ほぼ会話文のホラー(怖くない)
何も音のしない世界があった。
そこで歩くのは何人かの男女。
ゆっくりと歩いているが、目に光は見えない。真っ白な状態にあるが、手を繋ぎあっている。
「なあ、俺達、いつまで歩けばいいんだろうな…」
「剛!」
「ああ、悪い…」
「仕方ないよ、美奈子。」
「……あのクソッタレのクズ人形、出口はあるよとか言いやがって…!!」
「少なくても、今はそれを信じ無くてはいけないんです。…今は抑えてください。」
「…なんで?」
「咲樹?」
「なんで?なんで私達がこんな事に巻き込まれなきゃ行けないのよふざけないでよ返してよ私達を私達の日常を返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよカエシテヨ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよカエシテヨ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよカエシテヨ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよ返してよカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエシテヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨカエセヨかえせえっ!!!!」
「ひいっ!!」
「お、おい咲樹?!」
「咲樹さん、落ち着いてください!!」
「もういやぁっ!!」
「帰りたい、帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたいなんで帰れないどうして帰れないなぜかえれないそうだみんなみんなころせばいいんだみんなみんなきえればいいんだわたしがこんなめにあってるのにしあわせなんてゆるさないゆるさないころすころすぜんぶぜんぶころすころすこわしてやるコワシテヤル」
「…っ、もうダメです!逃げましょう!!」
「いやぁっ!!咲樹ぃっ!」
「ちくしょうっ!ああああああああああああああああああああああああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ああああっっ!!」
「に、逃げ切った…?」
「何とか。」
「ねえ、これで何度目なの…咲樹も毅も祐希もみんなああなっちゃったのよ…私達だっていつああなるかわからないんだよ!なのになんでそんなに冷静でいられるのよ!!」
「落ち着け美奈子!!」
「…離してください。」
「なんで!どうして!!」
「離してと言っているでしょう!!」
「痛っ!!」
「私だって冷静でいられる訳がないでしょう!!辛くて怖くて怖いに決まってるじゃないですか!!でも仕方ないじゃないですか!!私が動揺したら、これ以上の混乱が待っているかも知れないんです!だから!」
「直樹…」
「…ごめん。」
「また、歩き直しですね…」
「…そう、なるね。」
「しっ…」
「剛?」
「なんか、聞こえねえか?」
「…っ!」
「ああ、あいつらの声じゃねえ。だから多分大丈夫だ。落ち着け。」
「……」
「…なにも、聞こえないです。」
「私も…」
「そうか、いや、なんか聞こえた気がしただけだ。すまん。」
「そう…気を付けてね。」
「剛さん、何が聴こえたんですか?」
「いや、何も…「嘘ですね。」」
「あなたは嘘をつくとき、目を僅かですがずらすんです。教えてください。何が聴こえたんですか?」
「…………………ころす」
「剛!」
「いや、聞こえてきた言葉だ。」
「剛さん、落ち着いてください。大丈夫ですか?」
「いや、落ち着いているよ。これ以上なく、な。」
「ぐっ、がぁっ!!」
「…っっっ????えっ?!」
「声が言うんだよ。何度も何度も何度も何度も何度も。」
「ひゅぅっ、や、め」
「こいつらをころせば俺をここから出してくれるってな…」
「…うっ、が、ぎ、う」
「いやあ!!剛!止めてえっ!」
「…ぁ………」
「………さ、あとはお前だけだな、美奈子。」
「……………………ぇ?」
「死にたく、ない。」
「死にたくないよおっ!!」
「助けて、誰か、助けてえっ!!!」
「あはっそうだよ!泣いて叫べ!!そんでしね!俺のために死ね!!」
「いや、来ないで!こないでよぉっ!!なんで、なんで立てないのよぉっ!」
「あ、う、ひ、がっぎ、だす、け、て、つよ、しい、しにたく、ない、よ、ぐっがっ。ひっ…ぁ…ぅ……」
「ひぁははあは、歩、ぎゃはははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
「これで、帰れる。」
「帰れるん、だ。」
そんなこと、させるわけないでしょう。
質問 彼はだれ?