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---8--- 森家屋内 会話を邪魔する者、そして冒険の仲間たち

 二人の会話を邪魔する不意に襲った光源、それは瞼を閉じても、当たっている光で瞼の血管が透け内側がピンクの視界になる程の強い光あるものだ。

 数秒後、光源は消えさる。同時にベッドの上に何者かの気配だけを残す。

 瞼を閉じた二人は光源が消えた事で闇が訪れたので、光源が消えたのだと認知し、うっすらと恐る恐る目を開ける。


 光源があった辺りに人影があった。

 まだ先程の強い光で視界がしばしばしている状態の両者は、急いで見極めるべく目を馴らそうと閉じたり開けたりし回復に努める。

 だが回復する前に、謎の人物が声をかけてきた。


「♪や~。元気してたかな~。

 ゴメンね~ちょっと用事で説明に来るのを、ほったらかしにしちゃってて。

 でもでも草原行ってもキミがどこにも居ないから探すのめんどくさかったよ~」


 このゆるゆる口調にシアキは聞き覚えがある。


 声の主がラフェルには、わからない。

 未だ視力が回復していないので、手探りで手元に置いていたランプ再度持ち声のする方へ尖った部位を向け警戒態勢を作る。


「誰ですか?あなたは?ココから出て行ってください!!」


 少し震えた声に、シアキはラフェルの焦りを感じとる。


「うるさいな~。

 何?それ武器のつもりかな~?。

 私は、これっぽっちもあなたに興味無いのよね~。

 すこ~し、黙っててくれるかな~じゃないと、うるさいから消し飛ばしちゃうよ~」


 ゆるゆる口調なのに棘のある発言を、殺気交じりに発する。

 少し視界がボンヤリではあるが回復する中、悪寒の様な殺気を感じとる。

 とりあえず、ラフェルを落ち着かすべく行動をする。


「大丈夫!ラフェルさん心配はいらない。そのランプを向けているんだろ?。

 それを布団の上にでも掘り投げて攻撃の意思は無い事を示してくれるか?。

 安全だからきっと」


 シアキの発言にビクンと軽く飛びあがる。


「本当に大丈夫なんですよね?シアキさん」


「あ~大丈夫。

 心配いらないから少し騒がず動かずそのまま視力が戻るまでじっとしていてくれるか」


 ランプから手から離し、警戒態勢を解き、騒がないようにと言われたので、騒がす成り行きを見守る。


 この聞き覚えのある、ゆるゆる口調の主が誰なのかシアキは検討がついている。

 そして視力回復も済み、目の前の人物を確認する。


 やはりそこに居たのは、サラサラの金髪を腰辺りまで伸ばし目鼻立ちが整った実に美しい淡い紺色の瞳をした白いベールの様な物が幾重にも重なり合わせて作くられた、まさに光のドレスと言って呼称して良い衣装を身に纏い、何故か足下は素足の胸だけはラフェルに比べればかなりの残念感が残るがこれぞまさに美と言うに相応しい身長百六十センチ前後の正に美女、いやあの自らに自称を付けた神だ。


 遅れてラフェルも視界が回復したのだろう眼前にいる、その者の姿に見とれている。


 そして今シアキは少し腹が立っている。

 なぜ腹を立てているかは言うまでもない事だか、先程のこの眼前に立つ自らに自称を付ける神の言動と行動に腹を立てているのだ。

 折角苦労し...いや苦労はしていないが、この世界でやっと巡り合えたラフェルというこの世の貴重な情報源との良好な関係構築をしている真っ最中だったと言うのに、いきなり姿を現したかと思えば横柄な態度で独特なゆるい口調や殺気を向けてラフェルを脅し全てをぶち壊そうとしたからだ。

 折角の情報源をここで失う訳にはいかないと考えたシアキは眼前に立つ自らに自称を付ける神の注意をなるべく自分に向くように声を掛ける。


「おい!この天然、ゆるゆるの自称神様。 なにが説明に来ましただ。

 そこは転生後すぐにでも現れてやるべき事だろうが。

 遅すぎる説明は何の意味もないだろうが~遅すぎて危うく俺は死にかけたんだからな!少しはその辺の事を考慮し誠意をもって先ず俺に謝罪だろ!」


 悪態吐くシアキの発言を受けても、自らに自称を付けた神は先程ラフェルを脅した時に見せた口調、殺気は向ける事は一切せずに唯々ニコニコと微笑みながらシアキの様子を窺う。

 そして自らに自称を付ける神はゆるい口調のまま話し出す。


「もぉ~キミは~死にかけたとか~そんな大げさすぎだよ~。

 キミは~私の強さを基準に基礎面をそのまま構成して転生させたんだから~。

 この周辺のモンスター程度や、人とか、そこの魔族の子ですら敵にはならないと思うよ~?。

 それに、この辺りのモンスターやそこの魔族の子位ならさ~数発殴れば倒せるはずだよ~。

 まぁ~かすり傷を少しは負うかもだけどさ~死にはしないよ~。

 ホ・ン・ト、大げさだな~キミは~」


 思わずラフェルは懐いた疑問を解決しようとシアキに訪ねてしまった。


「シアキさん!!。

 この人がそのシアキさんの言ってた神様という方ですか?」


 自らに自称を付けた神はラフェルの発言を聞くなりラフェルに対し一瞬で殺気を混ぜた目線を向ける。


「ん?ホントあなたよくしゃべるね~......まぁ~いっか!。

 そだよぉ~。 この私が、そこのシアキって、あなたが呼んでる子をねぇ~ちゃちゃっとね~この世界に転生させた、すっぅぅ~ごぉぉぉ~い神技を使った神様ですよぉ~。

 崇めてもいいんだよ~、崇めてもいいんだよ~、さぁ~さぁ~ほら、ほら、崇めてもいいんだよ~」


 ビシッと右手人差し指をラフェルに向け、少し前かがみで左手を腰に当てウインクしながら小首を傾げ語る。 

 もしこの自らに自称を付ける神の容姿で決めポーズを付けるとするなら、メガネをクイっと上げて直すとか地味目な態度振舞をすればこの美貌を有する美女の魅力を引き出せると両者は思い心の中で「残念美人」だと認識する。

 だがこの美女らしからぬ幼稚な態度振舞を見たラフェルは若干冷静さを取り戻すことに成功する。

 そして眼前の自らに自称を付ける神の姿を見てるのが居た堪れなくなったラフェルはシアキへ視線を合わせ助けを求める。

 そのラフェルのどうして良いのか分からないと言う表情を確認したシアキは助け舟をだす。


「崇拝されたいなら他所へ行って崇拝されて来い!。

 それよりお前は説明をしに来たんじゃないのか?。

 あとその図体で何気持ちの悪い行動を取ってんだよ!。

 そぉ~言うの決めポーズとかはもっと幼さが残るラフェルさんのような可愛い少女がやって初めて様に成り成立するんだよ。

 お前みたいな奴はもっとこうクールに眼鏡をクイっと上げて直したりとか何もせずとかの方が様に成って似合うんだよそれ位の事は理解しとけよ。


 一応第二の人生をくれる為に転生してくれた事だけはすっごく感謝はしてるが、あまりに冗談がすぎると本当に怒るからな。

 さっさっと兎に角そんな気持ち悪い事を止めて説明をして帰りやがれ。

 はら!一体何を説明しに来たんだ早く聞かせろや、いい加減イライラするぞ」


 自らに自称を付けた神はシアキの態度を察知し何かを感じ取ったのかコホンと咳払いを一つした後、徐にゆるゆる口調で話し始める。


「では、ステータスの開き方から」


 言い終える前にシアキは話を被せる。


「もうそれ知ってる。

 偶然出せたし、あのふざけた「簡単な取り扱い説明だよ~」も見たしな。

 ちなみに割り振りも出来る事も分かったし。

 殆どの事は弄って何となくだが理解も出来ているはずだ!。

 それ以外は何かないのか?無いならとっとと帰れよ」


「う~んもう知っちゃったのかぁ~つまんないな~。


 じゃ~服は、書き込むと現れるのは知ってるよね~。

 あれは、おまけで付けた能力だったと思うんだけど~それの説明してないから~ちゃんとした使い方は知らないでしょ?どうかな~ふふふ」


 指摘内容の詳細は知らないので素直に「それは知らないな」と言いながらシアキは頷く。


「そかそか、そこは知らなかったか~だよね~書いてないものね~分かんないよね~よぉ~しよし、教えてあげよう。

 あれはね~...全裸に近い、何も装備してない状態になれば~着替えは書き込んだ物が装備出来るようになりまぁ~す。

 しかも、しかも~何回でも使用可能なんだよぉ~すごいっしょ」


 自らに自称を付ける神様は腕組みをし、エッヘンっという感じのボディーアクションをし自慢げに説明をする。

 その姿を見てシアキは余計に腹が立つ、やはり最初の姿は全裸(まっぱ)であったと言われていると知り二倍腹が立つ。


「おいちょっと待て。

 最初の、あの姿は全裸(まっぱ)だったって事だよな、この野郎~俺はそれで危うく変態として捕まり二度目の人生即終わるとこだったんだぞ!それを分かってやってるならお前の根性は相当ひねくれてるぞ」


「そだね~ひねくれてるかもね~まぁ~まぁ~そんなに怒んない、怒んない、あれは唯の冗談だからさ~。

 まぁ~もし捕まってたら、私が説明に現せた際にでもさ~その周辺の人やモノを全て消し飛ばしちゃえば~何の問題ない事でしょ~。

 あぁ~でもさ~見たかったな~葉っぱ一枚でアタフタしてる所、っぷ。あはははは、駄目だ~想像しちゃったぁ~。っぷ。あはははは」


 もうこの自らに自称を付けた神の発想が斜め上に飛びまくっている、いや自身と似と似たようなところがあると何となく理解したシアキは怒る気力というものをこの自らに自称を付けた神に対し使うのが馬鹿らしくなる。


「で!笑ってないで、次の説明は何なんだ?」


「え!あと、っぷ。あはははは・・はぁ~お腹痛いちょっと待って笑いすぎてお腹痛いよ~」


 一頻り笑い終えるまでシアキは待つ事にする。

 自らに自称を付けた神がお腹を抱え笑う姿を数分間無駄に観賞させられる。


「はぁ~はぁ~はぁ~笑った、笑った~。

 えっと次はこの世界についての大まかな知識ってとこだね~」


「そこは教えてもらわなくていいから、それ以外に何も言う事が無いなら帰れ。

 この世界についての大まかな知識ならお前みたいないい加減な奴から聞きたくないしお前から聞いたら絶対にまた冗談、冗談とか言ってひどい目に合うに決まってるしな」


「ひっどいな~冗談は言うけどさ~。折角来たのに~な~ぶ~ぶ~ぶ~。

 わ・た・し~もう職を極めちゃってする事がないんだよね~。

 だからさ~説明位させなさいな~」


 話を振られたのでシアキは返答しようとするが先にラフェルは声を掛ける。


「あの~・・」


 自らに自称を付けた神様はギロリとラフェルを殺気交じりで見る。

 その目を見たラフェルは凍りつき口を挟むのは得策ではないと瞬時に理解し黙って二人のやり取りを見守る事を決め地蔵のように固まってしまう。


「ひどい目に合う可能性がある以上教えてもらわなくて結構だ。

 さぁ~もう説明は終わったんだろ、ならさっさと帰ってくれ、いや寧ろ帰れ。


 この世界についての大まかな知識や説明とかは先約としてここに居るラフェルさんに聞く予定だからな。

 ね、ラフェルさん?」


 話題を振られたが、もう黙って眺める事しかできない。

 じっと見つめるがラフェルからの返答がない。ただの地蔵さんだ。


「ほら、その子は何も答えないし話したくないんだよ~。

 せっかく用事をすべて終わらせて~来たんだから~暇つぶしに説明位させなさいよ~、説明させてよ~、説明させてよ~」


 両手を左右に揺らし振り「説明させてよ~」と可愛い仕草をしながら訴えかけてくる。

 正直良い大人がやっても何も可愛くない、本当にウザさ百パーセントなだけだ。


「うっさい、ウザい・・。なんか見てて腹が立つからそれやめろ。

 そだお前、呼び名はなんだ!その前に名前教えろよ」


 名前を知らない事に気づき教える様に求める。


「ふふふ、そだな~教えてあげてもいいよ~。

 ただし「お願いします神様、その高貴なお名前をこの人である僕にお聞かせください」ってそこにひれ伏したら教えてあげるよ~」


 自らに自称を付けた神からのふざけた要求を聞いたシアキはそれらを実行する気は毛頭ないので、能力を使い眼前の自らに自称を付けた神のステータスを開き内容を確認する。


--------------------------------------------------------

 ラ・リリルルフェ・ルル

 [21歳(×100)][女性][神族_神人族_神人]「光属性」

-----------------[上書き][削除][書き換え][接続][切断]---

[主職] 神技使いLv100

[副職] なし

-[副職予備選択]-----------------------------------------

 神業使いLv1 打撃聖術士 射撃聖術士 聖撃聖術士

-[装備]----------------------------[▼開く][△閉じる]---

----[装備済み]

 光のドレス  

-[保有アイテム]-----------------------------------------


-[能力]----------------------------[▼開く][△閉じる]---

[総体力値] 35000/35000(+-)(0)

[総精神力値] 30000/30000(+-)(0)

[回避値] 1000(+-)(0)

[技量値] 3000(+-)(0)

[攻撃力値] 10000(+-)(0)

[神技力値] 10000(+-)(0)

[神業力値] 10(+-)(0)

[総攻撃力] [20010]

[打撃防御値] 9000(+-)(0)

[射撃防御値] 9000(+-)(0)

[魔撃防御値] 9000(+-)(0)

[聖撃防御値] 9000(+-)(0)

[総防御力] [36000]

[能力値割振り] [30000] 0(+-)(30000) 

[時限付き(1日)能力値割振り] 0(+-)(300000) 

-[取得能力]---------------------------------------------

 高位神技全種 打撃聖術全種 射撃聖術全種 法撃聖術全種 

 転移(300) 転送(300) 空間移動 浮遊移動 能力付与

 他者転生 生体復元復活聖術 治癒聖術全種

-[備考]-------------------------------------------------

 この国での名前の読み方規則「 一族名+個人家名+個人名」


 神技を極めし者 性格何かと緩い 大雑把で気まぐれな性格

 知識欲旺盛 卑猥系全般耐性有り

--------------------------------------------------------


「ふ~ん、ラ・リリルルフェ・ルルって言うのか。

 呼び方は、ルルと呼ぶとして。


 でも、まぁ~ルルは流石神って言うだけあってスゲ~ステータス値してるな。


 てかお前そのドレスしか装備して無いのかよ。

 せめて下着やら靴位は装備しとけよ」


「え!なんで私のフルネーム知ってるの・・」


 突然自身の名をフルネームで呼ばれ吃驚したがラ・リリルルフェ・ルルはすぐさま事象や理由を考察し納得する。

 この辺は流石神である理解力が半端ない。


「・・あぁ~見たのね私の情報を!!。

 ず~る~い~その能力~ず~る~い、ずるいぞ~。

 その能力を付与したのわたしか~失敗したな~私もほしいな~私もほしい~私もほしい~」


 いくら美女でも良い歳した女の駄々っ子は見ててウザい。ウザさは百パーセントだ。

 その行動を見るのがもう耐えられず、解決するであろう言葉を口にする。


「そんなのルルは神様なんだろ、自分にその能力を付与すれば解決するだろ?お前馬鹿か天才かどっちなんだよ全く」

 ・

 ・・

 ・・・

「私、これでも「ラ」の一族は、神人族でも結構五本の指に入っちゃう程、強いんだぞ~その私に向かって馬鹿って言うかな~キミは~それに私を敬称も無しで名前を呼び捨てにするとか~死にたいのかなー私がちょと力入れたらキミなんか一瞬で消し飛ばせちゃうんだぞ~。


 それにさっきから私の気がそこの魔族の子に行かない様にって考えながらはつげんしてるでしょ~正直そう言うの私嫌いなんだよね~ホントキミは度胸あるよね~。

 ふふふまぁ~いいわ、どうせ、これは拒んでも~私も最初からキミには呼び捨てを強要するつもりだったし~手間省けたから許してあげる~。

 

 あとね~結論から言うと~キミに付与したその能力は~私に付与出来ないの。


 その能力はキミの思考から抽出して~キミの思考に合わせ付与したものなのね~だから~この世界には~端から概念として無い思考なのよ~。

 そもそも~空気が空気、水が水であるって~言うものを自然に理解する思考能力がある事が~条件でね~私が後から勉強し~その思考を理解出来したとしてもね~それはあくまでも唯の知識ってなるだけで~いくら私の高位神技を使ったとしても能力付与でも具現化維持は出来無いのよ~。

 これが能力付与の原則で仕組みって訳なのよ~わかった?だからそれ欲しいの~」


 説明を終えた後「それ欲しいの~」と連呼しながら地団太を踏み、駄々っ子アピールを一頻りする神ルルであった。

 そしてさっき迄のふざけた態度から一変し部屋全体に殺気が充満する、さらに殺気が交じる目でシアキを見る。


「仕方ない、この世界で、その能力はキミにしか使えないからね。

 私の評判にも響くから~絶対に悪用しないでよね~分かった?」


 殺気は向けられているが、先程の様な背筋に悪寒が走るような恐怖はもう感じない慣れたようだ。

 やはり自分は感情のどこかが欠けているのだろうかとシアキは思うのであった。

 殺気に当てられたラフェルは青ざめた表情で益々地蔵のように固まってしまう。


「いやいや悪用って言われてもな~これ唯単に強さが今いくらですよって見れて、少しだけ強さを弄れるってだけで、そんなに色々と使える能力じゃない気がするぞ。

 まぁ~面倒事に巻き込まれたくないし悪用はしないつもりだから、其処の所は安心してくれていいぞ」


 殺気を放出している状況下でさも平然とシアキが軽いノリで悪用しない事を宣言してくる姿を確認したルルは笑い出す。


「っぷふぁはははは、やっぱりキミって面白いね~。

 こんなにさっきよりも強い殺気を放ってるのに~もう慣れたって感じなの~?。

 まぁ~その辺はどうでもいいや。 あと私も端からキミが悪用するとか考えてないからね~全然心配はしてないよ~。


 でも一応キミを転生させたのは私だからさ~その吐いた言葉は消せないよ~もし悪用したら~キミを本気でプッチっと潰して滅してポイしちゃうからね~」


 本気出さないまでも、力いっぱい殴られれば簡単に肉団子、もしくは、首と胴体がさようならする事はルルのステータス値を確認した際に理解している。


「分かってるよ俺もキャッキャウフフな事や恋を何もせずに折角拾ったこの第二の人生を台無しにするような事をしてルルに命を奪われてたまるかっての」


「よしよ~し。じゃ~もう話すこと無いね~。

 あと、あと、さっき言ってた、わ・た・し・のぁ~ステータスってやつ、そんなに凄いのかな~?ね、ね、やっぱり私って最強?、ね~少し教えてみてよ~」


 コロコロ表情と話題を変えるまさにルルは台風の様な奴だ。

 でも付き合わないと機嫌を損ねプチっと潰されポイされかねない。

 話題を変えようにもラフェルは聞き地蔵の様に目線を合わせてはくれないし微動だにしない。


「仕方ないな~簡単に教えてやるよ。

 でも先に俺の質問に答えてくれ、いいか?・・腑に落ちない所があるんだ。


 ルルの年齢の二十一歳って横にカケルかバツで百ってあるんだが、これはどう言う事なんだ?。

 お前見た目は二十一歳位だが実年齢を百倍しろって考えていいのか?それともお前離婚回数が百回とかあるとかかなのか?」


「ん?私の年齢が二十一歳ってそんなお子様じゃないし~二千百歳だよ~それにそもそも私は一度も結婚してないからね~だからそれは単純に私の年齢って二千百歳を示してるんだよ~」


 その発言で地蔵と化したラフェルが驚き、眼を見開いている。

 一応ラフェルの時は失礼な質問だと思い敢えてしなかったがルル相手なら失礼な質問が出来るなとシアキは思いながらルルの発言を基にこのステータス表記の年齢横にある表示内容の意味を理解するのだった。


「今の答えでこのステータス表記の何たるかが少しだけ理解出来たわ、恐らくこの年齢は俺か人の寿命に置き換えた時の年齢で表示するように成ってるんだな。

 これで一つ疑問が解決したしよありがとなルル教えてくれて。

 あとお前の数値だが体力三万五千、精神力三万、恐らく総攻撃力二万十、総防御力三万六千で本職が神技使いレベル百で副職は何もない状態だ。

 ただ神業使いレベル一ってなってるから、本職を副職にして神業使いってのをセットすれば、まだ伸びるんじゃないか、ルルの強さって」


 神業使いという言葉に強く反応を見せ、ベッドからぴょんっと飛びシアキにすり寄ってくる。


「そのレベル一って方の「かみわざ」って、もしかして「ぎょう」って書いた方のわざ?」


「ん?違いは見る限り「ぎょう」の方だな」


 内容を聞いたルルは一瞬驚愕するものの刹那の時間でこの世のすべての嬉しさが一気に押し寄せて来たと言いたそうな実に緩みきったそんな表情をみせる。

 そしてまるで猫のようにシアキに体を擦り付け甘えて来る。


「ねぇ~シアキ~私のステータスってのを弄ってくれないかな~本職と副職ってやつを替えてぇ~。

 ねぇ~本職に「ぎょう」の付く方の神業使いにして~副職に今までの本職の神技使いにしてくれないかな~ねぇ~ねぇ~してくれないかな~?


 もししてくれたら~私がこの世界でシアキが寿命迎える迄の冒険の間~仲間になってあげるからさ~。

 ねぇ~いいでしょ~どうせ冒険するんでしょ~。

 仲間は必要だよ~。

 しかも私はすっごく強いよ~。

 こんな好条件物件は他にないよ~。

 ねぇ~してくれない?」


 このルルのステータスは本物である、今後こんな強い冒険仲間を集めろと言われると集められる自信はない。

 だが正直四六時中このウザさを我慢のかと思うとシアキは気が滅入るが、それさえ我慢すれば、いや慣れてしまえば問題ない事だと納得する。


「あぁ~解った!変更はしてやるから取り敢えず俺から離れろそして擦り寄るな。

 でも先にお前が邪魔して現れる前の、俺とラフェルさんの話を終わらせるのが先だ。

 それが済むまでは変更しないからな。

 お願いだから、大人しく黙って待っててくれ頼むから」


 素直にルルは一歩程度の距離をぴょんっと飛び、シアキから離れる。


「もぉ~そんなの時間が勿体ないよ~そんなのどうでもいい事じゃない。

 それに大体の見当は付くしさ~...その子は魔族の国の一つの第一王姫でしょ~。

 恐らくこの子の国って内部で権力闘争が頻発してるだろうし~どうせこの地に幽閉とかされててシアキを言い包めて~ここから逃げ出すのが目的とかだよ~きっと」


 そう言いながらルルはラフェルをさっき交じりの眼でギロリと睨み付ける。


「ルルうるさいぞ少し黙ってくれ、もし黙らになら話が終わっても職を替えないからな、お願いだから黙っててくれ少し。

 あとラフェルさんそのごめん、一応馬鹿なやつの戯言は無視してくれ、そして話が滅茶苦茶になったけど俺の経緯は大体分かったろ...こんな感じだ」


 今まで地蔵と化していた為、急に元の話しを振られても即対応ができない。

 それにルルが適格に言動し思惑を当たられた為どう返答すればよいか悩み押し黙る。


「ほらルルが変な出鱈目な事を言うからラフェルさんが困ってるじゃないか!」


 そんな事で今言葉を発するのは得策ではないのだ。 眼前に居る神族が「ラ」の一族と言うのがとても問題なのである。 だが話さなければシアキの身を危険に晒す可能性があると思いゴクリと生唾を飲み自身の真実を語りだす。


「そ、そのシアキさん。

 そちらの、ラ・リリルルフェ・ルル様の言う通りなんです。

 私の国は今内部で王族同士で権力闘争が起きています。

 そして周辺の他種族国家とも争い事が絶えません。

 私はその同族の裏切りに合い、強力な魔術師と魔導士よって強制転移魔法なるものをかけられました。

 その・・・この迷わせの森に、十年前に転移させられた身です。

 そして、姫業で戦闘には不慣れで、この迷わせの森を自力で脱出するだけの実力はありません。

 もし脱出出来るとしたら、ここまで辿り着いた強者を送るという名目で一緒に河原まで行き、脱出する方法しかありません。

 ですので、私はシアキさんを明日送る名目で、私は、私は、・・・シアキさんを利用しようと考えていました。

 ごめんなさい」


 今にも大粒の涙がラフェルの瞳から零れそうになっている。

 ハンカチになるようなモノが手元になかったので、そっと指でその涙を拭ってあげる。


「正直に話してくれてありがとな...よぉ~し」


 罵声や罵られ殴られる事を覚悟しラフェルは眼をぎゅっと硬く瞼を閉じ身を固くしシアキからの反応を待つ。

 そんな身を強張って罰を甘んじて受けますと言う態度を向けられシアキは冒険する目的を見出す。

 この面子で冒険をしたいと強くシアキは思う。

 その為には、まずルルからある言葉を聞かなければならない。


「ルル本当に俺の寿命が尽きるまで間、冒険仲間になってくれるんだな?」


 何かを察したのだろう、ルルは笑顔で首を縦にふり頷く。


「ホントだよ~、ただしそれには職を変更してくれるって条件を守ってもらうからね~」


 その言葉を聞き感謝の意を込め大きく頷く。

 これでシアキの決意が固まった。

 あとはラフェルが何を言おうがメンバーに加わるように説得するだけだ。

 向き直り少し大きめの声でラファルに向かい自身の決意を伝える。


「ラフェルさん!ここに居るルルと俺とラフェルさんでここを冒険の拠点場所にして旅の途中で仲間とかを探して世界を一緒に冒険しまくらないか?。

 取り敢えず最初の冒険はこの森を攻略し脱出するってことにしてさ森を出たらまた違う目的を見つけて冒険の旅をするってどうかな?。

 もしラフェルさんの目的が、ただ森の脱出だけだって言うならその間ってだけでも俺達を一緒に冒険しないか?。

 仮にラフェルの目的がその裏切った同族や自国の奴らを滅ぼすとかなら俺はそれを手伝うからさ。

 どうかな?俺達の仲間になって冒険してくれないか?」


 その申出は正直ラフェルは予想していなかったのでキョトンとする。

 そして悩む、自身の目的達成の為だけにこの二人を利用してもよいものかと。

 その悩み考えるラフェルの姿を見ていたルルは相手が何を考えているのかが手に取るように分かる。

 伊達に二千年近く生きていない、こんな光景も何度かあり対象法も心得ておりシアキと目が合い軽く頷き合い、行動を起こすのだった。


「シアキってお人好さんなんだね~ルル感動しちゃったよ~ホント惚れちゃいそうだよ~。

 ・

 ・

 ラファルちゃんだっけ~何も私達を利用するんじゃないか~って難しく考え無くても良いんじゃないかな~。

 既にシアキと私はラファルちゃんの仲間なんだしさ~仲間がダンジョンや脱出不可の幽閉地から脱出する為の冒険を一緒にするだけだよ~。

 これってさ~なんか楽しそうじゃない?。

 それに同じ冒険仲間を助けるとかって普通でしょ~。

 もうあなたはこのパーティーの仲間で~これは一方的に相手を利用する行為じゃないんだよ~だから~一緒に協力して攻略するんだよ~わかった?

 ・

 ・

 あ~私ったらちょっと真面目に語りすぎちゃったかな~」


「そうでもないと思うぞ、だがルルの言う通りだと思うぞ。

 な!ラフェルさん、いやもう仲間だから敢て「さん」は付けもしないしで呼び捨てにするな、ラフェル。

 俺達と一緒に、この森の脱出クエストを攻略しようぜ」


 ラフェルに向けシアキは手を差し出すそれを見たルルも手を差し出す。

 差し出された二つの手をラフェルは涙混じりの笑顔で握り返す。


「よろしくお願いします」


「そんな余所余所しいくじゃなくて「「よろしく」」でしょ、だよ」


 二人に笑顔で言葉を修正され、ラフェルは改めて笑顔で「よろしく」っと叫んだ。


 ここに異世界では珍しい他種族で構成された冒険者パーティーが今誕生した。

--- 8話目のみの後書き----------------------------------------

8話目最後まで読んでくださりありがとうございます。

どうでしたか?楽しんで頂けたならうれしいですが。


さて謎の光源の正体、予想通りでしたか?

予想とは違った方はもうそうだと思っちゃってください。


では、次9話目で、お会いしましょう。

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