Ⅳ
天使達が住む大陸にある、ミカエルの執務室に彼と三人の天使が集まっていた。
集まっていた天使は同じ熾天使の、ラファエル、ガブリエル、そして、座天使、ザフキエル。残り、二人の天使を含めて七大天使と呼ばれているが、その二人はこの場にいない。
「ウリエルに逃げられたんだな」
クスクスと笑いながら言うのはラファエル。
「ウリエルを殺すと息巻いているけど、本当に殺せるの?」
心配そうに聞く女性はウリエル。
「わかってると思うけど、僕は傍観する側ね~。他の二人もだけど」
少年はザフキエルで、この中ではまだ若い部類だ。
「わたし一人でもあいつを殺す。この手で、必ず。────涜神者のあいつをッ!」
拳を握りしめ、決意するミカエルを見て、ガブリエルとラファエルは軽く息を吐く。
「涜神者だなんて、本当に神の神聖を汚したわけでもないのに」
「ミカエルにとっては汚したも同じなのさ」
それぞれがそう言ってミカエルを含め、三人はそこから消えた。ウリエルとチヅキを探しに行ったのだ。
「気をつけた方がいいよねえ。今日は満月だから・・・目を覚ますだろうし」
息を吐きながら、ザフキエルは呟く。
「必ず殺す、ねえ・・・」
本当にそれが出来るのか、ザフキエルは疑っている。
疑うだけの理由が、ウリエルとミカエルにはあるからだ。
二人の姿を思い浮かべながら、彼はそう言った。