

立派な存在とは真に思わない

自ら選んだ空洞に

かける言葉は無い


実行の裏に

一生懸命があろうとも

行動には結果が付く

駄目な形ほど愛しいのは

素直に頑張りを認めているからだ

それで良い

そう思えば良い

人生が一世紀あるのは

二回分の人生を歩むほど

何かをしなければならないから

人知れずにすることが

自分の意思に納得しながらなら

誰にも遠慮はいらない


愛情を裏返しに着ているあの命

囚われて動けないんじゃない

分かっていながら

袖を通している

若葉の下にある落ち葉にすら

成ることがない無様さに

間違えた抵抗を添えて

それを生きた証にしている

悲しい存在とは口に出来ない

自ら選んだ泥の道に

かける言葉は無い


心情に限界と書いているあの命

本当だから動けないんじゃない

油性ペンで書きながら

アルコールで消している

積み重ねの上にある成功ですら

簡略化していく無様さに

優しい不名誉を添えて

それを生きた証にしている

立派な存在とは真に思わない

自ら選んだ空洞に

かける言葉は無い

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